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来年から試験的に運用されるアーチスト向けベイシック・インカムの詳細

 

 

アイルランドのインディー・ロック・バンド「ピロウ・クィーンズ」のリード・シンガー兼ギタリストのサラ・コーコランさんによりますと、「試験的ベイシック・インカム制度はアートの世界で働く私たちにとって大きな変革 (ゲーム・チェインジャー)となる」のだそうです。「安定した収入があるということは、月々の家賃の支払いを心配することなく音楽に打ち込めるということだ」

 

芸術担当大臣のキャサリン・マーティンさんによりますと、来年の4月から最大2000人のアーチストおよび芸術関係者がベイシック・インカムを受け取ることになるようです。

 

今回の制度は、2020年11月の「芸術および文化回復タスクフォース (Arts and Culture Recovery Taskforce)」の「Life Worth Living」レポートの提言に基づくものだそうです。この3年間の試験的制度では、週に325ユーロが給付されます。受給者の選定にあたって収入・資産調査は行わないとのこと。

 

マーティンさんによれば、この制度は「アイルランドに住んで働くアーチストや芸術関係者に対し、彼らの仕事が価値があり、ありがたいと感じられており、必要とされているというメッセージを送るものである」のだそうです。

 

芸術省では、今後の数週間で、アーチスト等への周知を図るにあたって業界関係者の協力を仰ぎ、ニーズに合った制度となるように取り組む予定。適切な配分モデルを決定するために調整団体に暫定レポートを出してもらうことを検討しており、その後、2022年初めにさらなる詳細が発表されることになりそうです。

 

アイルランドで芸術関係で働く人がどれぐらいいるかということなんですが、Covidの第一波のとき、パンデミック失業給付を受けたアート、エンターテイメント、リクリエーション関係者は14200人だったそうです。2000人をどう選ぶかについては、来月初めに詳細が決定されます。コンペティションではなく抽選で選ぶことになりそう。対象となるのは、プロのアーチスト、新興のアーチストそしてクリエィティブ・アート関連業界で働く人です。

 

「芸術のための全国キャンペーン」というロビー団体によれば、2000人という数字は彼らが望んだものよりは少ないそうですが、週325ユーロという金額には満足。収入・資産審査がないことにも満足。その他の給付(障害者給付など)に影響がないことにも満足。選考課程が明確であることにも満足。「正しい方向への重要な一歩だ」と言っています。

 

コンコーランさんはこう言っています。バンドを結成してから5年の間に、バンドとして素晴らしい成功の瞬間もあったのだが、安定した収入がなかったため、フェスティバルのステージから観客としてきていた失業給付担当の公務員に手を振ったり、ジェームズ・コードン・ショー(アメリカの人気番組)にリモートで出演した後、テスコ (スーパーマーケット) の仕事に出かけたりしたそうです。

 

「外からは何か月も何もしていないように見えることがある。しかし、このような期間にこそアートは創造されるのです」。ピロウ・クィーンズのメンバーは全員フルタイムの仕事をしています。2019年にファースト・アルバムを作るときには、無休の休暇を取る必要がありました。「仕事に戻ってきたときに、休暇は楽しかった? と聞かれたんだけど、アルバム制作でへとへとだったのよ」だそうです。「始まりはたった2000人だけど、アーチスト向けのベイシック・インカムはすばらしい出発点。そのアーチストによって世界的に知られているこの国に重要な変化をもたらす可能性がある」。

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ピロウ・クィーンズ

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