たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

マーケット・カフェ

イメージ 1

日曜日の午後遅くに旅先から帰ってくると、うちの近所のスミスフィールド広場でイベントをやっていました。仮設のステージの上ではアマチュア・バンドが演奏し、オープン・マーケットには10軒ほどが出店していました。一般の人たちに大道芸人がジャグリングを教えるコーナーがあり、アーチストが畳一畳分ぐらいのべニヤに絵を描いていく場所もありました。前にインターネットで調べたとき、この夏に「ダブリン最大の野外マーケットがスミスフィールドで開催される」と書いてあったのですが、たぶんこの催し物のことでしょう。たぶん、出店する人たちがあんまり集まらなかったんだろうなー。

 

それでですね、スミスフィールド広場に面したところに、マーケット・カフェ (Market Cafe) という小さなカフェが昔ありました。今でもシャッターを下ろしたまま、看板もそのままに建物は残っています。8年ぐらい前までスミスフィールドには青果市場があり、市場で働く人たちの胃袋を満たすためにマーケット・カフェは大活躍していたのでした。市場が取り壊され、再開発でマンション・店舗・オフィスなどの複合施設 (上の写真の左側に写っているビル群です) の建設が始まると、工事現場で働く人たち御用達の店となりました。でも、工事が完了するとともに、マーケット・カフェも店を閉じたのです。

 

このカフェはダブリンを舞台にした「Intermission (邦題: ダブリン上等)」という映画にも出てきます。小悪党たちがこのカフェで犯罪の打ち合わせをするシーンで、キリアン・マーフィーがコリン・ファレルに紅茶にブラウン・ソースを入れるとおいしいと教えるのです。

 

カフェとあるのでお洒落な印象ですが、実際には脂っぽいアイリッシュ・ブレックファストを出すような軽食堂でした。外観もすごくて、屋根にはなぜか泥棒よけのために有刺鉄線が張り巡らせてありました。ところが、このカフェが生まれ変わりました。昨日のイベントの一環として、アーチストの人がこのカフェの壁面にグラフィティを描いていたのです。まわりは古くからの住宅なので、ポップな絵柄とのミスマッチがとても新鮮です。屋根の有刺鉄線はすでに取り外されているのですが、それが残っていたらもっと楽しかったのにと思います。

 

イメージ 2