たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

アイルランドの固定資産税が改訂されます

 

 

アイルランドにも固定資産税に似た税金があります。居住用不動産を持っているとそれに税金がかかるんですね。前はなかったんですけど、2013年に導入されました。私も払っています。年間で300ユーロとか400ユーロぐらいだったと思います。

 

 

その税率がこのほど改訂されることになりますよ、というニュース。

 

www.irishtimes.com

 

中~高価格帯の居住用不動産を持つ人は、これまでより税額が高くなる可能性が高いです。家を持つ人の36%が税額が上がり、53%は同額、10%は税額が下がると考えられています。

 

 

家の評価額は自分で算定します。私も前回はだいたいで出しました。あまり実情と違うと怒られると思います。今年の11月に評価額を申告して、適用されるのは来年からとなります。

 

 

2013年に比べると不動産価格が上がっているので、前回と同じ仕組みで税率を課すと税額が大幅に上昇してしまうので、比較的低価格の不動産を持つ人は税額が変わらないように変更を加えたようです。たぶん、私も変わらないかな。

 

 

財務大臣によりますと、ほとんどの人にとっては上がっても90ユーロということらしいです。

 

 

また、今回の改訂で、2013年以降に建てられた住居も課税対象となります。というか、いままで課税対象ではなかったんですね。合計で5億6000万ユーロの税収が見込まれています。

 

 

今後は、4年に一度ずつ不動産価格の評価を行うとのこと。

 

この税金の正式名称は、Local Property Tax (LPT) です。地域の財源になるんですね。現在のところ、80% が地域に納められ、残りの20%は中央政府に納められた後、地域に配分されるそうです。2023年以降は100%がその不動産がある地域に納められます。

 

 

地方出身の議員の中には懸念を抱く人もいます。中央政府で集めて地方に配っていた20%がなくなるわけですから、家の値段が安い田舎の地方にとっては不公平になるんではないかということです。

 

 

野党第一党のシンフェインのメアリ・ルー・マクドナルド党首は、家族の住居に税金をかけるのはフェアではないから LPT は廃止しろと言っています。シンフェインは経済的には左よりなんですよね。

 

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ポスト・パンデミックの経済復興策

 

 

パンデミック後の経済復興計画について政府から今日 (火曜日) 発表がありました。総計36億ユーロのパッケージになるようです。

 

www.irishtimes.com

 

ミホール・マーティン首相は、「雇用主導の回復」を実現するとしており、1960年代に首相を務めたショーン・ルマスの「社会的発展と経済的発展は連携して進めなければならない」という言葉を引用しました。

 

 

具体的には、パンデミック失業給付 (PUP) は7月から新しく申請することはできなくなります。また、9月初めから週あたり50ユーロ、カットされます。その後、数か月にわたって3段階で徐々に減額されていきます。

 

 

現在最高額の350ユーロ/週を貰っている人は9月から300ユーロに、300ユーロもらっている人は250ユーロに、250ユーロもらっている人は求職者給付と同じ203ユーロをもらうことになります。

 

 

雇用主に雇用維持のための給付金を至急する緊急賃金補助スキーム (EWSS) は、9月末まで現在の状態で継続します。その後、給付金額が変更されて、年末まで続けられる予定です。

 

 

また、デジタル産業や環境産業で 50,000 人が職業訓練を受けられるようになります。

 

 

現在、宿泊/飲食業では、VAT (消費税) に 9%の特別軽減税率が適用されるのですが、これは2022年9月まで延長されます。

 

 

また、家を持つ人が改装するために、低金利のローンを提供することが計画されています。

 

 

また、環境およびデジタル業界に大きな投資が行われるようです。たとえば、コークに新しい通勤用鉄道が建設される予定です。リムリック、ゴルウェー、ウォーターフォードにも同様の鉄道が将来的に敷設されるようです。

 

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週末、街なかは路上飲みで大騒ぎだったようです

 

ワクチンの接種が進んでいるおかげで、アイルランドの雰囲気も急に明るくなってきたようです。週末、ウチの近所のスミスフィールド広場には、ミュージシャンが集まってトラディショナル・ミュージックを演奏していました。普段ならコブルストーン・パブに来て演奏している人たちではないかと思います。

 

www.irishtimes.com

 

なんか、ダブリンのシティ・センターでは凄い大勢の人が集まって路上パーティーみたいになってたそうですね。サウス・グレート・ジョージ・ストリート、エクスチェッカー・ストリート、サウス・ウィリアム・ストリートなどですね。

 

 

