コブルストーン・パブが入っている建物と取り壊して新しくホテルを建てる計画をダブリン市役所が却下しました。この計画が発表されてから抗議運動とかオンライン署名とかが行われていたのですが、とりあえずは反対派が勝利したことになります。ただし、デベロッパーは今回の市役所の決定についてアピールすることができます。
スミスフィールドのノース・キング・ストリートに 9 階建てのホテルを建設する許可を求めて申請を出していたのはマロン・エステーツ社。提案された開発計画では、コブルストーンも新しい建物の一部として残されることにはなっていましたが、パブに付属する Backroom というライブ会場や屋外スペースはなくなることになっていました。
この計画が明らかになったときから反対運動が起き、700 件近い反対意見が市役所に寄せられ、オンライン署名の数は約 35000 筆に達しました。パブの取り壊しに反対するデモも起きました。反対者の中には、スタニングというバンドのスティーヴ・ウォール、シンフェイン党首のメアリ・ルー・マクドナルド、ソリダリティ/ピープル・ビフォア・プロフィットのリチャード・ボイド国会議員、緑の党のキアラン・カフ欧州議員などもいました。
コブルストーン・パブを 30 年以上経営しているトーマス・マリガン氏は、「すばらしい週の始まりだ」とコメントしています。「深く感謝しています。ここ数週間で数多くの支援をいただいて恐縮しています。身動きのとれない状態になったかと思いましたが、どこからともなく多くの人があらわれて助けてくれました。その恩を忘れることはないでしょう」。
マリガン氏は不動産デベロッパーが今回の決定についてアピールする権利をもっていることも理解しています。
「地権者が開発の方法について考え直してくれるといいのですが。それを望んでします」。
ダブリン市役所は建設計画を却下した理由を 4 つほど上げているようです。主に、計画されていた 9 階建てのホテルは規模が大きすぎるし、周りの建築物の特徴と調和がとれないということのようです。また、「トラディショナル音楽のレッスン、リハーサル、パフォーマンスに使われてきたスペースを取り除くことにより、街の文化に関する開発計画の規定に反する」としています。
ミュージシャンで「セイヴ・ザ・コブルストーン」キャンペーンを立ち上げたオーウェン・オキャナヴァンさんは、計画が却下されたというニュースを「すばらしい (Brilliant)」と表現し、一般の人々がキャンペーンをサポートしてくれたと言っています。「人々の力が何を成し遂げられるかを見せてくれた。すばらしいニュースだが、まだ終わったわけではない。デベロッパーはアピールすることができる」。
オキャナヴァンさんは、キャンペーンが支持された理由を 2 つあげます。「まず、地元のコミュニティやミュージシャンのコミュニティにおけるコブルストーンの重要性。そして、ホテルなどの大規模な開発が進むダブリンの現状を憂う多くの人々にとって我慢の限界がきていたことだ」。
10月に行われた抗議集会の様子はこちらです。