たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

ボーランドのジャファ・ケーキ

前にも書きましたが、アイルランドで私が一番大好きなお菓子はタノックスのティー・ケーキです。まあ、タノックスはスコットランドの会社なんですけどね。

 

 

しかし、最近の物価の値上がりでタノックスのティー・ケーキも6個入りで3ユーロ近くするようになってしまいました。

 

2番目に好きなのがジャファ・ケーキです。『ザ・コミットメンツ』でジョーイ・ザ・リップスが「ダブリンのソウル・フード」と称したスイーツです。スポンジ・ケーキの上にオレンジのジャムを載せ、それをチョコレートでコーティングしたものです。ジャファというのはパレスチナ産のオレンジの品種です。

 

アイルランドで売ってるジャファ・ケーキの2大メーカーはマクヴィティーズとジェイコブスだと思います。元々ジャファ・ケーキを最初に売り出したのはマクヴィティーズだそうですが、私はジェイコブスの方が好き。マクヴィティーズの方はちょっと苦みがあって、それが薬っぽいようにも感じられるんですね。

 

で、最近、ボーランドというブランドのジャファ・ケーキを近所のセントラで見つけたんです。10個入りで1ユーロ。これはお得感があります。

 

 

ボーランド・ブランドのお菓子は私は見たことがなかったんですが、ボーランド・ビスケットというのは昔は有名なダブリンのビスケット・メーカーで、1970年代にジェイコブスと合併して名前が消えてしまいました。

 

グランド・キャナル・ドックのところに BOLANDS と大きく書かれた製粉工場の建物が今も残っているでしょう。イースター蜂起のときにデ・ヴァレラが立てこもったことで有名な建物。あの製粉工場を所有していたのがボーランドです。元々はベイカリーだったので。

 

 

で、ボーランドのジャファ・ケーキをどこが作っているのかというと、ヴァレオ (Valeo) という会社。これはアイルランドの大手食品会社で、いろんな有名ブランドを抱えています。その中の1つにジェイコブスがあります。ヴァレオがジェイコブス・ブランドを買ったときにボーランドのブランドも一緒についてきたみたいな感じでしょうか。

 

ジェイコブスは1851年にアイルランドウォーターフォードで創業された会社ですが、その後、イギリスにも進出します。イギリスの事業が別会社になったあと、他のビスケット会社に買収されてしまうんですね。アイルランドの事業は先に書いたようにボーランドと合併します。別々の道を歩み出してしまうわけです。

 

したがって、ジェイコブスのブランドの権利は今では複数の会社が持っています。どうも国・地域別に権利の範囲を決めているようです。で、ヴァレオアイルランド国内でしかジェイコブス・ブランドの商品を売れないようです。

 

今回ちょっと調べてわかったのは、ヴァレオアイルランドではジェイコブス・ブランドで売っている商品を、イギリスではボーランド・ブランドで売っているようです。オケインズ・アイリッシュ・フードというアイルランドの食品を専門に扱うイギリスの卸問屋のサイトにアクセスすると、フィグ・ロールズやミカド、キンバリーなどのお馴染みの商品にボーランドのロゴがついている写真が出てきます。

 

 

ヴァレオがなぜボーランド・ブランドのジャファ・ケーキをアイルランドでも売り出したのか、それとも私が気づいていないだけで昔からあったのか? みたいなことはわかりません。ジェイコブスの公式サイトを確認してみましたが、ジェイコブス・ブランドのジャファ・ケーキが発売中止になったのでもなさそうです。

 

ボーランドのパッケージには「€1」と大きく書かれていますので、安売り用の商品にボーランドのブランドを使っているのかもしれませんね。ジェイコブスのブランド・イメージを壊さないために。

 

食べてみましたが、味はまったくジェイコブスのジャファ・ケーキと同じでした。

 

昔のボーランド・ビスケットの缶 (小売店用)

 

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