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警察なんかは一部の道路を封鎖した方がいいんじゃないかと考えているようですが、政府の院内幹事長であるジャック・チェンバース議員は、封鎖しても屋内で集まるだけだからより危険性が増すということで封鎖には反対のようです。そして、大多数の若者は公衆衛生ルールに従って行動しているということも強調しています。

 

 

ダブリン市長のヘイゼル・チュさんも、「集まるな」と人々に命令することはできないということで、ゴミ収集の人員を増強したほか、今後は公衆トイレの増設も行うとしています。「裏庭のない人も多いし、友だちを家によぶこともできない。人が集まるスペースを提供する必要がある」ということで、公園を閉鎖したりはしないようです。

 

 

週末は警察も大忙しで、ポートベロの運河沿いのスペースやサウス・ウィリアム・ストリート、テンプルバー、セント・スティーブンス・ストリートなどから集まってる人を追い払ったりしていたそうです。逮捕者も何人か出たようです。

 

 

政府の首席医療官のトニー・ホロハンさんもたまたま通りがかって、大勢の人が集まっていることにショックを受けたと語っています。

 

 

ダブリンだけでなく、コークやゴルウェーなどでも街なかにいっぱい人が集まったみたいですね。

 

 

コーク市長のジョー・カバナーさんは、深刻な懸念であるとしています。来週は6月のバンク・ホリデー・ウィークエンドですし、長い夏もやってきます。ここまでワクチン接種が進んできたのに、また感染者の波が来るかもしれないと心配しなければならないのは残念なことである、としています。

 

 

パブやレストランでの屋外飲食ができるようになれば、かなり状況は改善するのではないかという見方もあります。

 

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アイルランドならではの商品のレトロ広告のオークション

 

アイリッシュ・タイムズにもオークションの記事がときどき掲載されます。今回はリーシュ県ダロウにあるシェパードというオークション・ハウスのオークションが特集されていました。ある1人の収集家が40年間にわたって集めたヴィンテージ広告が出品されています。

 

その中からアイルランドならではの商品の広告をいくつかご紹介します。レトロな雰囲気をご堪能ください。

 

www.irishtimes.com

 

 

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まずテイトーのクリスマス広告で、ボール紙に印刷されたものです。サンタクロースがテイトー・ポテトチップスの缶を抱えています。昔はこういう缶にパケットを入れて売っていたんですね。「Tayto are Terrific」と書いてあります。1965年のもの。オークション・ハウスが設定するガイド価格は80 – 120 ユーロ。

 

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次はサイドーナの店頭サイン。金属製でおそらく軒下に掲出しておくタイプのものでしょう。サイドーナはアップル・フレーバーのソフトドリンク。アイルランド人なら誰でも知っているが、アイルランドの外の人はほとんど誰も知らないというブランドです。元々はサイダーのブルマーズの製造で有名なC&Cが1952年に販売を開始したものですが、C&Cがソフトドリンク部門を売却したため、現在はブリトヴィック社の商品となっています。ガイド価格は80 – 120 ユーロ。

 

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続きまして、エアリンガスの1962年のポスター。七面鳥をプレゼントとして航空便でイギリスに送りましょう、というポスター。当時は年に一度、クリスマスの時期に飛行機で七面鳥をイギリスに送っていたとか。1週間がかりの事業だったようです (たぶん準備も含めて)。アイリッシュ・タイムズによりますと、当時はカハル・ブルー通り (Cathal Brugha Street, D1) に専門の倉庫が設けられていたそうです。ガイド価格は 300 – 500 ユーロ。

 

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こちらは、ボード・ナ・モナのブリスケットのポスター。ボード・ナ・モナ (Bord na Móna) は日本語にすると泥炭庁。泥炭 (ピートとかターフとかとも呼ばれます) の利用を管理する半官半民の組織です。ブリスケット (Briquette) というのは辞書を引くと「成形木炭」と出ていますが、ここでは成形泥炭ということになります。ちなみに、泥炭はCO2の排出量が大きいということで最近やり玉にあげられてまして、2024年には泥炭のブリスケットの販売は終了するそうです。

 

アイルランド語の組織名、アイルランドならではの商品、そしてデザインもかっこいいです。ガイド価格は150 – 250 ユーロ。

 

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次はアイリッシュ・スウィープステークのポスターです。アイリッシュ・スウィープステークはアイルランドで以前行われていた宝くじなんですが、病院建設を目的としたチャリティーのように宣伝しながらも、実は民間人の主催者が私腹を肥やすためにやっていたという詐欺まがいのスキームでした。そういうダークな部分も含めて私は大好きです。以前、このブログにも記事を書きました。

