たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

キ・ヲ・ツ・ケ・テ

ジェーン・バーキンさんは、イギリスの出身でフランスで活躍する女優さんです。エルメスのバーキンっていうバッグの名前の元になった人です。グッチ裕三さんは、有名なバッグにちなんで芸名を付けましたけど、バーキンさんは逆ですから。念のため。いや、グッチさんも嫌いじゃないですけど。
 
イメージ 1
 
 
 ジェーン・バーキンの映画を最初に見たのは1983年だったと思います。お昼のワイドショーを見ていたら、今は亡き小森のおばちゃまがセルジュ・ゲンズブール監督の新作として「赤道」を紹介していました。おもしろそうだったので、たぶん三鷹の映画館だと思うんだけど、見に行ったら同じくゲンズブールが監督した「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」が併映だった。今、調べたら、「赤道」の製作が1983年だから、たぶん83年か 84 年のこと。
 
「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」はものすごくヘンテコなラブストーリーなんだけど、ジェーン・バーキンはジョニーっていう役名で、場末のカフェみたいなところで働いている。やせっぽちでショートカットで男の子みたいだからジョニー。そこに産廃の処理を生業とするゲイのカップルが訪ねてきて。。。っていう話なんだけど。
 
映画自体も強烈だったんだけど、主役のジェーン・バーキンに私は強く引き寄せられてしまって、その後かなり長い間、私の心のベストテン・ナンバー1の女優さんでした。どこが魅力的かあんまり書くと恥ずかしいので書きませんけど、たとえば飲みにいってバカ話で好きな異性のタイプみたいな話になったりすると、私は「上唇の薄い薄情そうな女の人」と答えていました。それはもちろんバーキンさんが念頭にあってのことです。
 
その後、何年かして、たぶん初来日公演だったと思うんだけど、五反田かどこかのホールに彼女のコンサートを見に行きました。何人もの観客が花を持ってステージのところに行って、彼女はいちいちハグしながらそれを受け取ってました。私は 2 階席だったんで指をくわえて見てたんだけど、そういうコンサートは初めてだったのでびっくりした。
 
23 年前だか、彼女の娘のシャルロット・ゲンズブールとウィレム・デフォーがやった「アンチクライスト」っていう映画を観に行きました。なまいきシャルロットも、もう 30 台後半なんだけど、角度によっては若いころのバーキンにそっくりでした。まあそれはいいか。
 
ジェーン・バーキンって今、日本でもけっこう知名度あるんですよね? スマスマにも出たって聞きましたけど。
 
それで、なんでジェーン・バーキンの話をしてるかっていうと、彼女が震災・津波のことをとても心配してくれていて、日本にいきなりやってきてチャリティ・コンサート開いたり、避難所を訪ねたりしたというニュースを読んだからです。それから、Youtube にもメッセージをアップロードしています。
 
それで、何がいいたいかと言いますと、私はこのビデオを見てとても嬉しかったんですよ。アホみたいに嬉しかったのです。最後に彼女が日本語で「キヲツケテ」(Keep Yourself Safe の訳)っていうんだけど、これだけ心に染みる「気をつけて」も聞いたことなかったです。
 
正直、自分の興味のないタレントさんとかが避難所訪れて云々、みたいなニュースをみて、それってあんまり意味ないんじゃないの、って思ったりしてたわけですが、それは私が間違っていました。ファンだった人に「気をつけて」って言われるとやっぱり嬉しいです。
 
イメージ 2