たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

アカデミー賞受賞を記念して郵便ポストが金色に

先日のアカデミー賞で、アイルランド人のリチャード・ベーナムさんが『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』で視覚効果賞を受賞しましたが、それを記念してAn Post が2つの郵便ポストを金色に塗り替えました。

 

 

1つはダブリンのタラにあるベーナムさんの実家近くの郵便ポスト。もう1つは彼が通ったバリファーモット・カレッジの前にある郵便ポストです。

 

前回は、東京オリンピックパラリンピックの金メダリストにちなんで郵便ポストを金色に塗ったのでしたね。

 

しかし、バリファーモット・カレッジは優秀な人材を映画界に送り続けています。ここはアニメーション学科があるのですが、ベーナムさんもここの出身。『ウルフウォーカー』で2021年アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされたトム・ムーアさんやポール・ヤングさん、2018年の『生きのびるために』(原題: The Breadwinner)で同じくノミネートされたノーラ・トゥーミーさんもここの出身です。

 

www.dublinlive.ie

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ

ライアン・タブリディがレイト・レイト・ショーを卒業

 

レイト・レイト・ショーの司会を14年間務めたライアン・タブリディが、今シーズンの終了をもって番組を卒業することが発表されました。

 

レイト・レイト・ショーは毎週金曜の夜にRTEで放送されている国民的トーク・ショーです。放送開始は1962年ですから、もう60年以上の歴史を誇ります。最初のホストはゲイ・バーン。彼が1999年に卒業し、そのあとを継いだのがパット・ケニー。そして、2009年に現司会者のタブリディにバトン・タッチしました。

 

レイト・レイト・ショーの次の司会者はこの夏に発表されるそうですが、開始から3代男性が続いたので、今度は女性になるのではないかといわれています。ミリアム・オキャラハン、クレア・バーンあたりが本命視されていますが、若手ではサラ・マキナニーも候補にあがっています。

 

男性ですと、コメディアンのブレンダン・オコナーが有力視されています。また、コメディアンのダラ・オブリアンの名前もあがっています。

 

タブリディ時代のレイト・レイト・ショーで話題になったシーンのトップ10が記事になっていましたので、以下にまとめました。

 

  • トイ・ショー F 爆弾事件。2020年のトイ・ショーで、タブリディが思わずF-word をつぶやいたのではないかという疑惑。というか、言ったらしい。タブリディは「私のキャリアの汚点だが、同時にユーモラスな瞬間でもあった。良かったのは、お茶の間の皆さんが『ああ、彼も普通の親なんだな』と思ってくれたことだ」と言っています。

    Ryan Tubridy says "Fuck" on the Late Late Toy Show - YouTube

  • ローナン・オガラの奇妙なインタビュー事件(2015)。ゲストで出てきた元ラグビー選手のオガラが、マンスターで2625ポイントを上げたことと、5人の子供がいることと、どちらを誇りに思うかときかれて、「妻のジェシカの上に乗るときには緊張しないけど、ボールをけるときには緊張します」と答えた事件。オガラはあとでジェニーさんに謝罪したそうだ。 

    www.youtube.com

                                                                                                                     
  • ラッセル・クロウvs観客(2015)。手拍子のタイミングがあっていない観客に向かって、ラッセル・クロウが「手拍子するならリズムに合わせてくれ」と言った事件。ただし、クロウの歌がひどかったので、手拍子をそろえるのも難しかったみたい。

    www.youtube.com

  • リンダ・マーティンvsビリー・マギネス(2014)。これは私もリアルタイムで見ていた。アズランのギタリストのビリー・マギネスが、ユーロビジョンコンテストの予選の審査員だったルイ・ウォルシュ(ボーイゾーンとかのマネージャー)に面と向かって食って掛かった件。なんか常日頃からよく思っていなかったのかもしれない。それに対して、ウォルシュの友人のリンダ・マーティン(ユーロビジョン・コンテスト優勝者)がすごい勢いで言い返した事件。

    www.youtube.com

  • エド・シーランが子供に現実を思い知らされた事件(2021)。シーランがトイ・ショーに出演して子供たちと歌を歌った。そのときの子供の1人が正直な子で、「あんたの歌は聞き飽きた」みたいなことを言った。どうもその子の母親がシーランのファンで、何度も何度もシーランの歌を聞かされ続けたせいで、いやになっちゃてたらしい。

    www.youtube.com

  • シアーシャ・ローナンSNL出演を弁解する(2017)。先日、サタデー・ナイト・ライブコリン・ファレルブレンダン・グリーソンのアクセントをネタにしたコントが放映されて物議を醸しましたが、2017年にも同様の事件がありました。ローナンがエアリンガスのキャビン・アテンダントに扮してコントを演じたもの。このときはエアリンガス、そしてアイルランドをばかにしているのではないかと論議を呼んだのでした。