 

上のポスターには看護師が当選番号を掲げている絵が描かれていますが、医療関係者に抽選を手伝ってもらうことで、慈善活動のイメージを印象付けるという演出なんですね。看護師さんの後ろに描かれている円柱型の器具は抽選機だと思います。こちらのガイド価格は200 – 300 ユーロ。

 

下側の3枚のポスターもドリーミーな絵柄がいいですね。こちらは3枚まとめてガイド価格が 100 – 150 ユーロ。

 

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最後は An Tóstal のポスターです。ガイド価格は150 – 250 ユーロ。実はAn Tóstal って初めて聞いたんですが、1950年代にアイルランド各地で数回開かれたフェスティバルです。An Tóstal は日本語で言うと「集い」。アイルランドの暮らし/生き方を祝福するイベントだったそうです。アイルランド観光庁が音頭を取って、海外で暮らすアイルランド移民を観光客として呼び込む目論見があったみたいです。

 

現在でも1か所だけ An Tóstal のイベントを続けているところがあって、それはリートリム県のドラムシャンボ (Drumshanbo) という町。1週間の開催期間中は、音楽、釣りとアートのワークショップ、詩の朗読、テーブルクイズなどが行われているそうです。

 

An Tóstal 自体はほぼ消えてしまったわけですが、ここからスピンオフした有名イベントもあります。1つはローズ・オブ・トラリー。もう1つがタイディ・タウン・コンペティション。2つともアイルランド人なら知らない人のいない大イベントです。An Tóstal を開催するにあたって町を綺麗にしなくちゃねっということで大掃除をしていたそうなのですが、そこからタイディ・タウン・コンペティションは生まれました。

 

オークションは 6 月 10 - 11 日に開催されます。 

 

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大幅なロックダウン緩和: 6月以降のスケジュール

 

 

今日 (金曜日)、6月以降のロックダウン緩和のスケジュールが正式に発表になりました。規制が大幅に緩められることになります。レストランの屋内での飲食ややはり7月からです。

 

www.irishtimes.com

 

6月

宿泊施設/外食産業

宿泊施設は6月2日からオープン。6月のバンク・ホリデーに間に合いました。予約すれば宿泊施設の屋内で飲食が可能です。テーブルの間隔が2メートル以上の場合は時間制限はありません。2メートルに満たない場合は105分の時間制限があります。

 

6月7日にはパブやレストランも屋外のテーブルで飲食を提供できるようになります。去年のようにパブでは9ユーロの食事を頼まないといけないとかそういうことはありません。屋外のテーブルの間隔は1メートル。1つのテーブルに13歳以上の6人まで。同伴の子供を入れて15人まで。

 

自宅に人を招く場合は1世帯まで。ワクチンを打っているかどうかは関係ありません。

 

映画

6月7日に営業再開。ただし、入場人数に制限あり。ジムやプールもこの日に再開。ただし、個人のトレーニングと水泳のクラスのみ、エクササイズのクラスはまだだめです。

 

スポーツの試合

6月と7月にテストとして観客を入れる試合がいくつか行われます。6/11にRDSで行われるレンスター対ドラゴンズ戦 (ラグビー)、同じく6/11のシャムロック・ローヴァーズーズ対フィン・ハープス戦 (サッカー) など。

 

また、6月末にカラで行われる競馬にも観客が入れます。6/20にクローク・パークで行われるカモギーのリーグ決勝戦も。入場できるのは会場のサイズによって100人から200人。

 

コンサート

6/26にフェニックス・パークで3500人の観客を集めて屋外コンサートが開かれます。アイヴィー・ガーデンでも10日に500人の客を入れてのコンサートが開かれます。

 

結婚式

6月7日から結婚式のレセプションに25人まで招待できます。

 

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7月

宿泊施設/外食産業

7月5日からパブやレストランの屋内で飲食が可能になります。自宅には3世帯まで招くことができます。

 

旅行

アイルランドEUグリーン証明書に参加するので、7月19日から海外旅行ができるようになります。ただし、今のところ政府は不要な旅行は避けるようにと勧告しています。ですので、18日まではこの勧告に関連する罰則が適用されます。19日以降は、公衆衛生のガイドラインと制限に従って安全に旅行し、”緊急ブレーキ” が適用されている国への不要な旅行は避けることが推奨されます。

 

