アイルランド最古の家族経営の楽器店が昨日(10/23) 閉店したというニュース。
この店は、ダブリンのスティーヴンス・グリーンの近くにあるチャーリー・バーンという店。150年の歴史を誇るそうです。
現在の店主はマリア・バーンさん (89)。夫のチャーリーさんと 60 年近くこの店をやっているそうです。30年前に娘のジェラルディンさんも店を手伝うようになりました。
マリアさんによれば、多くの常連客が別れを告げにやってきているとのこと。「懐かしい思い出がたくさんある。世界中からやってきたいろんな人々にあった。彼らはお客さんというより友達になった」
「観光客も多かった。2、3年おきにカナダから来てくれる人もいた」
先週の土曜日にはお年を召した紳士がやってきて、人生で初めての楽器をこの店で買ったと話してくれたそうです。
「彼はとても高齢の方だった。私が89だけど、私よりも年上の人」。その紳士は80年前にこの店で楽器を買ったそうです。
1870年に先祖のチャーリー・バーンさん (今のご主人とはもちろん別人) がこの場所にお店を開いてから、家族経営で事業を続けてきたことをマリアさんは誇りに思っているそうです。
閉店の理由はご主人のチャーリーさんの病気です。「彼の介護をしないといけない。家族が一番です。両方はできません。60年もここで働いていたから、込みあげる想いもありますが、正しいことをしていると思います。娘のジェラルディンとその夫、そして2人の孫と一緒に暮らしています。家族のことを一番に考える必要があります」
閉店セールの初日には、ミュージシャンが楽器を持ってやってきて店の前に並び、小さなフェスティバルのようになったそうです。
マリアさんとチャーリーさんは1963年に結婚しました。パンデミックが始まるまで一緒に働いていたそうです。
マリアさんはこの店の前は釣り具や狩猟の道具を売る店で働いていたそうです。チャーリーさんが釣りを初めて釣具店にやってきたので、マリアさんがつかまえたらしいです。
アイリッシュ・タイムズのインタビューは開店前に行われていたようなのですが、マリアさんは「そろそろ行かないと。電気を付けて回転の準備をしないとね。すばらしい年月だったわ」と言って仕事にとりかかったそうです。