たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

北の Tayto - 工場見学

先日(18日)、Tayto ポテトチップスの工場見学に行ってきて、たいへん楽しかったわけですが、そのときの日記の中に、北アイルランドでは別の会社が Tayto ブランドのチップスを展開しているという話を書きました。北の会社も工場見学をやっているということで、今日、K ちゃんと H ちゃんとボーダーを越えて行ってきました。

 

北のテイトーは、アーマー県のタンドラギー (Tandragee) という街に工場を置いています。プロテスタントの住民が多い街みたいですね。

 

イメージ 1

 

エリザベス女王在位 60 周年記念のプレートもあります。彼女、ここに来たのかな。

 

イメージ 2

 

共和国の Tayto ブランドは何度かオーナーが代わって、今は Largo 社というところが製造しているんですが、北の Tayto の製造元は Tayto Group 社といいます。この会社は、築 500 年ほどのお城とその敷地を買い取って操業しています。

 

イメージ 3

 

こちらの工場見学は、パネル展示のような観光リソースに仕立て上げられたものではなく、ガイドさんが付いて実際に稼働している工場を案内してくれるタイプです。小学校の頃の社会見学を思い出します。

 

工場に入る前に、カメラや携帯電話、小銭など、ポケットの中のものをすべて預ける必要があります。指輪やイヤリングなどのアクセサリー類も同じです。また、髪の毛が落ちないようにネット帽をかぶり、ビニールのエプロンも付けさせられます。私はひげを生やしているので、ひげ用のネットも着用します。なんだか、水産加工工場の作業員のような格好です。

 

工場内の写真は撮影できませんでしたので、ロビーの写真だけ掲載します。

 

イメージ 4

 

じゃがいもを乾燥させる貯蔵庫は、昔ながらの建物なので、薄暗くて、おどろおどろしい雰囲気です。じゃがいもは、ここからコンベアに乗せられて、機械の中で皮を剥かれます。ガイドさんの解説が北アイルランド訛りで聴きとりにくかったんだけど、どうも水洗いしながら皮が軟らかくなったとことを、ごろごろ機械の中で転がして皮をそぎ取っているみたい。

 

それから、スライスして油で揚げます。揚がったばかりのポテトチップスが機械から雨のように吐き出されてくるのをガイドさんがボウルで受け止めて食べさせてくれたんだけど、これはもう絶品です。もちろん何の味付けもしていないんですが、これまで食べたポテチの中で一番いしいかったくらい。

 

その後もロボット(人型じゃないよ)で自動包装しているところを見せてもらったりして、みるみるうちに土だらけのじゃがいもが商品としてパッケージにされていくのを観察することができました。合間合間にガイドのお姉さんは、これでもかというくらい惜しげもなく製造途中のポテチを誘拐しては私たちに食べさせてくれました。

 

この工場ではポテトだけじゃなくてトウモロコシを原料にしたお菓子もつくっています。そっちの工程も見せてくれたんだけど、ポテチほどの感動はなかった。トウモロコシはここで一から加工してるんじゃなくて、おそらくモル状かなにかの原料を買ってきてやってるんだと思う。

 

ツアーが終わって工場から出てきたところでガイドさんに気になっていたことを質問します。「南の Tayto との関係は?」答えは、「Nothing」でした。

 

Wikipedia によれば、南の Tayto が北にライセンスしたと書いてあるんだけど、北の Tayto の公式見解としては、そういうことではないらしい。繰り返し質問すると、「そのころはまだ商標とかの概念がしっかりしてなくて、、、」みたいなことを言っていたので、たぶんどっちかが剽窃したのでありましょう。Mr. Tayto のイノセントな笑顔の裏にはこのようなダークな事情が隠されていたとは。人はみかけによりませんね。

 

同行のK ちゃんが池上彰さんばりの核心を突く質問。「で、どっちが先だったんですか?」 ガイドのお姉さんの答えは「うちのお城は 16 世紀からのものだから、うちの方が古いんじゃないかしら。うふふ」というものでした。うーん、和解したときの条件で、どちらも元祖や本家を主張しないって約束になってるのでしょうか。

 

イメージ 5

(左が北の、右が南のミスター・テイトー)

 

最後にマグカップを購入し、「Tayto 工場を見学したよ」バッジをいただきました。

 

イメージ 6

 

この見学ツアーはとても面白かったです。実際に動いている工場を見て回れるツアーはあんまりないんじゃないでしょうか。クリスマスシーズンで皆さんウキウキしてたのかもしれませんけど、働いてる人が私たちにふつうにハローとフレンドリーにあいさつしてくれるのも嬉しかったです。

 

ここのツアーは予約が必要です。料金は 5 ユーロ。帰りにポテチを 5 ユーロ分以上もらえますけど。www.tayto.com

 

Tayto 工場の後、2 つの大聖堂の街、アーマーに寄ってからダブリンに戻りました。冬至も近かったので、5 時前にはもうほぼ夜の暗さになっていた。

 

イメージ 7

(カトリックの聖パトリック大聖堂)