たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

親善試合 ハンガリー 0 - 0 アイルランド

 

6月8日 (火) にブダペストで行われたハンガリーとの親善試合、結果は 0 対 0 の引き分けに終わりました。

 

www.irishtimes.com

 

 

この試合はお客さんを1万人くらい入れて行われました。私はハイライトを見ただけですけど、やっぱり雰囲気が違いますよね。

 

www.youtube.com

 

 

現在のアイルランド代表のポジション争いでおもしろいのはゴールキーパー。この試合と先日のアンドラ戦で先発したのはギャヴィン・バズヌ。ダブリン生まれの19歳。ナイジェリア系です。シャムロック・ローヴァーズからマンチェスター・シティに移籍して、現在はローンでリーグ1のロッチデールでプレイしています。マンCに移籍した時の移籍金は、アイルランドのアマチュアサッカーとしては最高額の42万ポンド。

 

そして、昨日の試合の後半からバズヌに代わって出場したのがキーヴィーン・ケラハー。彼も22歳の期待の若手。現在はリヴァプールの控えのGKです。

 

この2人のどちらかが伸びてくると、かつてのシェイ・ギブンのようにGKのポジションが長期的に安定することになるでしょう。もし2人とも伸びてしまったら? 70年代のイングランドのピーター・シルトンとレイ・クレメンスみたいにどちらを選んだらいいかわからないみたいになったら嬉しい悲鳴です。

 

この間までファーストチョイスだった現在34歳のダレン・ランドルフも健在ですので、正GK争いはし烈です。

 

それからもう1つ話題なのは、昨日の試合の前に、反レイシズムのアピールのためにアイルランドの選手は膝を付くジェスチャーをしました。アイルランドは昨日は3人の黒人選手がプレイしています (バヌズ、イーダ、オグベネ)。レイシズムの問題はアイルランドでもそれだけ意識をもって取り組むべき課題だと考えられているのでしょう。ところが、そのジェスチャーに対してハンガリーの観客からブーイングを受けたんですね。こうした観客からのブーイングではイングランドなどでも起こっています。

 

1年延期されたヨーロッパ選手権がもうすぐ始まります。アイルランドは出場していないし、ダブリンで予定されていた試合も返上を余儀なくされたので、指をくわえてテレビで見るしかありません。

 

アイルランドブックメーカーであるパディーパワーは、ヨーロッパ選手権イングランドがゴールするたびにパディーパワーがアイルランドのサッカー界に10000ユーロ寄付するから、みんなでイングランドを応援しよう、なんていう皮肉まじりのキャンペーンを張っています。

 

 

 

 

アイルランドの次の試合は9月1日のW杯予選、対ポルトガル戦@アルガルベ(ポルトガル)。

 

アイルランド先発メンバー:

REPUBLIC OF IRELAND: Bazunu (Kelleher. h/t); Duffy , O’Shea, Egan; Doherty, Hourihane (Molumby, 56 mins), Cullen, McClean (Manning, 84 mins); Knight (Collins, 88 mins); Parrott (Horgan, 56 mins), Idah (Ogbene, 88 mins)

 

 

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ

 

店が営業再開した月曜はハッピー・ムード

f:id:tarafuku10:20210609002159j:plain


パブやレストランの屋外飲食提供が再開された月曜日。警察発表によりますと、ダブリンでは特に大きな混乱はなく、歓迎ムードの中で始まったようです。

 

www.irishtimes.com

 

昨日はバンク・ホリデー・マンデーだったわけですけれど、その前の3回のバンク・ホリデー・ウィークエンドはダブリンのストリートでいろいろ問題が起こっていたんですね。少なくとも35人が逮捕されていたとか。その結果、土日の夜は通行禁止になっていたストリートもありました。

 

 

しかし、昨日の夜はポジティブな雰囲気だったようです。「We Are Dublin Town」というダブリンの事業主団体の代表者は、「月曜は、再オープンしたレストラン、カフェ、パブにとって最高だった。昨日の状況に満足している。これが私たちの望んでいたこと。夏の間もこんな様子でいければいいと思う」

 

 

ヘイゼル・チュー・ダブリン市長も、月曜の夜は以前の夜とは「不思議なくらい異なっていた」と述べています。月曜は家族で出てきて飲食を楽しんでいる人が多かったので、それまで暴れていた人たちも悪さする気にならなかったのだろう、と言っています。パイントや食事を楽しむためにダブリンのシティ・センターに来てね、と市長さんはおっしゃっています。

 

