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レイトレイト・ショーの次の司会者はパトリック・キールティ

3月にライアン・タブリディがレイトレイト・ショーを卒業することを発表しましたが、新しい司会者が決まりました。北アイルランド出身のパトリック・キールティさんです。9月に始まる第61シーズンから4代目司会者を務めます。

 

 

キールティはダウン県ダンドラム出身の52歳。スタンダップ・コメディアンです。学生時代に北アイルランド発のコメディ・クラブをベルファストで立ち上げ、その後テレビにも進出。1999年から2003年までBBC北アイルランドで『パトリック・キールティ・オールモスト・ライヴ』というチャット・ショーのホストを務めました。この番組は私もときどき見ていた記憶があります。その頃の彼は若手コメディアンの中では頭ひとつ抜けた才気あふれるコメディアンでした。

 

実は彼は1999年に初代司会者のゲイ・バーンがやめたとき、後継者としてオファーを受けていたそうです。キールティの才能を認めていたバーンからの推薦でもあったのですが、そのときはオファーを受けませんでした。レイトレイト・ショーは老若男女が視聴する国民的番組ですから、まだ20代だったキールティはもっとエッジの利いた仕事をしたかったのかもしれません。

 

今回、RTEとしては、タブリディに代わる司会者を女性にしたいという意向があったようです。これまでが3人とも男性でしたからね。本命はクレア・バーンだったのですが、平日に帯でラジオの番組をやっていることや、子供がまだ小さいことから辞退したようです。RTEの方からは、放映時間を少し短くする、回数を減らすなど、負担を軽減する案も出して口説いていたようなのですが。

 

これまでの司会者は3人ともダブリンの生まれなので、キールティが初の地方出身者。当然、北アイルランド出身者は初めて。彼の父親は建設業を営みながら興行主としてトム・ジョーンズロイ・オービソンなんかを呼んでコンサートも開催していました。街の名士だったんでしょうね。

 

ところが、そのお父さんは1988年、キールティが16歳のときにロイヤリストのギャングに射殺されます。ある裁判で証人台に立つことが決まっていたそうで、殺されたのはそのためだと言われています。北アイルランド紛争の被害者でもあるわけです。本人はそのことを普段はあまり語らないのですが、2018年には『My Dad, the Peace Deal and Me』というタイトルのドキュメンタリー映画を撮り、今年のはじめにはトミー・ティアナン (この人もコメディアン) の番組でがっつりインタビューに答えているようです。

 

キールティは若い頃に将来を嘱望されていたにもかかわらず、まだ代表作といえるような番組がありません。たとえば、グラハム・ノートンなら『The Graham Norton Show』、ドリフターズなら『8時だよ全員集合』。いやもう彼の若い頃は、そのくらいのビッグ・ネームになって当然みたいな感じだったのです。キールティにとってレイトレイト・ショーがそんな番組になればいいと思います。

 

最後になりますが、気になるギャラの方は現在のタブリディよりも高額になる模様で、RTEで一番の高給取りになるそうです。

 

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