スポーツの試合

マウント・ジュリエットでアイリッシュ・ゴルフ・オープンが開催されます。AVIVAスタジアムで7/2に行われるアイルランド対日本のラグビーの試合や、その翌日に行われるコーク対リマリックのマンスター・ハーリング準決勝にも観客を入れるようです。7/4に行われるロスコモン対ゴルウェーのフットボール選手権の試合や7/10のアイルランドアメリカのラグビーも同様です。

 

コンサート

7/3にゴルウェーのロシン・ダブ (コンサート会場) でトラッドの演奏会が行われるほか、同じ日にダブリンのヴィカー・ストリートでコメディーのライヴが開催されます。7/10にはコーク・オペラ・ハウスでイベントが開催され、7月末にはダブリンはソードのジャム・パークでナイトクラブ・イベントが行わrます。

 

結婚式

レセプションに招待客が50人まで参加できます。

 

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8月

イベント

屋内のイベントには会場のサイズによって100人から200人入場できます。8/5からスポーツの試合には500人が観客として入場できます。会場のキャパの25%まで入場が可能になります (ただし、最大は5000人)。

 

結婚式

レセプションに招待客が100人まで参加できます。

 

公共交通機関

現在は50%のキャパで運行していますが、この制限が解除されます。

 

 

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ロックダウン緩和: 外食についてのガイドライン

 

 

6月の飲食店の営業再開に向けて、ガイドラインが発表されました。その内容についてQ&A形式の記事が掲載されていたのでご紹介します。

 

www.irishtimes.com

 

 

Q このガイドラインは何のためで、なぜ今発表されたのか?

A 外食産業の営業再開に先立ち、アイルランド観光庁ガイドラインを作成した。事業主が今後数か月間の計画を立て、従業員や顧客の安全を守るためである。ホテルは6月2日、パブ/レストラン/カフェが8日に再開するにあたって、外食産業界はガイドラインの策定を求めていた。屋内での飲食は7月に再開される予定。

 

Q ホテルの宿泊はどうなるか?

A 6月2日以降にホテルの予約が可能になるが、宿泊している限り、そのホテルのバーやレストランで室内で飲食できる。テーブルの間隔は1メートル。予約が必要。制限時間は105分。

 

Q レストランやパブで屋外での飲食を予約するとどうなるか?

A 6月7日以降から屋外のテーブルの予約が可能になるわけですが、次のルールが適用されます。テーブル間の間隔は1メートル以上。テーブルあたり、13歳以上の人は6人まで。この人数には12歳以下の同伴の子供は含まない。子供を含めた最大人数は15人。時間制限を設けるかどうかは店にまかせられる。11時30分までに客を帰すこと。

 

Q 屋内での飲食はどうなるのか?

A いつ屋内での飲食を解禁するかについて政府は金曜日に決定する。現在のガイドラインでは、テーブルの間隔が1メートルの場合は予約が必要で時間制限が105分 (中途半端なのはテーブルの片づけに15分見ているため)、2メートルの場合は予約は不要で時間制限もなし。

 

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Q ちゃんとした食事 (Substantial Meal) をパブで頼む必要がある?

A なし。(去年は9ユーロ以上の食事を酒と同時に頼む必要があった)

 

Q ホテルでの結婚式はどうなるのか?

A 5月10日から、式には50人の招待客が出席でき、屋外のレセプションには15人、屋内の場合は6人の招待客が出席できるようになっている。この人数に新郎新婦、スタッフ、フォトグラファーは含まない。レセプションは座っての食事のみ。ライブ音楽やダンスは禁止。

 

Q 今回のガイドラインでは換気に重点を置くという話だったが、それはどうなった?

A ガイドラインは非常にシンプル。窓を開けるか、機械的な換気システムを導入すること。「ウイルスを含む大きな飛沫は数秒内に周囲の表面に付着するが、ウイルスを含む小さい飛沫はそれよりも長い間漂い続ける。窓/扉をあけるか、機械的な換気システムを使用することで、室内の空気を希釈することは大気中のウイルス濃度を下げ、空気から小さな飛沫を取り除く」

 

 

www.irishtimes.com

 

また、アイルランド・レストラン協会は、飲食店での室内飲食の許可が7月にずれこむことについて、「科学に基づいていない」と政府を非難しています。訴訟についても検討するとのことです。

 

 

 

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世界にはばたくアイリッシュ・ブランド - 後編

(前編からの続き)

 

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カリー&サリー

レディーメイドのアイリッシュ・スープのブランド。カレン・アレンさん (Cully) とコラム・オサリヴァンさん (Sully) が2004年に立ち上げました。今でもアイルランドのスーパーでよく見かけますが、10年ほど前にニューヨークの有機食品会社であるヘイン・セレスシャルに買収されています。

