たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

世界にはばたくアイリッシュ・ブランド - 後編

(前編からの続き)

 

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カリー&サリー

レディーメイドのアイリッシュ・スープのブランド。カレン・アレンさん (Cully) とコラム・オサリヴァンさん (Sully) が2004年に立ち上げました。今でもアイルランドのスーパーでよく見かけますが、10年ほど前にニューヨークの有機食品会社であるヘイン・セレスシャルに買収されています。

 

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HB アイスクリーム

ダブリンのラスファーナムにあったヘイゼルブルック (Hazelbrook) 農場の名前をとったアイスクリーム。アイルランドでは昔から親しまれています。現在は多国籍企業のユニリバーがオーナー。ラスファーナムの工場は15年前に閉鎖され、製品の製造はイングランドで行われています。

 

 

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シュクラ (Siúcra)

シュクラはアイルランド語で砂糖のことです。この会社はもともと1930年代に国策企業として作られたのですが、現在はグリーンコアというアイルランドの食品会社が所有するブランドになっています。ヨーロッパから砂糖を輸入し、それを袋に入れてシュクラのブランド名を入れて販売しているというわけです。

 

しかし、昔はケリー県などで砂糖の原料であるテンサイを栽培しており、カーロー、マロー (コーク)、チュアム、サールズの4つの工場で製糖していました。チュアムとサールズの工場は1980年代に、マローとカーローの工場は2006年に閉鎖されました。

 

feastjournal.co.uk

 

Eir

私がアイルランドに来た90年代前半にはテレコム・エアレンという名前だったのですが、それが Eircom になり、現在はエア (Eir) という名前になっています。元々は国の機関で郵便電信省 (Department of Posts and Telegraphs) の略で P&T と呼ばれていましたが、それが Bord Telecom Éireann となり、1983年にテレコム・エアレンとなりました。その後、1999年の民営化でエアコムに名前を変えました。この会社は過去20年間で10回以上オーナーが変わり、現在はフランスの投資会社が親会社になっています

 

以下は、「思いがけずアイルランドと関係のある5つのビッグ・ビジネス」ということで記事に紹介されている商品です。

 

 

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バイアグラ

パンデミックが始まる前まで、ファイザーは V という文字で始まるある薬で有名だった。それはワクチン (Vaccine) ではなくバイアグラ (Viagra) だった」と記事にあります。バイアグラアイルランドで製造されているんですね。

 

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パンチ・カラー・キャッチャー

色物と白い衣類を一緒に洗うときに色移りを防ぐシート状の製品です。1993年にコークのリトル・アイランドにあるパンチ・インダストリーズ社で開発されました。さまざまな商品名で世界中で販売されています。

 

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パナドール (Panadol)

グラクソスミスクラインが製造するパナドールは、処方箋なしで買える痛み止めとして世界のトップブランドの1つとなっています。85を超える国で販売されているこの薬は、ウォーターフォード県のダンガーヴァンで製造されています。

 

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ウォーター・ワイプス (Water Wipes)

おむつかぶれ対策商品ということで、ある意味、スードクレムの競合商品です。ウェット・ティッシュのようなものですね。歴史は浅くて誕生から10年から経っていません。ボイン・バレー・フーズ (Boyne Valley Foods) っていうアイルランドでは大手の食品会社があるんですが、そこの創業者の息子のエドワード・マクロスキーさんが開発し、自分が設立したアイリッシュ・ブリーズという衛生用品会社で売り出したもの。娘さんがひどいおむつかぶれに悩まされたそうで、市販のウェット・ナプキンを使っていたのですが、そこに含まれる化学薬品にびっくりして自分で作り始めたそう。99%が水なので新生児にも使えます。今では中国やアメリカンなど、33か国以上で販売されています。

 

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ライアンエア

最近ベラルーシ上空で強制着陸させられたことで話題になりました。深刻な話題なんですけど、その飛行機がライアンエアだと聞いたとたん、不謹慎ながらなぜかドタバタ喜劇のように聞こえてしまいました。社長のマイケル・オリアリーさんがさんざん面白広告をやっていたのでそのせいだと思います。個人的にはライアンエアが「思いがけずアイルランドと関係のある」というカテゴリにあるのはピンときません。

 

ライアンエアは1985年にトニー・ライアンが設立した会社。最初は小さな飛行機をウォーターフォードとロンドン・ガトウィックの間で飛ばしていただけでした。その後、ダブリン - ロンドン路線に参入。往復で99アイリッシュ・ポンドという価格は、ブリティッシュ・エアウェイズやエアリンガスの最低価格の半分以下でした。

 

最初は赤字だったのですが、まだ若かったマイケル・オリアリーが社長に就任します。アイルランドだけでなくヨーロッパの航空業界を大きく変えたのはオリアリーです。EU規制緩和などの追い風もあり、空の便の価格は大幅に低下し、庶民にも利用しやすくなりました。

 

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