たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

ブライアン・レニハン (1959 - 2011)

イメージ 1

おとといですけど、お菓子を買いに近所のスーパーに行ったら、夕刊紙のイブニング・ヘラルドが並んでいて、ブライアン・レニハンが亡くなったと。この間までテレビに出て元気そうにしてたのに。ジェリー・ライアンが死んだときぐらいびっくりした。

 

レニハンさんはフィアナ・フォイル (FF) 党の国会議員で、2 月の解散まで財務相を務めていたました。総選挙では、FF 公認候補としてダブリンで唯一当選を果たしました。

 

2009 年の暮れに膵臓ガンと診断されて、結構ニュースになったらしいんだけど、たぶんその頃日本に帰ってたからか、私はおとといまで知らなかった。

 

ご存じのように、去年のアイルランドは IMF の緊急援助を受けるかどうか、利率はどうすんのとか、銀行は国有化するのかとか、財政的に解決すべき問題が山積みでした。

 

レニハンさんはガンを抱えてたのに、よくまあ財務大臣としての激務をこなしたものです。バブル時代の失政のツケの尻ぬぐいというか、敗戦処理というか、羨ましがられも感謝もされない仕事だったんだけど。

 

BBC のジェレミー・パックスマンの番組に生で出演したのをたまたま見てたんだけど、パックスマンがいつもの厳しい調子で「アイルランドはケルティック・タイガーとか調子に乗ってたのに、これは悲しい結末じゃないですか」と聞いたら、レニハンは毅然とした態度で「No」と言い、何かいいことを言ってた。すみません、具体的に何を言ったか忘れましたけど。

 

総選挙後の党首選にも出馬したから (結果はミホール・マーティンに負けた)、まだまだ現役でやるつもりだったんだろうけど、突然病状が悪化したみたいで、いなくなってしまった。52 歳。

 

昨日、今日あたりの新聞は、レニハンさんへの賛辞があふれています。まだ、経済危機の処理に関する評価は定まってないってこともあるんだろうけど、これほどまでに仕事面、人柄面ともに、良いことしか書かれない政治家もいないんじゃないの、というくらい。

 

新聞の見出しからいくつか。
“Minister who fought to bring Ireland back from the brink” (アイリッシュ・タイムズ紙)
“Brian Lenihan was an exceptional minister for an exceptional time” (サンディ・インデペンデント紙)
“He was a political stalwart, loved despite his unpopular decisions” (アイリッシュ・イグザミナー紙)

 

(写真はアイリッシュ・タイムズ紙から)