たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

お金をせびられた話

日曜なんですけど、仕事が溜まっていたので事務所に行きました。ウチの事務所は大きいビルの一室なんですが、敷地の中に駐車場もあるので、門をくぐってから建物の入口までけっこうあります。

 

それで、入口までたどり着いてドアを開けようとしていたら、「すみません」と声がしました。振り返ると、さっき道ですれ違った男の人がここまで追いかけてきています。

 

その人は黒人のおじさんで小奇麗な服装をしていて、身のこなしや話し方は学校の先生みたいでした。

 

そして、お金をくださいと言いました。私は以前にもこのあたりでその人からお金をせびられたことがあったような気がしたので「前にもお会いしましたね」と言いました。

 

そしたらその人は、「いや、そんなことはありません。あなたにお金をお願いするのは初めてです」とまっすぐな目で言いました。確かにそう言われれば前の人とは顔が違う気がします。

 

私はいくら欲しいのか聞いたのですが、その人はゴッド・ブレス・ユーとか天を仰いで神様がうんちゃらとか言いいつつ、6ユーロ欲しいということでした。6 ユーロの根拠は何かわかりません。

 

私はまあいいやということで、ポケットに入っていた小銭を渡しました。1 ユーロちょっとだったと思います。そして「後はほかの人に頼んでください」と言うと、その人は「ありがとう」と言って去って行きました。

 

ひとしきり仕事をした後、近くのブックメーカー (賭け屋さん) に行ったところ、その人がいて、競馬かなんかのオッズをモニターで熱心に確認していました。

 

私が「ハイ」と言うと、向こうも気付いて「ハイ」と返してきました。私は彼のすぐ傍まで行ってスリップに自分の賭けの内容を書きながら、なるべくニュートラルなトーンで「賭けをしてるんですか」と聞きました。すると彼は「No」とだけ返してきました。

 

会話はそれでおしまいです。

 

ちなみに私はアーセナルのジルー選手が最初にゴールを決めるのに 賭け、5 ユーロ失いました。