 

www.irishtimes.com

 

こちらは別のニュースですが、アイルランドで Covid 19 で亡くなる確率は男性の方が女性より最大 1.5 倍だそうです。これは、世界のほかの国でも同じようなデータが出ています。

 

 

Covid陽性になった人の中で死亡する男性は女性より25% 以上多く、ある年齢層ではそれが 50% にも達するということらしいです。男女差が大きかったのは特に昨年12月以降の第三波だそうです。

 

 

ただ、既往症 (肥満、心臓病、糖尿病など) を持つ人が男性が多いとか、喫煙率や飲酒量が多いとか、女性の方が免疫系が強かったとか、ほかの理由も考えられるようですが、その辺のことはまだ確かにはわかっていません。

 

 

 

 

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ

 

今日からレストランやパブが屋外での飲食提供を再開

 

 

今日は月曜日ですが、バンク・ホリデーということでお休みです。天気にも恵まれました。

 

www.irishtimes.com

 

さて、今日からロックダウン緩和が次の段階に進みます。

 

最も大きな変更は、パブやレストランが飲食を屋外で提供できるようになったということでしょう。私の住むスミスフィールドのスクエアでも、大きなパラソルが出ていて、たくさんの人で賑わっていました。今日の写真です↓

 

f:id:tarafuku10:20210608001424j:plain

 

f:id:tarafuku10:20210608001436j:plain


 

全国で約 4,000 軒のパブが屋外でのビールの提供を再開すると見られています。約 25,000 人のパブのスタッフが職場に戻ることになります。

 

飲食を提供しないダブリンのパブは、パンデミックが始まってから初めて店を開けることになります。

 

さらに、ジムやプールも今日から営業を再開。映画館や劇場も今日から再開していいのですが、ウチの近所のライトハウス・シネマもシネワールドも準備ができていないのか今日はまだ閉まったままです。

 

www.irishtimes.com

 

屋外の飲食のルールについてもう少し詳しく書きますと、お客さんは11時半までに必ず捌けなければなりません。テーブルの間隔は1メートル。1グループで大人は6人まで。それに加えて子供(12歳以下)は9人までOK。必ずテーブルにつくこと。立ち飲みはだめです。ルールの抜け穴を突くみたいな感じで、大人数が複数のテーブルを予約したりするのもだめです。ライブ音楽や大音量の音楽もだめです。パブは9ユーロ以上の食事を提供しなkればならないというルールは撤廃されました。

 

パブは予約を受け付けているんですが、営業再開初日は多くのパブが既に予約でいっぱいになっているようです。一部のパブでは当日客用にテーブルを少し確保していたりもするようです。

 

アイルランド・パブ協会の責任者であるパドレグ・クリッベンさんは、「パブの営業が再開するのは、国が普段の生活に戻りつつあるという大きな徴候である」と言っています。業界関係者の言葉とはいえ、これには同意する人も多いんじゃないでしょうか。

 

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ

 

ダブリン・バスのデザインが変わります

 

 

ダブリン・バスが新しいデザインの車体に徐々に入れ替わっているのにお気づきでしょうか。ここ10年ぐらいは黄色と濃い青のデザインでしたが、それが黄色と緑に変わりつつあります。

 

過去10年ほど走っていたお馴染みの車体がこちら。

 

f:id:tarafuku10:20210607000537j:plain



 

新しいデザインがこちらです。

 

f:id:tarafuku10:20210607000554j:plain



アイリッシュ・タイムズのアート&カルチャー担当編集者であるヒュー・リネハンさんが新しいバスのデザインについて記事を書いています。

 

www.irishtimes.com

 

過去14か月間のパンデミック中は、警告色の看板やらサインやらが町じゅうにあふれていて、鮮やかな黄色だらけだったんですよね。

 

新しいバスのデザインでも、黄色は以前から使用されていたとはいえ、今回は蛍光色の緑が使用されていて、さらに鮮やかになっています。

 

ダブリン・バスを含むアイルランドのさまざまな公共交通機関を管理する TFI (Transport for Ireland) によりますと、「鮮やかな緑は、TFIのブランド、(環境的に)持続可能な移動、アイルランド気質を伝える役割を果たす」のだそうです。また「前部の明るい黄色は、特に夜間の視認性を高めるために採用された」のだそうです。

 

