新型コロナウイルスのせいで映画館がすべて閉まっているので、映画館で見たのは2本だけ。あとDVDで1本見た。
True History of the Kelly Gang (2019 年、イギリス/オーストラリア)
3/6 at Light House Cinema
監督: Justin Kurzel
出演: George MacKay, Essie Davis, Nicholas Hoult, Thomasin McKenzie, Russell Crowe
2001年にブッカー賞を獲った同名の小説の映画化。Kelly Gang は、19世紀のオーストラリアに実在した無法者集団で、アイルランド系のネッド・ケリーが頭目。ネッド・ケリーはオーストラリアの国民的アンチヒーロー的な存在ではないかと思う。誤解を恐れず言えば、日本でいう清水次郎長とか石川五右衛門みたいな。25年という彼の短い人生をベースにしたフィクションなのだが、ところどころに時代考証をわざと無視した現代的要素をぶっこんでくるので、時代や場所を超越したグルーヴ感が生まれている。主演は、『1917』で主演したジョージ・マッケイ。
Calm with Horses (2019 年、アイルランド)
3/13 at Light House Cinema
監督: Nick Rowland
出演: Cosmo Jarvis, Barry Keoghan, Niamh Algar
アイルランド西部の田舎街が舞台。ドラッグの密売を生業とする犯罪一家で汚れ仕事の実行役を務めるダグラス。別れた彼女との間に障害を持つ男の子が生まれていて、良き父親になろうともがいてもいる。初めて人を殺すことを命令されたダグラスは、犯罪一家への忠誠と息子への愛との間で板挟みになる。
邦題: ミラダ 自由への闘い
3/30 DVD
監督: David Mrnka
出演: Ayelet Zurer, Robert Gant
チェコの女性政治家、ミラダ・ホラコヴァ(1901-1950)の伝記映画。ナチス占領下のチェコで地下抵抗組織に加わり活動。投獄される。戦後は、共産党支配に抵抗する多くの政治家がチェコを去る中で、彼女はプラハに残って運動を継続。反逆罪で逮捕されて拷問と見せしめ裁判の後、処刑される。死後18年ほどたった1968年、プラハの春と呼ばれたこの時期に裁判は無効とされ、1989年のビロード革命後に彼女の名誉は完全に回復された。ナチスと共産主義という2つの全体主義への抵抗物語だが、抵抗モノならではのスリリングさは控えめに、家族愛ももう1つの大きな主題となっている。映画は、米国に移住していた彼女の娘が、ミラダの名誉回復後に、政府が保管していたミラダから娘宛ての手紙を受け取りにプラハに戻ってくるところから始まります。
おまけ:
昨日 (3月30日)に散歩に出かけていたら、「Calm with Horses」の広告を掲示したダブリン・バスが走っていた。映画館は閉まっているのに。エンターテイメント産業はしばらくたいへんな時期が続きます。