たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

アルコール飲料の最低料金が導入されました

 

 

アイルランドでは今週火曜日からアルコール飲料の最低料金が導入されました。アルコールの過剰摂取による深刻な病気や死を抑えるのが目的です。

 

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影響を受けるのはスーパーマーケットや酒屋さん。パブ・レストラン・ナイトクラブなどはもとから今回の最低料金以上で販売していることがほとんどなのでほぼ影響を受けません。

 

アルコール度数にもよりますが、平均的なワイン・ボトルは7.40ユーロ、500mlの缶ビールは1.70ユーロ、ウォッカとジン1本(700ml)は22.70ユーロ、ウイスキー1本は22ユーロが最低料金となります。純アルコール1gにつき10セントが最低料金です。

 

ヨーロッパで初めて最低料金を導入したのがスコットランドで2018年のこと。2020年にウェールズが続きました。スティーブン・ドネリー厚生大臣は、スコットランドでは一応成功しているとみているようです。導入している国は少ないのですが、あとはロシア、そしてオーストリアとカナダの一部地域が導入しています。

 

ただ、最低料金の導入には反対意見も根強くあります。そんなことまで国が管理するのは過保護国家 (Nanny State) のすることだと言う意見です。

 

進歩民主党党首、法務大臣、法務長官を歴任し、現在は上院議員のマイケル・マクダウエルさんも反対する1人。最低料金だけでなく酒類の販売についてさまざまなことを定めた今回の法律は「常識に対する侮辱」「リアリズムが足りない」とさんざんです。

 

www.irishtimes.com

 

法案の段階では、がんに関して警告するラベルを貼っていなければ輸入 (販売ではなく) できない、という条項が入っていたのですが、マクダウエルさんが指摘して、輸入時には貼っていなくてもいいというふうに修正されたそうです。しかし、販売時にはワインにもタバコみたいに健康に関する警告が入るようです。

 

また、学校や幼稚園の200メートル以内の場所では酒類の広告が禁止されたのですが、マクダウエルさんはこれもばかげた条項だとしています。だって、だいたいの生徒は学校の200メートル以内に住んでないわけですから。

 

これに関連して、タバコの販売を規制するプランについてもマクダウエルさんは批判しています。HSEがいろいろ考えているみたいなんですね。

 

たとえば、学校の200メートル以内にある店では販売しない、とか。薬局だけで販売できるようにする、とか。ちょっと意味がよくわからないのですが、フィルター付きのタバコを禁止する、とか。タバコ1本1本に健康に関する警告文を印刷する、とか。。これらはまだ具体的な話ではありませんが、さすがにちょっとやりすぎという気がします。

 

マクダウエルさんは、酒が飲みたいんだったら飲ませればいいし、タバコが吸いたいんだったら吸わせればいい。そこまで干渉するのは過保護国家だとしています。それでいてマリファナは解禁しようとしている。そりゃなんなんだ、というわけです。公衆衛生が理由だとしても、自由な社会でそんな強制はするべきでないというのがマクダウエルさんの意見です。

 

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