昔のダブリン・バスはこんなに鮮やかな色ではなかったです。現在の黄色と青の前は、確か紺とクリームではなかったでしょうか。私がアイルランドに来た90年代はマットな緑色。不況に苦しんだ80年代はこげ茶だったそうです。このこげ茶は「Faecal Brown」(う〇この茶色) などと悪口を言われていたようですが。リネハンさんは、「あのこげ茶のバスほどあの頃のこの街のどうしようもなさをうまく体現したものは他にほとんどなかった」とまで書いています。

 

SNS 上での人々の意見は分かれているようです、「全然問題ない」という人もいれば、「Faecal Brown」の方が良かったとか、ダブリン以外の県の色なのはいかがなものか、などと言う人もいます(ダブリンの県の色は青、緑と黄はたとえばドネゴール)。車体を塗り替えるのはお金の無駄だという人もいれば (デザインは変えなくても車体の塗装はするわけですが)、色を決めるプロセスが気に入らないという団体もいます。障害者の団体は目立つ色が採用されたことを歓迎しています。

 

リネハンさんが最後に紹介しているコメントはこれ。「すべてが目立つ色になってしなえば、何も目立たなくなる」。リネハンさんが一番言いたかったのはこれではないかと思います。今回のバスのデザインのように、国や半官半民の機関の決定は私たちの視覚的な環境に大きな影響を及ぼす。したがって、デザインの決定にはしっかりとしたプロセスを踏んでほしい。リネハンさんは、街にうるさい色があふれかえっていることを少し嘆き悲しんでいるようです。

 

 ところでですね、イラストが何でも揃っていると言われるいらすとやさんにはダブリンの二階建てバスのイラストも用意されているんですよ。

 

f:id:tarafuku10:20210607000905p:plain

 

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ

 

国内を旅行しよう! アイルランドに新しくできた博物館

 

 

この週末から国内旅行が解禁になりました。今年中に海外旅行に行けそうな感じもありますけど、まずは国内旅行を盛り上げようということで、アイリッシュ・インディペンデント紙に新しくオープン、または改装された 6 箇所の博物館が特集されていました。

 

 

www.independent.ie

 

f:id:tarafuku10:20210605214259p:plain

 

ウォーターフォード

 アイルランド最古の市であるウォーターフォードに今月2つの博物館が開館します。アイルランド銀博物館 (Irish Silver Museum) とアイルランド時間博物館 (Irish Museum of Time)。

 

前者はアイルランドの銀細工の歴史をたどる博物館。後者は、時計に関する博物館ですね。世界で最も古い部類の時計が展示されています。

 

また、新しくできた「Freedom of Waterford」パスを使うと、ガイド付きの市内ウォーキング・ツアーに参加できるほか、ウォーターフォード宝物博物館 (Waterford Treasures Museums) にも入場できます。

 

f:id:tarafuku10:20210605214235p:plain

 

ケリー

バレンシア島の灯台の建物が博物館として一般公開されます。1820年代の灯台守の暮らしが再現されているそうです。青銅器時代の石の遺跡や、17世紀はクロムウェル時代の城塞なども見学できるようです。

 

キルデア

アイリッシュ・ナショナル・スタッド & ガーデンズにオープンしたアイリッシュ・レースホース・エクスペリエンス。320万ドルをかけて作られたイマーシブなアトラクション。サラブレッド馬に関連する歴史、物語、テクノロジーを知ることができます。バーチャル・レースで自分の馬を購入、調教、騎乗することもできます。

 

f:id:tarafuku10:20210605214210p:plain

 

ティローン

ティローンには OM ダーク・スカイ・パーク & オブサーバトリーという施設ができます。パンデミックの影響で開館が遅れていたのですが、いよいよ営業開始です。ダーク・スカイ・パークというのは初めて聞いたんですが、日本語に訳すと星空保護区といって、国際ダークスカイ協会という認定組織があるそうです。望遠鏡を使って北アイルランドの星を眺め、ホログラフと VR を駆使したアトラクションも楽しむことができます。

 

 

モナハン

 国内旅行をするときにモナハン県の名前はなかなか出てきませんが、新しい観光施設がいくつかできています。まず、100万ユーロを掛けて改装されたイニスキーン (Inniskeen) のパトリック・カバナー・センター。パトリック・カバナーはアイルランドの詩人/作家です。そばには6キロのウォーキング・コースもあります。また、キャリックマクロス・ワークハウス博物館にも新しいビジター・センターができました。ワークハウスというのは昔の救貧院です。

 

 

