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ダブリン・バスのデザインが変わります

 

 

ダブリン・バスが新しいデザインの車体に徐々に入れ替わっているのにお気づきでしょうか。ここ10年ぐらいは黄色と濃い青のデザインでしたが、それが黄色と緑に変わりつつあります。

 

過去10年ほど走っていたお馴染みの車体がこちら。

 

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新しいデザインがこちらです。

 

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アイリッシュ・タイムズのアート&カルチャー担当編集者であるヒュー・リネハンさんが新しいバスのデザインについて記事を書いています。

 

www.irishtimes.com

 

過去14か月間のパンデミック中は、警告色の看板やらサインやらが町じゅうにあふれていて、鮮やかな黄色だらけだったんですよね。

 

新しいバスのデザインでも、黄色は以前から使用されていたとはいえ、今回は蛍光色の緑が使用されていて、さらに鮮やかになっています。

 

ダブリン・バスを含むアイルランドのさまざまな公共交通機関を管理する TFI (Transport for Ireland) によりますと、「鮮やかな緑は、TFIのブランド、(環境的に)持続可能な移動、アイルランド気質を伝える役割を果たす」のだそうです。また「前部の明るい黄色は、特に夜間の視認性を高めるために採用された」のだそうです。

 

昔のダブリン・バスはこんなに鮮やかな色ではなかったです。現在の黄色と青の前は、確か紺とクリームではなかったでしょうか。私がアイルランドに来た90年代はマットな緑色。不況に苦しんだ80年代はこげ茶だったそうです。このこげ茶は「Faecal Brown」(う〇この茶色) などと悪口を言われていたようですが。リネハンさんは、「あのこげ茶のバスほどあの頃のこの街のどうしようもなさをうまく体現したものは他にほとんどなかった」とまで書いています。

 

SNS 上での人々の意見は分かれているようです、「全然問題ない」という人もいれば、「Faecal Brown」の方が良かったとか、ダブリン以外の県の色なのはいかがなものか、などと言う人もいます(ダブリンの県の色は青、緑と黄はたとえばドネゴール)。車体を塗り替えるのはお金の無駄だという人もいれば (デザインは変えなくても車体の塗装はするわけですが)、色を決めるプロセスが気に入らないという団体もいます。障害者の団体は目立つ色が採用されたことを歓迎しています。

 

リネハンさんが最後に紹介しているコメントはこれ。「すべてが目立つ色になってしなえば、何も目立たなくなる」。リネハンさんが一番言いたかったのはこれではないかと思います。今回のバスのデザインのように、国や半官半民の機関の決定は私たちの視覚的な環境に大きな影響を及ぼす。したがって、デザインの決定にはしっかりとしたプロセスを踏んでほしい。リネハンさんは、街にうるさい色があふれかえっていることを少し嘆き悲しんでいるようです。

 

 ところでですね、イラストが何でも揃っていると言われるいらすとやさんにはダブリンの二階建てバスのイラストも用意されているんですよ。

 

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