たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

リスボン条約国民投票

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週末だからマーケットやってるかなーと思ってアイリッシュ・フィルム・センターの裏にある広場に行ったら、リスボン条約 Yes キャンペーンの人たちが集会をやってました。カラフルなTシャツ着て、風船もって、楽しそうにやってましたよ。いろんな人がかわるがわるスピーチしたのだが、その中の 1 人が No 陣営が行っている恐怖をあおる戦術には負けないぞ、って言ってました。

 

No への投票を呼び掛けている団体のひとつに Cóir というのがあるのですが、この団体が行っているキャンペーンがとてもセンセーショナルなのです。有権者の恐怖をあおるようなポスターを街中に大量に貼り出しているんですね。たとえば、こんなの。

 

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写真の 3 人の男性はパトリック・ピアース、ジェイムズ・コノリー、トム・クラークで、英国からの独立の直接的なきっかけとなった 1916 年のイースター蜂起の中心人物です。ポスターは、「彼ら 3 人が今の自由を (イギリスから) 勝ち取ったんだ。その自由を捨ててはいけない」というメッセージです。

 

昨日の新聞 (Sunday Tribune) には、Cóir のポスター (5 種類くらいある) に対する反論が載ってたんですが、上記のポスターに対しては、ミホール・マーティン外相が「これは、1916 年の英雄に対する侮辱である」と。ギャレット・フィッツジェラルド元首相は、「1916 年に、私の両親はピアースなどとともに中央郵便局に立て篭もっていた。1919 年に議会の宣伝局長に任命される直前、私の父は、英国から政治的な独立を勝ち取るだけではなく、欧州とのより緊密な関係を築くことで政治以外の分野においても英国への依存を脱する必要があると説いた。これは、アイルランドが 1973 年に欧州共同体に加盟したときに、達成され、英国からの経済的な独立が現実のものとなった。これにより、10 年のうちに生活水準は 3 倍となり、人口当たりの国民産出量も英国を追い抜いた」と。

 

(Cóir の他のポスターに対する反論は、長くなるので明日の日記に書きます→ http://blogs.yahoo.co.jp/tarascoffeeshop/21106945.html)

 

で、このCóir って言う団体が何者なのか、という点についても Sunday Tribune の記事は触れています。

 

Cóir の中の人たちは、端的に言えば、極端なナショナリストの人たちようです。しかもアイリッシュであってカソリックでないっていうことは受け入れられないという考え方のようで、極端な中絶反対の団体なども同じ人たちが運営しているし、幹細胞を医療に応用するための研究に反対するキャンペーンなども行っていたそうです。また、前回のリスボン条約国民投票のときもセンセーショナルな NO キャンペーンを行い、そのせいもあってか前回は No 陣営が勝利しました。

 

彼らの中絶反対団体には、アメリカのカソリックの布教活動に熱心な団体から資金が出ていたそうで、記事にははっきりとは書いてませんが、今回の No キャンペーンの資金もアメリカから来ているのではないかと匂わせています。カソリックの牙城であるアイルランドを守れー、っていうことで、そういうアメリカの団体も資金を出すんでしょう。

 

記事によれば、Cóir を支援していない政治家のひとりは、「Cóir は、議論を単純化することで成功を収めたリベラルな活動家のやり方を踏襲することで、これまで成功を収めている。彼らは、シンプルでセンセーショナルなメッセージを発信するが、事実についてはそれほど関心がない」と述べているそうです。

 

Cóir のポスターは、大きな議論の対象になってます。こういうやり方をしていると、他の No 陣営の人たちにとっては逆に迷惑なるのかもしれません。

 

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昨日はハーリングの全国選手権決勝も行われたので、クローク・パーク周辺には人がたくさん集まったんだけど、そこにも運動員が現れてビラくばったり、バナーを掲げたりしていました。