たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

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ひろゆきと勝間さんの対談

 

ひろゆき (2chの創設者) と勝間和代さんの対談が凄かったってネットで話題になってたので、私も見てみたら凄かったです。

 
 
 
テキスト書き起こし
http://d.hatena.ne.jp/wt5/20100503
 
いくつか論点があったんだけど、最初に話してた「インターネットの匿名性」についてだけ。
 
勝間さんはインターネットには実名で書きこむべきだっていう立場なんだけど、実際にブログとかやってる一般人にしたらそれは非現実的なのではって思うんじゃないでしょうか。不特定多数に名前が知られるわけだから、特に若い女性なんか、あぶなっかしくてネットで発言できなくなるでしょう。
 
Wikipedia みたいにハンドル名で、ログ (これまでの編集履歴) をたどればその人がどういう人かだいたいわかる、っていうのが落とし所かとは思うんだけど。2chみたいにまったく匿名でログも残らないと、使いなれてない人はびっくりしちゃうよね。あれはあれで使える部分もあるんだけど。
 
どちらの議論が説得力があるかっていうのは、実際に見て判断してもらえばいいとして、勝間さんの議論の仕方でひとつだけ。
 
ビデオだと 2/3 の最後の方 (5:50あたり、テキスト書き起こしは「説教編」で検索) で、勝間さん、議論に対して反論するんじゃなくて、相手の態度を否定して相手の議論をなかったことにしちゃった。「社会的立場が上」とか「年齢が上」とかいう立ち場を利用して、マウンティングして相手より自分が優位であることを示そうとした。もしくは、相手に説教できる立場に自分がいることを誇示して自分が優位であることを示そうとした。これは、まともな議論がしたいんだったらやっちゃいけないですよね。あと、議論の途中でも、ひろゆきが「写像」って単語を知らないってだけで、「だめだこりゃ」って言って、相手の議論が聞くに値しないものだということを印象づけようとしたりして。いや、ふつう知らないっすよ、そんなジャーゴン。
 
勝間さんは、「アメリカでは実名が中心」って言ってるんだけど、たしかにアメリカの Facebook とか見てると実名で登録している人が多い。つまり、日本に比べるとアメリカの人は実名で登録してもいいよ、っていう人が多い。
 
これはなんでかって言うと、個人が個人として対等に議論する場がすでに整えられているからです。今回の勝間さんのように、議論に詰まると、「社会的立ち場」とか「年齢」とかを使って優位に立とうとする人は、困った人だなーという目で見られますから。
 
日本だと立場とかに関係なく対等に議論するってのが難しい。すぐに上下関係になっちゃう。だけど、匿名でネットで議論してる限りは割と対等な関係になりやすいです。(どういう言葉遣い、カジュアルさのレベルでしゃべれば、より少ない心理的抵抗で対等な議論がしやすいかっていうのはまだまだ模索中だと思うけど)。だから、匿名にしたい人が多い。そういうメリットがあるから。はっきりいうと、勝間さんのような議論の進め方をすることが社会的にまだ許されているから、実名出したがらないんですよ。まともな議論するのに支障がでるから。検索である程度立場とかわかったりするからね。
 
「社会的立場」とか「年齢」とか「性別」(今回は勝間さんの方が女性だけど)とか関係なく、個人が対等の立場で議論できる土俵を作ることが、勝間さんのような社会的地位のある人には求められていると思います。
 
若い方に申し上げますが、年上の人と議論をしていて、「態度が云々」とか「礼儀が云々」とか相手がいいだしたら、相手はもう反論する言葉を持たなくなったんだと理解してください。ただ、議論に勝つことと、相手を説得することはまた別のことなんで厄介なんですけどね。ひろゆきも、へらへらしながら「社会経験が不足しててすみません」なんて謝ってる。ひろゆきが意外に大人でがっかりした。じゃないや、びっくりした。