日本で暗黒舞踏と呼ばれているジャンルのパフォーマンス・アートなんですけど、アイルランドでも「知る人ぞ知る」といった存在です。
いきなりパブで「君は Butoh についてどう思うかね」と聞かれたことがあります。その人自身も芸術家でぶっとんだ人だったので、そういう無茶ぶりも様になっていました。それから、昔よくサンドイッチを買いに行ってた店の女の子が、Butoh 合宿に参加するために日本に行ったことがあるよと言ってました。
先週末に山海塾の岩下徹さんという人がダブリンにやってきて、ワークショップと公演を行いました。呼んだのはダブリン在住のドイツ人の人らしいんだけど、日本人のお友達の S さんも運営に参加していて、私も興味があったので日曜の公演を見に行ってきました。
場所はパーネルスクエアのティーチャーズ倶楽部というところ。小学校の講堂みたいな空間に椅子を正方形に並べて、その中が舞台という形になります。広さは柔道の試合場ぐらい。観客は 20 人弱でした。
岩下さんが出てきて、すぐにじゃあやりましょうということになって、観客席のひとつに座った状態からパフォーマンスが始まります。簡単な照明はありますけど、音楽はありません。岩下さんは 50 代かな。黒のストレッチ素材のスラックスに上はグレーのスウェットといういでたち。Butoh の代名詞のような白塗りではありません。
踊っていたのはどれくらいだろう、30 分くらいかな。全部即興らしい。もちろん手癖みたいなのがいっぱい引き出しに詰まっていて、そこから適宜取り出してくるんだと思うんだけど。音楽も振付もなんのギミックもなしで、あれだけの時間を踊り切っちゃうのが凄いですね。まったく飽きないんですよ。
パフォーマンスのあとは Q&A の時間です。S さんが通訳して、「普段はどんな準備をしてるんですか?」とか「何を考えながら踊ってるんですか?」みたいな話。
おもしろかったのは、病院を訪れて主に統合失調症の人たちにダンスセラピーを施しているという話。たしかに体を自由に解き放つのは、心の健康にもいいだろうと思う。
ダブリンの後はコークに行ってワークショップを開催したそうです。
岩下さんの web サイト↓
http://iwashitatoru.com/
http://iwashitatoru.com/
