イギリスの君主がアイルランド共和国を訪れるのは初めてです。彼女のお祖父さんであるジョージ V がちょうど 100 年前にダブリンに来ましたけど、そのときはまだアイルランドは独立していなかったですから。
昨日到着して、4 日間の予定でダブリン、キルデア、ケイシェル、コークなどを周るそうです。
私自身は日本から帰ってきたばかりということもあって、女王のアイルランド訪問をあまり気にかけていませんでした。だから、昨日は普段通りに過ごしてて、午後になって郵便を出しに外に出たんですね。
そしたら、リフィー川沿いの道が封鎖されてて、警官がいっぱい立っていました。
今回の警備には 10000 人の警官・軍隊が動員されているそうで、総費用は 3 千万ユーロだそうです。
それで肝心の郵便ポストはセキュリティのために蓋がされていて、私は郵便も出せずにすごすごと帰ってきました。
もちろん一部には反対している人もいるわけで、200 人ほどが抗議活動で警官隊と衝突したり (20 人逮捕)、爆弾がひとつ見つかったりしたそうです。
昨日も私が外出しようと階段を下りていくと、たまたまショーンと一緒になりました。そしたら彼はいつものようにニコニコしながら、「君もいまから女王の訪問を妨害 (disrupt) しにいくのかい?」と聞いてきました。もちろん冗談でですけど。
だけど、そのあともやっぱりニコニコしながら、女王のことをビッチ呼ばわりしたり、「ああいう人にはこの国に来てほしくないんだ」などと話していました。
私とはそんなにムチャクチャ親しいというわけではないので、こういう話をするのはリスクがあると思うんですが、それでもどうしても胸の内を打ち明けずにはいられなかったみたいです。
だから、表向きは友好ムードといいながらも、心の中では複雑な思いを抱いているアイルランド人も多いんだと思います。それでも、和解のプロセスを一歩前に進めるためには今回の女王の訪問は必要なものだったんだと私は思います。