    www.youtube.com

    www.youtube.com

     
  • トイ・ショーでの兵士と家族の再会サプライズ(2017)。アダムとケイラはお父さんが軍の仕事で海外にいると思っていた。ところが、彼らがトイ・ショーに出演しているところに、お父さんがクリスマスに間に合うようにと帰ってきて、サプライズで再会を果たしたのだった。

    www.youtube.com

  • ホージアが歌う『パーティング・グラス』(2020)。『パーティング・グラス』(別れの酒)はスコットランド民謡。これはタブリディがコロナに感染したのでミリアム・オキャラハンが代役を務めた回。パンデミックが始まり、街がロックダウンされ、死者が出始めたことのこと。ホージアは亡くなった方にこの歌を捧げたのだが、あまりに迫力のある歌い方だったので、鎮魂歌というより悪い虫のしらせのように聞こえたとか。 

    www.youtube.com

  • フランシス・ブレナンのデューベ問題(2016)。サービス業の経営者にアドバイスを与えるテレビ番組の司会者で、自らもホテルを経営しているフランシス・ブレナンが、デューベにカバーをかける簡単な手順を実演しようとしたところまったくうまくかない。観客の1人をステージにあげて手伝ってもらった。この観客の人は、ヤジを飛ばしたので選ばれたらしい。

    www.youtube.com

  • レイト・レイト・ショー: ビースト・オブ・ザ・イーストの回。2018年にものすごい寒波がアイルランドとイギリスを襲ったんだけど、この寒波には「ビースト・フロム・ザ・イースト」というニックネームがついています。1982年にも寒波が襲ったのですが、収録の日に若いカップルがRTEを訪れ、観客席に空きがあったら入れてもらえないかと尋ねました。この番組の観客は招待制で、抽選にあたった人だけが参加できるのですが、その日は天候が悪くて来られない人がいっぱいいるだろうと見越して、カップルはやってきたわけです。で、まあ、スタッフの好意で入れたわけですね。2018年の寒波のときに、その同じカップルが36年前と同じようにまた空きはないかしら、ちゃっかりメールを送ってきたわけです。で、こんども入場を許可されて、タブリディとステージで軽くインタビューまでされていました。

    www.youtube.com

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ

 

www.irishtimes.com

www.irishtimes.com

ロバのジェニー

 

映画『イニシェリン島の精霊』でコリン・ファレルに寄り添っていたロバ。あれがジェニーです。親友に絶交を言い渡されたパドリックを精神的に癒します。ジェニーは役名ですが、本名も同じだそうです。アイルランド生まれです。

 

ジェニーはミニチュア・ドンキーの中でもとりわけ体が小さく、荷物の運搬などの使役にはあまり役に立ちそうにありません。ファレル扮するパドリックはそんなジェニーをかわいがります。そんなところに、あまり知的とはいえないけれども情に厚いパドリックの性格がよくでています。

 

先日のアカデミー授賞式でも司会のジミー・キンメルがジェニーを連れて舞台に登場しました。

 

 

キンメル「こちらはミニチュア・ドンキーのジェニー。『イニシェリン島の精霊』のスターの一人だ。ジェニーは演技ができるだけでなく、精神的支援の免許ももっているロバなんだ。いやまあ、そう申告してアイルランドからの飛行機に乗せたんだがね」

 

しかし、マーティン・マクドナー監督によると、あれは本物のジェニーではなかったようです。そのへんのロバを連れてきただけみたい。

 

ジェニーは演技をするのは初めてだったのですが、マクドナー監督はジェニーのことが好きすぎて、エンターテイメント業界から足を洗って平和に暮らしてほしいと、お金を払って引退してもらったのだそうです。今はアイルランドのどこかで静かに暮らしています。レポーターなどの嗅ぎつけられると面倒なので、正確な居場所は秘密になっています。

 

さて、映画の撮影現場では、ジェニーに何かあっては困るということで代役も用意されていました。保険会社に要求されたようです。

 

ジェニーは体が小さいので、似たようなロバを見つけるのは難しかったのですが、ようやくロージーというロバを見つけてイギリスから連れてくることができました。ロージーがやってきて仲間ができたということで、ジェニーの精神状態もよくなって演技が格段に安定したそうです。

 

さて、先月行われた英国アカデミー賞(BAFTA)では、『イニシェリン島の精霊』は英国作品賞を受賞しました。そのときの受賞スピーチでもマクドナー監督がジェニーとロージーに触れていました。

