たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

ダブリンのピクチャーハウス

「The History of Dublin Cinema」(ダブリンの映画館の歴史) という本を買ってきました。閉鎖されたのも営業中のも含めて、これまでダブリンに存在した映画館が網羅されています。著者の Marc Zimmermann さんは、映画関係ではなくて、建築物のコンサベーションとかが専門のようだ。

 

びっくりしたのは、うちの近所のストーニーバターにも映画館があったこと。何度も前を通ったけれど、元映画館だったとは気づかなかった。↓

 

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言われてみれば、正面の階段とか、正面の特徴的な装飾とか、たしかに娯楽用のホールとして使われていた面影がある。

 

映画館にすることを目的として建設された建物としては早い時期のもので、1916 年に完成。当時はまだ別の目的で使ってた建物を映画館に改造することが多かったのですね。映画館の名前は通りの名前をとって、Manor Street Picture House。Picture House はちょっと時代がかった言い方ですが、映画館の意味です。

 

630 席あったそうなのでかなり大きいです。街の中心部にある映画館との競争に負けたのか、1956 年に閉館。現在は FAS (職業案内訓練施設) になってます。

 

うちから歩いていける範囲の元映画館をいくつかご紹介しますが、カブラにあった Cabra Grand 映画館。今はビンゴ場になっています。↓

 

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こちらは戦後、1949 年のオープンです。この頃に建設されたのは、正面から見ると凸型になってるのが多いみたいです。そして、両翼にお店が入っているのが基本形だそうです。ビンゴ場という娯楽施設として使われていることもあってか、ちょっと華やかな印象が残っています。しかし、左側のお店は営業してるんだけど朽ち果てたような外観でした。まだ、こういうお店が残ってるのが凄いな。

 

ビンゴ場になっている古い映画間はほかにもいくつかあるようです。ダブリントンネルを掘ってるときに西松建設の事務所があったところの目の前にもビンゴ場ありますよね。空港に行くバスが通るから見たことある人多いと思うけど。あれも元映画館でした。

 

それからこれはダブリンに住んでる皆さんは前を通ったことがあると思います。Henry Street から Mary Street に入ったところにあります。↓

 

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今は保険会社の AXA が入ってます。Mary Street Picture House という名前で 1912 年にオープン。1959 年に閉館。この建物は条例で保護されています。美しい装飾が施されていますが、当時は柄の悪い映画館として有名で、すぐに喧嘩が始まったり、バルコニー席からモノを投げられるだけならまだしも、おしっこ掛けられたりしたそうです。

 

それからこれ。↓ フィブスボロにあります。

 

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これはもうかつての華やかさは見る影もありません。無粋な産業的な箱になってしまいました。じゅうたん・カーテン屋さんが入っています。たぶん広いスペースは倉庫になったりもしてるのでしょう。映画館としての名前は The State でした。

 

それから最後はこれ。↓

 

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これはリアルトっていうちょっとうちからは遠い地区にあるんですが、ずっと日産のディーラーが入っていました。アイルランドに来た当初に友達と旅行に行くっていうんでレンタカー借りにここに来たんですが、派手な建物だなーと思ったのを覚えています。ラブホテルがパチンコ屋さんっぽいと思いました。もちろんそういうものはアイルランドにはありませんが。

 

今はディーラーも移転してしまって、廃墟になってしまってます。

 

2010/10/04追記: すみません、ちょっと間違えました。最後のはリアルトという地区にあるのではなくて、リアルトという映画館でした。サウスサーキュラーロードのドルフィンズバーンの近くにあります。