たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

アイランズ・エッジのほろ苦いCM

昨年ぐらいに新しく発売されたアイランズ・エッジというスタウト・ビールがあります。製造元はハイネケン。大企業のブランドですから、宣伝もバンバン打ってます。これまでは、おそらく若い人をターゲットとした明るくて楽しい雰囲気のCMを出していましたが、1か月ほど前から一味違ったCMを出してきていて、これが話題になっています。

 

www.youtube.com

 

とあるアイリッシュ・パブで客の1人がバーマンに「アイランズ・エッジってどんな感じなの?」と尋ねます。バーマンは「苦みが少ないんだよね(Less bitter)」と答えます。そこでカウンターに座っていた客が「私と同じだね」と受けて自分語りを始めます。

 

そこからグループ・カウンセリングのようにパブの客が過去の苦い体験とそれに折り合いをつけて Less Bitter になった現在の自分について話していくという設定。アイルランド人らしいほろ苦さとユーモアが伝わってくるCMです。

 

口火を切るのはカウンターに座った禿げ頭の40歳ぐらいの男。「私の元妻が、今日再婚したんだ。相手はパイロット。髪の毛もフサフサなんだ。でもね。まあいいヤツなんだよ」。アイルランドではあんまり髪の毛が薄いことをいじったりしないんですけど珍しいですね。

 

 

次の女性はタトゥー・アーチストが間違った綴りで入れ墨を掘ってしまったという話をします。彼女の背中には「Love Yourshelf」と言う文字が彫られています。それでも彼女は自分を好きになろうと取り組み始めているそうです。アイルランド語の s は英語の sh の発音なんですよね。なので、英語の s も sh で言う人、けっこういるんですよ。ウェスト (West)がウェシュトとか。だから、彼女が Love Yourself と伝えたつもりが、タトゥー・アーチストが外国生まれの人で Love Yourshelf に聞こえてしまったということかもしれません。

 

 

エピソードとして一番面白かったのは、30代くらいの女性の話。「小学校5年生のとき学校のタレント・コンテストで優勝できなかったんだけど、優勝した子はもう死んじゃったのよ」。言ったとたんに周りが変な空気になったことに気づいた彼女、「あ、私が殺したんじゃないのよ」と付け加えます。これ、おもしろいんだけどブラックなのでテレビではこの部分はカットされたそうですが。

 

 

最後のひげ面の男性は、「皆さん私のことをジェリーと呼びますけど、実は私の名前はガリーなんです。まあよくある間違いなんですが」と言ったとたんに、遠くから「もう少し大きな声で言ってくれ、ジェリー」と声がかかります。この男性のことがほんとうにかわいそうになってしまいますが、でも笑ってしまいます。

 

 

登場人物の年齢からして、30代から40代をターゲットにしたCMなんでしょうね。これまでのCMに比べて落ち着いた雰囲気です。撮影が行われたのはクロンターフのハリー・バーンというパブだそうです。

 

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