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アイルランドのクリスマスの伝統行事

さて、そろそろ 12 月ということで、またまた Wolfe Momma さんの Youtube 動画を参考にさせていただいて、アイルランドのクリスマスの伝統行事についてご紹介したいと思います (昨年の今頃公開された動画)。古いものから新しいものまで、いろいろあります。

 

www.youtube.com

 

1. クリスマス・デイ・スイム (Christmas Day Swim)

 クリスマスの日 (12 月 25 日) に海に行って泳ぐというもの。アイルランドは北半球にありますのでもちろん寒いわけで、この冷たい水の中で泳ぐのか、と思ったのですが、考えてみれば日本でも元旦に寒中水泳をするわけで、やあやあ、似た者同士じゃないかとなったわけです。

 

ある記事によりますと、この伝統は比較的新しくて、40年ほど前に始まったとのこと。たぶん、ダブリンのサンディコーヴのフォーティ・フットで行われたのが起源なんじゃないかと思うんだけど、詳しいことはわからなかった。今ではアイルランドの至る所で行われています。見物人もたくさん集まるとか。

 

2. クリスマス記念パブ 12 軒ハシゴ大会 (12 Pubs of Christmas)

 パブをハシゴすることをパブ・クロール (Pub Crawl) といいますが、これをクリスマスの時期にやるわけです。

 

基本ルールとしては、12 軒のパブをあらかじめ決めておいて、1 軒につき1パイントずつ飲んで次の店に移動します。サンタクロースの恰好や、クリスマス用のド派手なセーターを着ます。ヘン・パーティーやスタッグ・パーティーと同様に、チームであることがわかるような統一感のあるコスチュームにするようです。パブ1軒ごとに追加のルールを定めます。たとえば、特定の外国人のアクセントでずっと喋る、罵り言葉を使わない (けっこう難しいらしい)、人を指ささない(けっこう難しいらしい)、まったくしゃべらない  (もっと難しい) などです。

 

このイベントはけっこう新しいらしく、ここ10年ぐらいの流行だとか。

 

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3. ノリグ・ナ・マーン (Nollaig na mban)

 英語に直すと Women’s Little Christmas という意味です。クリスマス・シーズンが終わった 1 月 6 日に女性が 1 日休日を取るという伝統。この日は男性が家事や子育てをやり、女性にリラックスしてもらうというもの。時代がかわりましたから、少なくとも都市部ではこの伝統は一般的ではなくなっているとか。

 

4. レイト・レイト・トイ・ショー (Late Late Toy Show)

 こちらをご参照ください↓

 

tarafuku10.hatenablog.com

 

5. クリスマス・パント (Christmas Panto)

 パント (Panto) というのはパントマイム (Pantomime) の略なんですけど、日本で言う無言劇のことではありません。無言劇のことはマイム (Mime) といいますかね。

 

アイルランド (そしてイギリスとアメリカ) で演じられるパントも演劇の一種ですけど、だいたいクリスマスの時期に上演されるショーです。出演するのはテレビ・ドラマ (ソープオペラ) の主要俳優とかリアリティーショーで名を上げたような芸能人。大人も子供の楽しめる、わかりやすくて大騒ぎできるお芝居です。ちょっと誤解を招くかもしれませんが、大衆演劇吉本新喜劇を足して2で割ったような雰囲気ではないかと思います。

 

ダブリンではチボリ劇場でよくやっていたイメージですが、チボリ劇場は今はなくなってしまいましたね。

 

6. クリスマス・クラッカー (Christmas Crackers)

 クリスマス・ディナーにお招きされたりしますと、テーブルの上に 1 人ひとつずつクリスマス・クラッカーが置かれています。チューブ状の固めの紙を包装紙でくるんだもの。中に小さな景品と、しょうもないジョークやなぞなぞを書いた紙と、薄紙の王冠が入っています。隣の人に片端をもって引っ張ると、パンっと音がして、中に入っているものが出てきます。景品はまあプラスチックでできた駒とか、グリコのおまけに入っているようなものです。紙の王冠は必ず被らないといけません。

