たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

セント・パトリックス・デー

今日はアイルランドの祝日であるセント・パトリックス・デーでした。セント・パトリックはアイルランドの守護聖人です。今日はみんな緑の服を着て、お祝いするのですね。そしてパレードします。

 

ダブリンに 17 年住みながらも、パレードを見に行ったのは 1 回だけ。それも最初の年に。パレードはですね、横浜に住んでる方なら横浜港まつりのパレードを思いだしていただけるといいと思います。

 

この手のパレードって、「鑑賞する」っていう態度でいくとつまらないと思います。友達と一緒にいって、パレードを肴に大騒ぎして楽しむ、っていうのが正解ではないでしょうか。もちろん、一番いいのは参加しちゃうことでしょう。阿波踊りとか踊ってるのを見るのはけっこう場が持つんですけど、パレード見るのは、あれ、なんでだろーな。

 

昨日ちょっと体調崩したんで友達は誘ったりとか今日の計画立てられなかったんですね。朝起きたらいい気分だったのでがんばって一人で行ってきました。まあブログのネタにもなるだろうということで。ブログを書くようになってよいと思うのは、自分の考えをまとめる習慣ができたことと、ちょっと面倒くさいなと思ったときに背中を押してくれることです。

 

で、シティー・センターまで行ったですけど、人いっぱいなんですよ。いっぱいでパレード見れない。

 

オコネル・ストリート

 

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テンプルバー

 

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それから、デイム・ストリート

 

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たぶん、もうちょっと探せば空いてるとこもあったと思うんだけど、まあいいやっていう気持ちになって、その辺でごはん食べて帰ってきちゃいました。

 

で、おしまい、っていうのもあれですんで、新聞に載ってたセント・パトリックの話を。お祝いの日だというのに、けっこう身も蓋もなくて笑えたので。

 

アイルランドの守護聖人にはブリジッドとかコロンバスとかもいるのに、なんでパトリックだけこんなに有名なんだという話です。

 

パトリックは 5 世紀後半に布教活動したんですが、7 世紀ぐらいには賛美歌に歌われたりするくらいには有名になってた。同時期に活躍したほかの聖人と違うのは、彼が自分についての書いた書物を残していることです。自然なスタイルや特定の目的にそって書かれた形跡もないことから、これは実際にパトリックの手によるものだろうと考えられているそうです。ここに、アイルランドにさらわれてきて、逃げ出して、また戻ってきて云々みたいなことが書かれているわけです。こういうストーリーがあると、売り出しやすいのはわかります。

 

7 世紀後半になりますと、アーマーっていう街にある教会がパトリックを称える 2 冊の書物を出版します。詳しい方はご存知と思いますけど、アーマーのカソリック教会はパトリックが設立したもので、今でもアイルランドでいちばん位の高い聖職者はここの教会の大司教です。で、まあ、これらの著作によってパトリックはスーパーヒーローの地位にまで高められたと。

 

アーマーの教会は、これ以外にも、いろんな聖人の遺品や、キリストの血のついた布なんかも所持しているとして、人々の尊敬、そしてお金を集めたそうです。

 

また、アーマーの教会は 7 世紀から 11 世紀くらいまで隆盛を誇ったイー・ナイル (Ui Neill) 王朝とも関係があって、イー・ナイル王朝が衰退する頃には、パトリックとアーマーの教会はほかの教会に比べようもない地位を獲得していたとのことです。

 

お祝いの日だっていうのに、教会間の権力争いにパトリックが使われたっていう生臭い話を平気で載せちゃうような新聞が私は好きです。まあ、昔の話だしね。