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子供にワクチンを打つべきか?

 

 

未成年者にワクチンを打つべきかどうかが議論になっています。アイルランドでは来週から12歳から15歳までのティーンエージャーがワクチン接種のために登録できるようになります。

 

www.irishtimes.com

 

未成年者でも既往症がある場合は、ベネフィットがリスクを大きく上回るのでワクチンを推奨するのが合理的な判断です。

 

しかし、緊急使用の目的で認可された新しいワクチンを、重症化の可能性が低い健康な未成年者に打つべきかどうかは意見の分かれるところです。

 

フランス、イスラエル、カナダはすべての (希望する) 12 歳以上にワクチンを提供しますが、イギリスとノルウェーはリスクの高い子供のみに投与しています。

 

アイルランドの国家予防接種諮問委員会 (Niac) は、12歳以上のすべての人に mRNA ワクチンを提供すべきと提言しています。子供に対して承認されているmRNA ワクチンはファイザーのだけなので、これは事実上ファイザーのワクチンを意味します。

 

国の首席医療官のトニー・ホロハンも、この提言を支持しています。

 

Niac は保護者の意思は尊重されるべきだとしていますが、アイルランドの全体的な方向性としては12歳以上の全員に打つということのようです。

 

Niac に相当するイギリスの機関であるJCVIは、データがもっと集まるまでは、全員にうつのは控えるべきだという意見です。

 

JCVI は、子供自身の健康上のメリットは少なく、社会に対するメリットも非常に不明確であるということで、現時点では18歳以下へのワクチン投与によるメリットはリスクを上回らないとしています。

 

これはもう誰でも知っていることですが、子供がCovidで重症化することは少なく、死ぬことはまれです。アイルランドでは、健康な子供がCovidにより入院するリスクは10万分の1だそうです。

 

12歳から15歳の年齢の子供がCovidで入院したのは去年が34件、今年にはいってから56件。死者はいません。小児科のICUがCovidに関連して使用されたのは5件に満ちません。

 

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いわゆる「ロングCovid」(後遺症)については、Niacが「かなり不明確」とするのに対し、JVCIは「非常に低い」としています。

 

アイルランドは基本的にワクチンへの信頼度は高く、成人の90%が既に少なくとも1回接種を受けています。Covidのワクチンは世界で40億回分が既に投与されており、効果と安全性は非常に高いことがわかっています。

 

Niac は、12-15歳の年齢層の全員にワクチンを勧める理由として、特にデルタ株の広がりを抑えるために間接的効果があることをあげています。家庭などで子供が感染源となることがあり、ワクチン接種によってそれを抑えることができるというわけです。ファイザー・ワクチンを接種した成人は、家庭で感染を広げる可能性が50%低くなるという研究があるそうです。

 

ただし、アメリカのCDCは、ワクチン接種が完了していてもCovidを移す可能性があると報告しています。

 

Niacは、ワクチンを推奨するかどうかの決定には、間接的な医学的効果だけでなく、子供の身体的、心理的、社会的健全性についても考慮すべきだとしています。つまり、通常の暮らしに戻ること、教育の混乱を防ぐこと、家庭内で高齢者や既往症のある人に移すリスクを減らすこと、などですね。

 

Niac は保護者やティーンエージャーとミーティングを持ったそうですが、通常の生活に戻り、学校や社会活動を自由に行うことへの期待が大きかったそうです。

 

リスクの低い先進国の子供たちにワクチンを打つよりも、ワクチンの展開が遅れている国の高齢者や医療関係者に先に打つ方が、変異株の出現をおさえ、世界的なCovidの抑制に効果があるのではないかという意見もあります。

 

子供へのワクチン投与については、保護者1人の同意があればいいようです。

 

 

www.irishtimes.com

 

 

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