アイルランドにも宝くじのようなものがあります。メインはロト6のように47の数字の中から6つを選ぶもの。6つすべてに正解すると、最低でも250万ユーロが手に入ります。ジャックポットがいないと賞金はロールオーバーしますので、金額がかなり大きくなることもあります。また、スクラッチカードも人気です。
現在のロトのシステムが始まる前は、アイリッシュ・スウィープステイク (Irish Sweepstake) というのがありました。これは、病院の資金を集めるための宝くじで、1930年に始まったものです。
イギリスやアメリカのアイルランド系移民の間でも人気が高かったようです。アイルランドは人口が少ないですから、海外にも販売する努力をしたのでしょう。アイリッシュ・スウィープステイクが始まった当初は、イギリスやアメリカではこうしたロトが非合法だったことも人気を呼んだ理由の1つでしょう。非合法にも関わらず、こうした国々では何百万枚ものチケットが売れたそうです。
抽選会場では、白衣のナースをアシスタントに使ったりして、公的な団体が主催しているようなイメージを打ち出していましたが、実は運営していたのは民間団体。くじの売り上げのかなりの部分をオーナーが懐に入れていたという話もあります。ですので、慈善事業のためのくじという建前ながら、ダーティーで不透明な部分も多い団体として人々の記憶に残っているようです。
くじのやり方なんですが、Wikipedia の記事を読んでみても、いまひとつピンとこないんですよね。「ケンブリッジ・ハンディキャップ、ダービー、グランド・ナショナルなど、いくつかの競馬レースのうちの1つに出走予定の馬が、各チケットに割り当てられている。本命の馬が割り当てられたチケットは当選する確率が高くなる。複数のレースの勝ち馬を当てることで賞金額が大きくなる」。わかります?
アイルランド政府がロトを始める1986年、アイリッシュ・スイープステイクはその契約を取ることができず、翌年に解散しました。
オークションで私が買ったアイリッシュ・スウィープステイクの看板をご紹介します。
こちらは額縁入りの紙のポスター。チケット販売店に飾ってあったポスターでしょう。一番下に「On The Cambridgeshire」と書いてありますが、これはケンブリッジシャー・ハンディキャップという競馬の大会のことでしょう。ハンマープライスは60ユーロ。
次はブリキ製の看板。Ballsbridge Shares Service というのは調べたのですが、何のことかわかりませんでした。ボールスブリッジにザ・スウィープステイクスという大きなアパートメント・ブロックがあるのですが、関係あるのかな。ハンマープライスは150ユーロ。
それから最後は、ほぼ等身大の型紙製の看護婦さんです。ハンマープライスは100ユーロ。
あと、こちらはアイリッシュ・スウィープスケイトではありませんが、最近までロトの販売店の店先でよく見かけた看板。ハンマープライス30ユーロ。