ダブリンのキャッスル・マーケットにある The Harlequin という古着屋が閉店したことを知りました。3月28日付けのアイリッシュ・タイムズの動画記事。ダブリンの中心街の小売店はパンデミック後も生き残れるだろうか、という特集で、その中のひとつとしてハーレクインが取り上げられていました。
シティ・センターに行ったことがある方なら、誰もがこのお店の前を通ったことがあるのではないでしょうか。古着屋というと若い人向けという印象があるかもしれませんので、服飾品専門のビンテージ・ショップと言った方がいいかもしれません。やんちゃな古着だけでなく、舞踏会にでも着ていけそうなシックなレトロ・アイテムなども揃っていて、あらゆる年代の人が楽しめそうなお店でした。
動画の中でインタビューに答えているのは店主のフィオナ・スミスさん。彼女とお母さんとで28年前にこのお店を引き継いだそうです。took it over と言っていますので、他の人がやっていたお店を譲ってもらったのだと思います。
閉店の決断をしたのは今年の初めのこと。その決断は、「死」または「離婚」のようなものだったといいます。動揺したけれども、プレッシャーから解放されるという安心感もあり、複雑な気持ちだったそうです。
来店したことのある有名人には、デビ―・ハリー、ノエル・ギャラガー、ナオミ・キャンベル、ケイト・モスなどがいるそうです。
最近、私は洋服は TK Maxx でしか買わないので、ハーレクインの店内にもしばらく入ったことがなかったのですが、以前はいくつかお買い物をしたことがあります。今でも持っているアイテムは2つ。
まず、バイアグラのロゴが入ったジャージ。
それから、レトロなジャケット。こちらは内張が剝がれてきていて、中の綿が出ている状態で、お直しに出したいと思いつつそのままになっているものです。
この動画で紹介されているもう1つのお店は、ウェックス・ストリートにあるジョン・ガン・カメラ・ショップ。ジョンさんとルイーズさんのガン夫妻がお店を始めてから約50年。お二人ともいまだ現役で、これからも頑張って店を続けていく意向。四人いる子供のうち二人がお店の経営に参加しています。
こちらのお店は、動画も含めたフィルムの現像に特化したお店のようですね。やはり去年から売り上げは落ちていて、例年の30%ぐらいだったそう。現像の仕事がなかったら、店を閉じなければならなかっただろうと、ジョンさんは言っています。
ハーレクインのフィオナさん「市街地の商店街の未来はどうなるのか? 私にはわからない。予測不可能な時代。現時点では快適な場所とはいえない。」
フィオナさんもジョンさんも言っていますが、やはり家賃が小売店には大きなプレッシャーとなってのしかかっているようです。