 

マクドナーさんは「英国作品賞をありがとうございます」という言葉でスピーチを始めたあと、「この映画にかかわったアイルランド人のキャストやスタッフは、『英国?』と思っているかもしれませんが」と軽くジャブを入れます。マクドナーさんはアイルランド人の両親のもと、ロンドンで生まれた人です。この映画はアイルランドが舞台ですが、出資したのは主にイギリスの会社です。

 

お決まりの感謝の言葉のあと、いよいよロージーとジェニーの話です。「最後に、代役としてスタンバイしてくれていたロバのロージーに感謝します。あ、彼女はブリティッシュです」。ここで笑いがおきます。ロバにはのろまという意味もありますからね。「いや、ほんとに彼女はストーク・オン・トレントの生まれですから」とイングランドの都市の名前をあげます。「ロージーは一度も画面に映ることはありませんでした。ちょっと太り気味だったので。しかし、ジェニーは彼女のことが大好きでした。ロージーなしにはこの映画は完成しませんでした。ありがとうロージー」。

 

ジェニーがアイルランドの隠喩、ロージーイングランドの隠喩だと考えると、このスピーチは奥が深いですね。

 

www.youtube.com

 

 

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ

イングランドで飼い猫のマイクロチップ装着が義務化される

この前の月曜日から、イングランドでは飼い猫にマイクロチップを埋め込むことが義務化されたそうですね。飼い主は2024年10月までに処置を済ませる必要があります。マイクロチップを埋め込んでないことが見つかった飼い主は、21日以内に処置を行う必要があります。これを怠った場合は、最大500ポンドの罰金が課されるそうです。

 

生後20週になる前に埋め込む必要があります。マイクロチップには連絡先が記録され、ペットのデータベースにも登録されるそうです。

 

イングランドには約900万匹の飼い猫がいると推定されており、そのうち230万匹がチップ未装着だそうです。

 

マイクロチップ装着の費用は20ポンドから50ポンド。大きさは米粒ほどで、これを皮膚の下に埋め込みます。マイクロチップにはシリアル番号がついており、飼い主はこの番号とともに連絡先をデータベースに登録します。引っ越ししたら、情報をアップデートしておくわけです。

 

マイクロチップを埋め込むことにより、迷いネコが見つかる可能性が高まるわけです。

 

飼い犬については、UKでは2016年4月に義務化されており、アイルランドでも同じ年に義務化されています。ただし、アイルランドでは飼い猫についてのマイクロチップ装着はまだ義務化されていません。

 

犬の場合でいいますと、マイクロチップを装着している犬は、していない犬よりも2倍、飼い主に再開できる可能性が高いそうです。

 

www.irishtimes.com

 

Larry


アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ

バラッカー首相がやらかした

 

3月17日のセント・パトリック・デーにはアイルランド首相が訪米して、アメリカ大統領と会談するのが恒例となっているのですが、どうやら今年はバラッカー首相がやらかしてしまったようです。

 

バラッカー首相は23年前、トリニティ大学の学生のときにアメリカにわたり、ジャック・クイン共和党議員のもとでインターンとして働いたことがあるそうです。

 

今回の訪問でワシントンDCのジョージタウン大学で開かれたイベントで講演を行ったのですが、当時を振り返って、「あの頃、ワシントンでインターンとして働くことを心配する親はいたに違いない」みたいなことをジョークとして言ったわけです。これはもちろん、クリントン大統領とモニカ・ルインスキーさんのスキャンダルのことを指しています。

 

そして、間が悪いことに、ヒラリー・クリントンさんもその講演に出席していたんですね。

 

このジョークはバラッカー首相がアドリブで差し込んだもので、原稿にはなかったそうです。

 

バラッカー首相は広報官を通じて、「軽率な発言を思いつきでしてしまったことを後悔しています。不快な思いをされた方に謝罪します」というコメントを発表しています。

 

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ

アカデミー賞の発表とアイルランド・ジョーク

 

先日、アカデミー賞の発表がありましたが、9つのノミネートを獲得していた『イニシェリン島の精霊』は残念ながら無冠に終わりました。受賞の可能性があると言われていたのは助演女優賞のケリー・コンドンと作曲賞でしたが、どちらも『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に賞をさらわれました。

  

今回、アイルランド映画アイルランドの映画関係者は14のノミネートを得ていたのですが、見事に賞に輝いたのは短編映画賞の『An Irish Goodbye』と視覚効果賞のリチャード・べーナムさん(『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』)。ベーナムさんはダブリンのタラの出身です。

 

