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再試合の要求をフランスが拒否

金曜日の夜、フランス・サッカー協会は、アイルランドと再戦する意思がないことを公式に発表しました。

 

フランス・サッカー協会が発表した声明によれば、同協会はアイルランド選手の落胆と苦痛を理解していて、なぜならフランスもこれまでに同様の出来事に苦しめられたことがあるからだそうです。フランス・サッカー協会は、アンリ選手がハンドボールを認めたことを理解しており、彼の正直さは良い点 (positive thing) であるとしています。アンリ選手が受けているプレッシャーを鑑み、フランス協会はアンリ選手を全面的に支援する、とのことです。

 

アイルランド・サッカー協会からの再戦要求については、FIFA がルール (こうした状況では審判の裁定、そしてそれに基づく試合結果が最終的は決定であると明確に規定したルール) に基づきすでに再戦を否定していることを指摘し、フランス協会もアイルランド協会もこのルールに拘束されるわけであって、再戦は不可能としています。(ここまでがフランス協会が発表した声明)

 

上記の声明に先立つフランス協会のエスカレット会長の発言は以下のとおり。
「両方のチームに対して審判のミスがあったが、フランスはそれをものともせず結果を出した。しかし、私は、試合の内容と試合後の態度の両方の点で、アイルランドを大いに賞賛する」

 

「彼らは品位にあふれていた。何人かは試合のあとで私たちの幸運を祈ってくれた。ワールドカップに出場するチャンスを逃したあの場面において、そしてそれが審判のミスだと考えているあの場面において、それはほんとうに寛大な態度であった。アイルランドは偉大なサッカー国だ」

 

アンリ選手のコメント:「当然ながら、私たちの勝ち方には困惑を感じている。アイルランドに対してはとても気の毒に思う。アイルランドは間違いなく南アフリカに行くに値するチームだ。もっとも公正な解決方法は再試合だと思うが、それは私の力ではどうすることもできない」

 

ロビー・キーン選手のコメント:「アンリ選手のコメントには、勇気と誠実さが必要であり、私たちはみんなそれを理解している。アイルランドの主将として、私もフェアプレイの観点から再試合を行うことに賛成だ。そうすれば、どちらのチームが勝っても胸を張って本戦に出場できる。サッカーというスポーツの最善の利益のために、フランス・サッカー協会が両チームの主将 (アンリはフランスの主将) の希望を受け入れてくれることを望む。」

 

ここまでは、すべてアイリッシュ・タイムズの記事に基づいています。(http://www.irishtimes.com/newspaper/sport/2009/1121/1224259236080.html)

 

今回のフランス協会の決定によって、フランスのサッカーファンはワールドカップを 100% 楽しむことはできなくなったのではないでしょうか。やっぱりちょっと後ろめたい気持ちが付きまとうと思います。ライトなサッカーファンからはそっぽを向かれるかもしれませんね。しかし、それが彼らの決断ですから、そいいう結果を当然引き受ける覚悟もできているのでしょう。

 

何事からも何かを学べると思うんだけど、フランス協会のコメントからは、かなり苦しい状況に追い込まれた状況で、自分の主張を通すときにどういう言い方をすればいいかみたいなのが学べます。

 

相手を賞賛する、不運が降りかかったのは相手だけではなく自分たちも同様だったということを思い出させる、最終的な決定を下す力は私たちにはないことを思い出させる、など。苦しい状況で最善のコメントを出すためのスキルとして学ぶべきものがあります。私が好感を持つのは、アンリ選手を全面的に支援すると明言したこと。矢面に立っている個人に対してハシゴを外して、自分たちは清廉だみたいな顔をすることだけは避けないといけないです。

 

エスカレット会長はその上で、相手を褒める振りをしながら、アイルランド選手が試合後に負けを受け入れたことを言外に匂わせたりもしています。これはちょっとずるい印象を与えます。

 

アンリが再試合を望んでいるのは本心でしょう。それが彼の心理的な負担を減らす最善の方法なので。キーンのコメントも、相手を立てながら再試合の正当性をうまく訴えています。

 

昨日はアイルランドのフランス大使館に向けて 200 人ほどのサッカーファンがデモ行進を行ったそうです。デモは「peaceful」に行われたと新聞には書いてありました。

 

今日の新聞には、フランスのドメネク監督が拒否の姿勢を示すまで、FIFA とフランス・サッカー協会は再試合に前向きであったという記事が出ています。まだ読んでないので、読んだらまたレポートしたいと思います。

 

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