 

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高級クラッカー (Luxury Crackers, Designer Crackers) というのもあって、この中にはちゃんとしたアクセサリーが入っていたりするそうですが、私は触ったことありません。

 

ヨーロッパでは一般的なものかと私は思っていたんですが、Wolfe Momma さんがある年にイタリアでクリスマスを過ごそうということになり、イタリアにはクラッカーがないのでアイルランドから持ち込もうとしたところ、クラッカーは花火に分類されるので機内に持ち込めなかった、という話をしていました。

 

7. クリスマス FM

 クリスマス FM というのは私は初めて聞きました。期間限定でライセンスを受けたFM局で、11月28日から12月27日まで、延々とクリスマス・ソングだけを流し続ける放送局だそうです。開局は2008年。オンラインでも聞くことができます。

 

8. ロージーズ (Boxes of Roses)

 これは、缶入りのお菓子ですね。色とりどりのキャンディーやチョコやキャラメルが入っています。私はあまり好きでなくて、スーパーに大量に並んでいるのを見て、誰が買うんだろうと思っていたのですが、Wolfe Momma さんによればクリスマスには一家に1つは必須だそうです。

 

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ロージーズはキャドベリーの製品ですが、ライバル商品としてネスレのクオリティー・ストリートというのがあります。どうやらロージーズの方が圧倒的に優勢のようですが、クオリティー・ストリート派もけっこういらっしゃるようで、しばしば激しい論争になるそうです。きのこの山派とたけのこの里派の争いみたいなものでしょうか。

 

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先ほど私は缶と書き、Wolfe Momma さんはボックスと言っていますが、今のロージーズはプラスチックの鍋型の容器に入っています。私の近所のスーパー Lidl では、タブ (Tub) と称していました。

 

また、缶入りのビスケットもクリスマス時期のアイルランドの家庭には必ず用意されているようです。缶入りのビスケットって複数の種類が 5枚ぐらいの層になってますよね。ルールとしては、1つの層ですべての種類のビスケットを食べ終わるまで、次の層に進んではいけないそうです。つまり、好きなビスケットがあるからといってそればかり食べ進むことはルール違反。気を付けましょう。

 

9. ミッドナイト・マス (Midnight Mass)

 アイルランドでも毎週日曜にミサ (ラテン語が Missa、英語が Mass です) に出かける人は少なくなりましたが、クリスマスのミッドナイト・マスだけは出かける人も多いそうです。ですので、年に一度だけ顔を合わせる人と旧交を温めたりする社交イベントにもなっているそうです。

 

以前は文字通り深夜12時 (12 月24日から25日に変わるとき) にミサを行っていたのですが (キリストの降誕が12時とされているので)、最近はもう少し早く、21時くらいから始めるようです。それでも呼び名はミッドナイト・マスのままです。

 

10. クリスマス・イブ・バスキング (Christmas Eve Busking)

 これは最近始まったものですが、とても人気があります。バスキングは路上で音楽を演奏することです。ダブリンの繁華街であり、バスキングの本場でもあるグラフトン・ストリートで、12 月 24 日に行われます。映画『ワンス - ダブリンの街かどで』で名をあげたザ・フレームスのグレン・ハンサードが始めたもの。U2 のボノやエッジ、シネイド・オコナー、ザ・スクリプトなどアイルランドの有名アーチストが毎年参加しています。集まったお金はチャリティーに寄付されます。

 

 

2020年11月30日追記

先ほど Fresh っていう別のスーパーに行ったところ、缶のロージーズも売っていました。お値段は 10.95 ユーロ。タブも売っていて、Fresh では 7 ユーロ近くしますが (2つ買うと12ユーロ)、Lidl では 3.33 ユーロでした。倍以上します。缶は 800グラム入り、タブは 600 グラム入りです。

 

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関連動画: 同じく Wolfe Momma さんの Youtube 動画から、アイルランドの結婚式での習わし。

tarafuku10.hatenablog.com