たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

水道代とシンフェイン

前回のエントリの続きなんですけど、ダブリン南西選挙区の補欠選挙は、シンフェインの勝利で鉄板だとみんな思ってたらしいんです。シンフェインにしてみたら、敵は自分の右側にしかいないと思って、そっちの方ばっかり見ていたら、社会主義者党の候補にゴール前で左側から差されちゃったって感じですかね。

 

それで、シンフェインが水道料金徴収に関して態度を鮮明にしてなかった、っていうのにちょっと驚いたのです。これまで、シンフェインは政権与党のやることにとにかく反対して党勢を伸ばしてきたようなところがありましたから。

 

党首のジェリー・アダムズは、水道料金徴収が廃案にならない限り、次の総選挙後に与党には入らない、と言っている。でも、水道料金は払う because we want to be responsible. (責任ある振舞いをしたいから) だそうです。

 

選挙に勝ったポール・マーフィー候補は、シンフェインに対して、法律を破って水道代を払わないように支持者に呼び掛けてくれと頼んだのだが、シンフェインは拒否。(法を破ろうと呼びかけてる人が当選しちゃうのが凄いところ)。

 

つまりですね、シンフェインは次の選挙後に連立政権の一部になる可能性が現実味を帯びてきているわけです。少なくとも彼らはそういう風に自分たちのことを見ている。だから、法律破ったりみたいなことまではやらないわけです。社会主義者党は政権に入るなんてことは微塵も考えてないから、突っ走れるだけ突っ走って、それが票に結びついたと。

 

シンフェインはこのままいけば議席をかなり取れるでしょうから (今の議員数は 14)、人数的にはもちろん政権入りはありうる話。しかし、シンフェインと組みというリスクを他の党が冒すかどうかはまた別の話。やっぱり IRA との関係がありますし、シンフェインを嫌いな人はほんとに嫌いだから、支持者のそういう人たちを説得できるかどうか。

 

シンフェインが一転、防戦一方になったことで、これまで政権与党で攻撃されまくった上に、ワーキングクラスの票をかっさらわれてきた労働党あたりはほくそ笑んでるらしいですよ。

 

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写真は、水道代払いません、のデモ参加者。アイリッシュタイムズより。