たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

デイム街を占拠せよ。

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ニューヨークで Occupy Wall Street (ウォール街を占拠せよ) みたいなムーブメントがあって、大勢の人がウォール街で座り込み、というか泊まり込みをしていました。世界各地でこの運動に呼応した動きがありましたが、ダブリンも例外ではありませんでした。

 

アイルランド中央銀行 (日本でいう日本銀行) は街なかのデイム・ストリート (Dame Street) っていうところにあるんですが、その敷地でテントを張って泊まり込む人が出てきました。

 

次の写真は、泊まり込みが始まってすぐの 10 月中旬の写真です。

 

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それから、次の写真は 2 週間ぐらい前の写真。

 

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最初の頃は、テントが無造作に立てられていて混沌としていたんですが、2 週間前には運搬用のパレットで囲いを作って、通行人の邪魔にならないようにしていました。

 

ニューヨークとロンドンは当局によって排除されたようですが、ダブリンはまだ続いています。たぶん。ここ数日、めっきり寒くなったんだけど、風邪でもひいてないといいけど。

 

それで、抗議の人がテント張ってる場所は、中央銀行の敷地内なんですよね。そういうのが許されちゃう、というか許しちゃうおおらかさはあきれるぐらい凄いです。

 

今回のこのデモは、明確な目的みたいなのがないのが特徴らしいです。これは、ニューヨークでもロンドンでもダブリンでも同じです。

 

アイルランドは、すぐにラジオのフォーン・イン (Phone in: 視聴者が電話かけてきてディスカッションする) 番組でこういうのを取り上げるんですけど、このデモに否定的な人は、電話掛けてきて「そんなことする暇があったらまともな仕事に就け」とか言ってました。こういうこと言う人がいるのは日本だけじゃないとわかって安心しましたが。

 

もちろんデモをやってる当事者も出てきて説明を試みるんですが、あんまり要領を得ないですね。マネーゲームに興じてお金儲けてる人を批判しているのは分かりますが。好意的に解釈すれば、そういう人が集まって連帯を示すということなのかな、と思います。

 

それで、日本のメディアだと、このムーブメントが「反格差デモ」っていう風に紹介されてるんですけど、それは違うと思った。こちらではそんな風な言い方をするのは聞いたことないです。

 

このデモは、貧乏な人がお金持ちを攻撃するデモではありません。あくまでも、マネーゲームで不当にお金を儲けてる人を批判するデモだと私は理解しています。

 

つまり、お金のことではなく正義というか公正さというかそういうモラルの点で腐敗している人を攻撃している。その証拠に、この人たちがゲイツ (マイクロソフト) とかズッカーバーグ (Facebook) とかジョブズ (Apple) を攻撃しているという話は聞いたことがありません。彼らはもちろんいっぱいお金持ってますけど、何万もの雇用を創出してアメリカに富をもたらしたわけですから。

 

いや、もちろん、ほんとうはお金持ちは羨ましいなー、みたいな気持ちはあると思いますよ、たぶん。でも、それをそのまま言ったら、「君ら、お金持ちをやっかんでるだけやん」と誰も味方してくれませんから、そんなアホな言い方はしません。

 

でも、日本のメディアは「反格差デモ」みたいな言い方をしてしまう。なんかまだ、「持てる者」対「持たざる者」みたいな単純な二項対立が有効だと日本のメディアは思っているのかなーと、違和感を持ちました。