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アンジェリーナ・ジョリーが監督した『アンブロークン』は、オリンピックにも出場した主人公が第二次世界大戦で日本軍につかまり、残虐な扱いを受けるのだが、それを強い意志で生き延びる、というものらしいです。人肉食とか生きたまま人を焼くとか史実と異なる描写もあるということで各方面で話題になっておりますので、ご存じの方も多いのではないかと思います。
その映画評がアイリッシュタイムズ紙に載っていたのでご紹介します。評者はドナルド・クラークさん。星は★★★☆☆ (3/5)
大ざっぱにまとめると、ハリウッドの才能が集まって作ったんだけど、話は平板でキャラクター設定が一面的とのことです。
「コーエン兄弟を含む 4 人の優れた脚本家が Hillenbrand の原作と格闘したが、誰も陰鬱なほど直線的な物語に面白いひねりを加えることはできなかった」
「この映画にはパーソナリティーというものがほとんどない」
「役者の責任ではまったくないが」と前置きした上で、ジャック・オコネル演じる主役のザンペリーニについては「薄っぺらい脚本からは、Wikipedia に記載された内容と同じぐらいしか彼の本当のキャラクターについて私たちは知ることができない」
「もっともひどかったのはザンペリーニを拷問する日本兵ワタナベを演じた miyavi である (念のためにもう一度書きますが、評者は役者には責任はないと言っています)。一面的な怪物という役柄に押し込められ、ザンペリーニが勇敢であるためだけに生きているように、彼は苦痛を与え、権力を乱用するためだけに生きている。決定的なのは (たとえば「シンドラーのリスト」でレイフ・ファインズが演じたアーモン・ゲートとは異なり)、このワタナベは彼が邪悪であることを知っているようにみえる、ということだ。これは、ジェームズ・ボンドの映画の木っ端悪役の振舞いであり、大人のドラマの敵役の振舞いではない」
で、結論に続きます。
「しかし、こうした数多くの欠点にもかかわらず、『アンブロークン』はハリウッドの最も信頼できる才能や期待の才能の魅力的なショーケースとなっている。これは 1980 年代にアカデミーションの最優秀映画賞を獲ったタイプの映画である。最近はこうした映画がそのような栄誉を得ることは少ないということを意識すれば、「アンブロークン」を嫌いになるのが少し難しくなる」
この映画はアイルランドでは来週末から公開です。
まだ、アイリッシュタイムズのサイトに記事が掲載されてないんですが、映画が公開されたらアップされると思うので、そしたらリンクを貼ります。