『An Irish Goodbye』は、母親の死後、2人の兄弟が彼女のバケット・リストをかなえるために遺灰をもってさまよう話なのですが、兄弟のひとりを演じたジェイムズ・マーティンさんはダウン症なんですね。オスカーを受け取るために2人の監督や兄弟役の共演者と共に壇上に登ったマーティンさん。この日がちょうど誕生日だったようで、監督のひとりが観客に彼のために「ハッピーバースデー」を歌ってあげてほしいというと大合唱が起こりました。観客っていったって、そこにいるのは映画関係者ばかり。並みいる大スターが勢ぞろいしているわけですから。

 

 

ちなみに Irish Goodbye というのは英語のスラングで「誰にも告げずに突然パーティーを去ること」を意味するそうです。

 

さて、今回のアカデミー賞アイルランド関係の映画人がたくさんノミネートされたんで、アメリカでいろいろいじられているようなんですね。

 

まず、人気コメディー番組の『サタデー・ナイト・ライブ』で、インタビューを受けるグリーソンとファレルを茶化すスケッチが放映されました。2人が何やら早口でしゃべっているのですが、何を言っているのかはまったくわかりません。タモリさんの四か国語麻雀の要領でアイリッシュ・アクセントに聞こえるような無茶苦茶な言語を2人に扮したコメディアンがしゃべっているのです。しゃべり終わったところでホスト役が「彼らはまだ酒を飲み始めてすらいないのですよ」と言って終わります。

 

アカデミー賞の授賞式では司会のジミー・キンメルがオープニングのスピーチで、「今年は素晴らしい多様性の年だね。ダブリンのあらゆる場所から受賞候補者が集まった」(ダブリン出身じゃない人もいるので必ずしも正確ではないのですが)。「5人のアイルランド人俳優がノミネーションを受けてここにいる。(去年のように)暴力沙汰が発生する確率は高まった」。

 

サタデー・ナイト・ライブ』では「アイルランド人は酒飲みだ」、キンメルは「アイルランド人はけんかっ早い」というステレオタイプをいじっているわけです。

 

こうしたジョークにはアイルランドではかなり真面目に反発があるようで、アイリッシュ・インデペンデントは社説で「ハリウッドはアイルランド人のステレオタイプについてアップデートすべきだ」なんて書かれています。

 

www.independent.ie

 

アイリッシュ・フィルム・インスティチュートでは、映画関係者がみんなで授賞式を見てたそうなんですが、キンメルのジョークの場面では不満の声があがっていたようです。

 

 

www.dublinlive.ie

 

 

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ

モリー・マローンの世界で最も触られた回数の多い胸

昨年の秋、愛知県にジブリパークがオープンしたわけですが、そこに展示されたキャラクター像の胸を触り、その写真をSNNに投稿するといった行為が物議を醸しているようであります。

 

それで、一部のメディアが取材を申し込んだところ、ジブリパーク側が「ノーコメントとさせていただきます」と回答したことから、一部の人々がヒートアップ。性犯罪をイメージさせる写真の投稿なのにその対応はなんだ、ということのようであります。千と千尋の湯婆婆の有名なセリフを引き合いに出し、「そこは『お客様とて許せぬ』だろ」という人もいて、これはちょっとうまい。

 

もちろん、ジブリパークは被害者なのに、と擁護する声もあがっています。

 

さて、アイルランドには『モリー・マローン』という愛唱歌があって、これは手押し車を押しながらダブリンのストリートで魚売りをしていた娘のことを歌った歌。市内には彼女の像もあって観光名所にもなっているのですが、彼女のあらわになった胸の谷間をさわりながら観光客が写真を撮るので、そこだけ色が変わっていたりします。世界で最も触られた回数の多い胸なんて言われ方もするそうですね。

 

 

数年前のことですが、乳がん検診啓発を目的とする慈善団体がこれに目をつけ、像の胸に小さなしこり、というかこぶを埋め込むというプチ・ドッキリを仕掛けました。そして、胸を触った観光客にしこりに気づいたかどうか尋ねたところ、誰も気づかなかったという動画を作って、乳がん検診を呼びかけたんですね。これはクレバーなキャンペーンだと思います。

 

www.youtube.com

 

やはり、アイルランドでも像の胸に触る行為に不快感を示す人はいるのですが、それほど大きい問題にはなっていないようです。

 

ちなみに映画『時計仕掛けのオレンジ』の冒頭でアレックス率いる四人組に足蹴にされる浮浪者が出てきますが、あの人はアイリッシュです。なぜなら酔っぱらって歌っているのが『モリー・マローン』だから。 

 

www.youtube.com

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