ミース

2019年の5月に世界遺産のニューグレンジに行ったとき、ビジター・センターが改装中だったんですよね。500万ユーロをかけた改装工事が完了して再オープンしたようです。国内旅行推進ということで2021年は OPW (遺跡とかを管理する役所) の施設は無料で入れるらしいんですけど、予約は必要かもしれません。また、現在のところは密を避けるということで、ニューグレンジの中に入ることはできません。

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ

 

親善試合 アンドラ 1 - 4 アイルランド

 

 

最近はカード決済ばかりで現金をほとんど使わなくなりましたが、この間、韓国料理屋のハンヤンでテイクアウトしたときだったと思いますけど、現金で払ったんですね。カード決済不可だったので。2ユーロ硬貨をお釣りでもらったんですけど、それがアンドラの2ユーロだったんですよ。アンドラもユーロ硬貨を発行してるんですね。Wikipedia で調べてみると、2016年から独自のものを発行するようになったようです。アンドラEUに非加盟ですけど、事実上の法定通貨としてユーロを使用しています。ユーロ切替え前の1999年までは、フランス・フランとスペイン・ペセタを通貨として使用していたそうです。

 

 

f:id:tarafuku10:20210604232151p:plain

 

 

たまたまアンドラ関連の記事がもう1つ今日のアイリッシュ・タイムズに掲載されていました。近いうちにダブリン・ベイ・サウス選挙区で国会議員の補選が行われるんですが、そこにフィアナ・フォイル党から出馬する予定のディアドラ・コンロイさんの話。

 

www.irishtimes.com

 

彼女はもともとアイリッシュ・インデペンデント紙の旅行記事担当記者だったのですが、旅行会社持ちで他のジャーナリストと一緒にアンドラのスキー場に招待されて出かけて行ったんですね。そこでスキーをしているときに転んで腰の骨を折り、ガイドや旅行会社を訴えたという話。雪が少ないことを懸念としてガイドに伝えていたのにスキーを強行された、みたいな話です。

 

この旅行が2015年1月のこと。アイルランドに戻ってきて2015年7月に股関節置換手術を受け (怪我が原因でこの手術を受けなければならなくなったと主張)、2016年に損害賠償を求めて裁判所に訴えたということです。

 

それが、なぜ今記事になったかというと、今度国会の選挙に出馬するにあたって、メディアがいろいろ彼女の過去を洗ったんでしょうね。そしたら、裁判所の記録からこの話が出てきたので記事にしたみたいです。

 

彼女の訴えによれば、ケガの前には楽しめていたいろんなアクティビティができなくなったと主張していたのですが、彼女の SNS には乗馬やバイクを楽しむ彼女の写真がいくつかアップロードされているんですね。記事としては、ここにちょっと不誠実な何かがあるのではないか、と匂わせる内容になっています。

 

コンロイさんはつい先日も別のことでネタにされていました。そのときは過去のブログで不適切な記述があったんじゃないかという話。2013年ごろ、彼女は自宅の部屋を人に貸していたんですが、あるときラトビア人の間借り人をとったときに、そのラトビア人が何時間もキッチンを占拠して臭いもすごかった、みたいな話を書いてたんですね。記事の中にブログの抜粋が書かれていましたが、ちょっと鼻もちならないトーンでした(笑)。差別的なんじゃないか、などと、ライバル候補に批判されたりしています。

 

www.irishtimes.com

 

ああ、前置きが長くなってしまいました。6月3日 (木) にアンドラの首都アンドラ・ラ・ベリャでアンドラアイルランドの間でサッカーの親善試合が行われました。結果は 4 対 1 でアイルランドの勝ち。スティーブン・ケリー監督になって12試合目にして初勝利です。

 

しかし、52分にFIFAランキング158位のアンドラに先制を許しています。58分、61分にトロイ・パロットが連続して得点して逆転しますが、その間、ケニー監督は生きた心地しなかったんじゃないですかね。

 

 

www.youtube.com

 

アイルランドの次の試合は6月8日の新全試合、対ハンガリー戦@ブダペスト

 

アイルランド先発メンバー:

REPUBLIC OF IRELAND: Bazunu; Doherty, Egan (capt), O’Shea (Duffy 85), McClean (Manning 85); Knight, Hourihane (Arter 85), Cullen, Curtis (Horgan 65); Collins (Idah 65), Parrott (McGrath 82).

