たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

オースティン・クラークが生まれた場所

いや、だからオースティン・クラークって誰やねん、っていう話になると思うんですけど、実は私も今日まで知らなかったんです。

 

オースティン・クラークはアイルランドの詩人で、すでにこの世を去っています。彼の文学界への貢献は、古典的なアイルランド語の詩のテクニックを使って英語の詩を書いたことだそうです。これはもちろん Wikipedia の受け売りです。

 

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なんでクラークさんのことを調べたかというと、ご覧のようなプレートをウチの近所で見かけたからです。「詩人のオースティン・クラークが 1896 年 5 月 9 日にこの家で生まれた」と書いてあります。家っていうのは、何の変哲もない商店街の外れにある普通の家なんですが。

 

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ダブリンの町中では、こういうプレートがいろんな場所にかかっています。オスカー・ワイルドみたいに有名な人の場合もあるし、クラークさんみたいにそんなに名前の知られていない文学者の場合もあります。

 

プレートの上の方には Dublin and East Tourism と書いてありますが、これはダブリンとアイルランド東部を管轄する観光局が設置したものです。アイルランドには脈々と流れる文学の伝統があり、また観光産業の観点からいえば文学は重要なリソースでもあります。文芸愛好家の観光客の皆さんが、ダブリンの町を歩きながら文学者の足跡を訪ねることができるように、こうした記念碑が整備されているんです。観光する側にとってはオトナが静かに楽しめるさりげない散策コースなわけですが、アイルランド人の文学に関する誇りみたいなものの表明であるようにも見受けられます。

 

日本にも文学の蓄積はふんだんにありますが、海外の観光客にアピールするという点では、残念ながら英語文学のようにはいかないかもしれません。木造の建物が多いので、建物も長い間残らないですしね。でも、日本は途方もない観光リソースがある国なので、予算はなくてもちょっと見せ方を変えるだけで、もっと多くの観光客に訪れてもらえるんじゃないかなと思います。そのためには、何を見せれば喜んでもらえるのか考えることだけでなく、何を見せたいのかを考えることも大事だと思うのですが。