たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

シャムロック味のポテトチップス

セント・パトリックス・ディが間近に迫っております。アイルランドの国民的祝典というだけでなく、いまや押しも押されぬインターナショナル・ブランドに成長した 3 月 17 日のこの記念日。才気煥発なビジネスマンの皆さんは、この商機を逃すまいと、自社の製品をアイルランド守護聖人のパトリックと関連付けることで、収益を最大化することに腐心していらっしゃいます。

 

というわけで、先日ご紹介したグルメ・ポテトチップスのひとつ、キーオ社が、シャムロック味のポテチを発売しました。

 

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説明の必要もないかと思いますが、シャムロックはアイルランドの国のシンボルとなっている植物で、聖パトリックがこの三つ葉を使って父なる神、キリスト、精霊の三位一体を説いたという故事にちなみます。セント・パトリックス・ディにはシャムロックの一房を胸に飾ることになっていますが、なければ、なんか緑のアイテムを身につけてください。

 

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3 月 13 日付けのアイリッシュ・タイムズ紙によりますと、キーオ社のシャムロック & サワークリーム味のポテトチップスは、Tesco (という有名スーパーマーケット) の注文を受け、全英 700 店舗で販売されています。発注額は 250,000 ユーロ (約 3000 万円)。高級チェーンのセルフリッジズにも納入されたほか、香港、中国、ドバイ、アメリカ、ドイツにも輸出されたとのこと。

 

200 年も前からダブリン郊外でジャガイモを育ててきたキーオ社のディレクターであり、ポテチ・ソムリエでもあるトム・キーオ氏によれば、「シャムロックはガーリックの味に似ている」のだそうです。

 

おととしの暮れにこのアイデアを思いついたキーオ氏は、1952 年以来米国ホワイトハウスにパトリックス・ディ用のシャムロックを納入しているケリー県のリビング・シャムロック社に連絡を取り、さまざまなフレイバーを組み合わせて試食してみたところ、サワークリームが神の思し召すパーフェクトな配合であることを発見しました。

 

キーオ社がポテチの生産を検討しはじめたのは 2006 年のことです。ジャガイモをアメリカに輸出しようとしていたのですが、野菜・青果類は規制が厳しくて難しいのです。ニュージャージーの FDA の係官に「料理してから持ってくればいいじゃん」と言われたのがヒントになったそうです。

 

私もさっそく食べてみました。

 

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海苔みたいに見える黒い点々がシャムロックです。塩味がものすごく利いていて、ちょうど海苔塩味のポテチみたいです。お酒はとてもよく進むでしょう。

 

キーオ氏によれば、家族経営の同社の人々は「ポテトを眠り、ポテトを食べ、ポテトを呼吸している」のだそうですが、こうした成功体験を共有してアイルランドの人々を勇気付けているのを見て、聖パトリックも草葉の陰で喜ばれているのではないでしょうか。

 

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キーオ家の人々。左からデレクさん、トムさん、ロスさん (アイリッシュタイムズ紙より)。