ダブリンのボーモント病院に肝臓病で入院した人は、最初のロックダウンから18か月間で30%増加しました。
同病院の肝臓病部門のジョン・ライアン教授によりますと、アイルランドのほかの病院でも、他国でも同様の数字が出ているそうです。
言うまでもなく、ロックダウンで家で飲むようになって酒量が増え、それが肝臓病の増加につながったということです。
肝臓は日本でも「沈黙の臓器」などと言われますが、ライアン先生も肝臓病は「沈黙の殺人者 (Silent Killer)」と言っています。症状がでないので気付かないうち症状が進行しているというわけです。
肝臓の専門医が血液サンプルを検査する方法はGP(かかりつけ医)の方法とは異なるそうです。肝硬変のある人でも一般の検査だと正常と診断される人が50%もいるそうです。黄疸が出るまで気付かないこともあるようです。ライアン教授の患者は、20代から80代までの男女。つまりほぼ年齢も性別も問わないということです。
ライアン教授はアルコール消費量のガイドラインを守るように勧めています。男性の場合は週に17ユニット、女性の場合は11ユニットまでです。だいたいビール1パイントで2~3ユニットです。ワイン1本で10ユニットぐらい。週にワインを5本飲む人は50ユニット摂取しています。「これは多い。このレベルに達すると、私に会いに来なければならなくなる」とライアン教授。怖いですねえ。
肝臓病と診断されても、症状を管理できれば普通の生活を送ることができるようです。しかし、肝硬変は回復することはありません。
ライアン教授によれば、「ロックダウン中に1日にワイン1杯飲み出したのが1日にボトル半分を空けるようになる。家で飲むのは安くつく。週に100ユニット摂取しても50ユーで済む場合もある。閉店時間もない」
来年1月にアイルランドではアルコール飲料の最低料金が導入されるのですが、この措置はアルコールの摂取量を減らすのに役立つのではないかとライアン教授はみています。