 

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HB アイスクリーム

ダブリンのラスファーナムにあったヘイゼルブルック (Hazelbrook) 農場の名前をとったアイスクリーム。アイルランドでは昔から親しまれています。現在は多国籍企業のユニリバーがオーナー。ラスファーナムの工場は15年前に閉鎖され、製品の製造はイングランドで行われています。

 

 

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シュクラ (Siúcra)

シュクラはアイルランド語で砂糖のことです。この会社はもともと1930年代に国策企業として作られたのですが、現在はグリーンコアというアイルランドの食品会社が所有するブランドになっています。ヨーロッパから砂糖を輸入し、それを袋に入れてシュクラのブランド名を入れて販売しているというわけです。

 

しかし、昔はケリー県などで砂糖の原料であるテンサイを栽培しており、カーロー、マロー (コーク)、チュアム、サールズの4つの工場で製糖していました。チュアムとサールズの工場は1980年代に、マローとカーローの工場は2006年に閉鎖されました。

 

feastjournal.co.uk

 

Eir

私がアイルランドに来た90年代前半にはテレコム・エアレンという名前だったのですが、それが Eircom になり、現在はエア (Eir) という名前になっています。元々は国の機関で郵便電信省 (Department of Posts and Telegraphs) の略で P&T と呼ばれていましたが、それが Bord Telecom Éireann となり、1983年にテレコム・エアレンとなりました。その後、1999年の民営化でエアコムに名前を変えました。この会社は過去20年間で10回以上オーナーが変わり、現在はフランスの投資会社が親会社になっています

 

以下は、「思いがけずアイルランドと関係のある5つのビッグ・ビジネス」ということで記事に紹介されている商品です。

 

 

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バイアグラ

パンデミックが始まる前まで、ファイザーは V という文字で始まるある薬で有名だった。それはワクチン (Vaccine) ではなくバイアグラ (Viagra) だった」と記事にあります。バイアグラアイルランドで製造されているんですね。

 

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パンチ・カラー・キャッチャー

色物と白い衣類を一緒に洗うときに色移りを防ぐシート状の製品です。1993年にコークのリトル・アイランドにあるパンチ・インダストリーズ社で開発されました。さまざまな商品名で世界中で販売されています。

 

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パナドール (Panadol)

グラクソスミスクラインが製造するパナドールは、処方箋なしで買える痛み止めとして世界のトップブランドの1つとなっています。85を超える国で販売されているこの薬は、ウォーターフォード県のダンガーヴァンで製造されています。

 

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ウォーター・ワイプス (Water Wipes)

おむつかぶれ対策商品ということで、ある意味、スードクレムの競合商品です。ウェット・ティッシュのようなものですね。歴史は浅くて誕生から10年から経っていません。ボイン・バレー・フーズ (Boyne Valley Foods) っていうアイルランドでは大手の食品会社があるんですが、そこの創業者の息子のエドワード・マクロスキーさんが開発し、自分が設立したアイリッシュ・ブリーズという衛生用品会社で売り出したもの。娘さんがひどいおむつかぶれに悩まされたそうで、市販のウェット・ナプキンを使っていたのですが、そこに含まれる化学薬品にびっくりして自分で作り始めたそう。99%が水なので新生児にも使えます。今では中国やアメリカンなど、33か国以上で販売されています。

 

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ライアンエア

最近ベラルーシ上空で強制着陸させられたことで話題になりました。深刻な話題なんですけど、その飛行機がライアンエアだと聞いたとたん、不謹慎ながらなぜかドタバタ喜劇のように聞こえてしまいました。社長のマイケル・オリアリーさんがさんざん面白広告をやっていたのでそのせいだと思います。個人的にはライアンエアが「思いがけずアイルランドと関係のある」というカテゴリにあるのはピンときません。

 

ライアンエアは1985年にトニー・ライアンが設立した会社。最初は小さな飛行機をウォーターフォードとロンドン・ガトウィックの間で飛ばしていただけでした。その後、ダブリン - ロンドン路線に参入。往復で99アイリッシュ・ポンドという価格は、ブリティッシュ・エアウェイズやエアリンガスの最低価格の半分以下でした。

 

最初は赤字だったのですが、まだ若かったマイケル・オリアリーが社長に就任します。アイルランドだけでなくヨーロッパの航空業界を大きく変えたのはオリアリーです。EU規制緩和などの追い風もあり、空の便の価格は大幅に低下し、庶民にも利用しやすくなりました。

 

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