 

アイルランド得点: Parrott (58, 61)、Knight (84)、Horgan (89)

アンドラ得点: バレス (52)

 

 

 

余談ですけれども、アイリッシュ・タイムズのコラムニストのフランク・マクナリーさんがこんなツイートをしていました。

 

 

 

「トロイ・パロット選手が2点取った後、3点目を取る前に交代させられたのを新聞の校閲担当者は残念に思っただろう。「Troy, Troy and Troy again」という見出しが使えなくなったから」みたいな意味のことをツイッターに投稿していました。

 

「Troy, Troy and Troy again」の意味が私はわからなくて、トロイの木馬に関する故事かなにかかと思ったんですが、ゆっくり調べてみると、単に「If at first you don’t succeed, try, try, and try again」という慣用句から取っただけでした。このツイートに対するレスで、「No Second Troy」というイェーツの詩があることも知りました。

 

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ

 

Amazon Prime と『アルジェの戦い』

 

 

私は映画を観るときはだいたい映画館に行くようにしています。もちろん大きな画面で見るというのもいいですし、家でテレビや PC で見ていると集中力が続かなくて、つい違うことをしそうになるからです。

  

ところが、ある古い映画を観る必要が出てきまして、先日タワーレコードに行ったんですが、DVD は置いてなかった。しょうがないので家に帰ってきて配信サービスで検索してみると、Amazon Prime で見られることがわかりました。それで、5日間だか7日間だかの無料お試し期間があったので、結局タダで見ることができました。

 

配信サービスを使った感想ですけど、悪くないな、という印象です。ちょっと見過ごしたところを巻き戻して見たりできますし、字幕が出るというのも大きいです。今回見たのはフランス語の映画だったので字幕は当然出して見たのですが、英語の映画でもやっぱり聞き取れないところがありますから。

 

いちおう、無料お試しが終わったら解約する設定にしたんですが、ちょっと契約を考えてしまいます。

 

今回見た映画は『アルジェの戦い』。1966年の映画で、アルジェリアの独立闘争を描いたドキュメンタリー風の映画。戦いの相手はもちろんフランスです。全編アルジェリア・ロケ。エキストラ8万人を動員。出演者はほぼ素人俳優 (多くの場合、セリフはアフレコ)。かなり古いモノクロ映画ですが、今見ても手に汗握るサスペンスの連続でほんとうにおもしろい映画です。たとえば、アルジェリア女性3人が爆弾を仕掛けにいくシーンは圧巻です。西洋風の服を着てフランス人女性のようなふりをして検問をくぐり抜け、盛り場やエアフランスの事業所に爆弾を置きに行くのです (自爆ではありません)。

 

f:id:tarafuku10:20210603231101p:plain

 

実は私は以前、カルチャー教室みたいな感じの脚本教室に通ったことがあります。通うといっても週末2回とかそんな感じだったと思いますが。

 

その中で講師の方が『アルジェの戦い』を見せてくれたんですね。この映画は武力による闘争をテーマとしているわけですから、アルジェリア人の側もフランス軍の側も凄い暴力を使うわけです。暴力を使う人には一般の人はやはり感情移入しにくい。しかし、映画製作者としては観客にアルジェリア抵抗勢力側に感情移入してほしい。ではどうするか。

 

視聴者に感情移入してほしい人たちが酷い目にあっている場面を冒頭にもってくるのです。『アルジェの戦い』の場合は、捕虜が拷問を受けてリーダーの居場所を白状した後のシーンから始まります。で、この捕虜の役者がまたいいんですよ。小柄な中年男で痩せ細っていて、胸には拷問でできたと思われる大きな火傷の後があります。この役者も素人で、実は実生活では刑務所に入っていた人なんですが、監督が顔が気に入ったということで当局にかけあって、撮影期間だけ特別に保釈してもらったそうです。

 

f:id:tarafuku10:20210603231121p:plain

 

捕虜の悲し気な顔。フランス兵のおごった態度。それらが合わさって、観客はアルジェリア人側を応援したい気持ちになってしまうわけです。

 

映画ではこのすぐ後にも刑務所でアルジェリア人の囚人がギロチンに掛けられるシーンが続き、追い打ちを掛けます。

 

今回、『アルジェの戦い』を見直したのは、この冒頭のシーンが具体的にどんな感じだったかを確認したかったからです。

 

アイルランドのつながりで言うと、ケン・ローチ監督の『麦の穂を揺らす風』でも冒頭シーンでアイルランド人の若者が理不尽に殺されて、観客は一気にアイルランド人側に感情移入していく仕掛けになっていたと記憶しています。

 

というか、今スクリーンショットを撮ろうと思って Youtube を見ていたら、『アルジェの戦い』の全編がアップロードされていました。こちらからどうぞ↓。

 

www.youtube.com

 

 

 

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