ウィックロー・ストリートにコーヌコピア (Cornucopia) というヴェジタリアンのレストランがあります。私も一度行ったことがありますが、値段も手ごろでとてもおいしいです。
このレストランでは、20年近く前からクリスマスの時期になると大きな白熊のぬいぐるみを入口近くに置き、お客さんがハグできるようにしていたそうです。
ところが、先週の木曜日ことですが、この白熊くんが盗まれてしまったんですね。フードをかぶった男がひったくって持ってっちゃたそうなのです。
レストランはInstagramに、「昨日の9時半ごろ、当店の白熊くんがフードを被った男に誘拐されてしまった。彼は15年以上にわたってクリスマスにフリーハグを提供してくれていた」と投稿し、無事に返してくれたら報酬を差し上げる、何も質問はしない、と呼び掛けていました。
すると、今週になってある家族から電話がかかってきたそうです。その白熊を街なかのマーケットで40ユーロで買ったと。40ユーロを払ってくれれば白熊くんを返しに行くと。何も質問しないという約束ですから、それ以上の詳しいことはわかりません。
実際に少女がぬいぐるみを返しに来て、店のオーナーは40ユーロとプロセッコ1瓶を渡したそうです。
白熊くんが戻ってきてほっと一息というところですが、オーナーさんは白熊くんをまた店の入口近くに置くかどうか迷っているようです。また盗まれるといけませんし、椅子にくくりつけても椅子ごと盗まれちゃうでしょうから。でも、入口近くのポーチに腰かけてるのがすごく似合っていたのだそうです。
オーナーさんの結論「ダブリンは小さな街。メディアの注目を少し集めて、SNSで情報が拡散すれば、なくなったものを数日で取り戻すことができる。一目であの白熊だとわかるものね」
ブラジル人のスタッフにアルベアルト (Al-BEAR-to)と名付けられた白熊くん。フリーハグの仕事に戻るかどうかはまだわかりませんが、ひとまず一件落着。めでたしめでたしです。