パンデミックに関する現在のガイドラインでは、屋内でイベントを開催することはできません。結婚式とお葬式は例外で、人数制限ありで行うことができます。つまり、カトリックの重要な儀式であるファースト・コミュニオン (初聖体拝領式) やコンファメーション (堅信式) は行ってはいけないということになっています。洗礼式は8月5日からOKだそうです。
アイルランドのカトリックでは、ファースト・コミュニオンは小学校2年生( 7~8 歳)の子供のためのもので、初めて聖体 (パン) を神父さんからもらう儀式。女の子は白いドレスを着て、男の子は背広を着て出席します。コンファメーションは6年生、13歳ぐらいのときに行います。プロテスタントの場合は、ファースト・コミュニオンの式というものはなく、13歳ぐらいのときにコンファメーションの前に行われるようです。
ファースト・コミュニオンは宗教的に意味があるのはもちろんのこと、社会的にも大きなイベントなんですね。親戚が集まってお祝いするみたいな。こうした重要な儀式が禁止されているのはいかがなものかということで、カトリックの神父さんたちが強行突破しようとしているわけです。
ダブリンのダーモット・ファレル大司教は、神父さんたちに送ったレターの中でこう書いています。
「公衆衛生ガイドラインの改訂について教会の代表者と話し合いがまったく行われないことを非常に残念に思います」
「複数の世帯が集まることに関するガイドラインに違反する可能性があるからという理由で儀式を行うことに制限がかけられていることを懸念し、落胆されている方は多いと思います」
「スポーツ・イベントや一般のイベント、つまり誕生日や記念日を祝う会、そして結婚式やお葬式は禁止されていないことを考えれば、これは理解しがたいことです」
ただし、盛大に行うのではなく、少ない人数で簡潔に短時間で行うことという注意事項も添えられています。
ラジオのインタビューに答えたある神父さんは、現在の制限緩和から教会が取り残されていると感じざるをえないと言っています。この方は、アイルランドという国は抵抗から生まれたのであり、民主主義とは基本的に反抗的な性質を持つものだと言っています。
教会側としては、こうした儀式が行われないことにより、人々の心がさらに離れて行ってしまうんではないかという焦りがあるんじゃないかと思います。
もちろんこれに反対する神父さんもいます。どちらにせよ、あと6週間もすれば正式にファースト・コミュニオンなども開くことが公式にOKになるんですよ。どうしてそれまで待てないのか、というわけです。
北アイルランドでは制限が緩和されているので、ファースト・コミュニオンやコンファメーションは既に行われています。
先ほど入ってきたニュースですが、今日の内閣会議で 9月からファースト・コミュニオンとコンファメーションの儀式を行うことが正式に認められることになりました。マーティン首相が教会の代表者にレターを出すそうです。