現在のロックダウンの規制では、パブがお店を開けるには、9ユーロ以上の食事を提供する必要があります。
ウチの近所にオスカーズというパブがあって、結構繁盛しているのですが、ここも先週の金曜から営業を再開しています。
ところが、注文に応じて出した食事がほとんど手つかずのまま残されることが度々あると。どうも、ほかのレストランで食事をしてから、お酒だけ飲みにオスカーズに来るお客さんが多いようなんですね。食事を頼まないとお酒を注文できませんから。グループで入店しても、9ユーロ分を一食だけ頼めばいいみたいですけど、お腹いっぱいだと食べられません。
食料を無駄にするのはもったいないという気持ちも当然ありますし、それに加えて、これでは仕込みから頑張って料理を作ったシェフも心が折れてしまいそうです。
そこで、オスカーズの経営者はいいことを思い付きました。木曜日にFacebookに投稿された告知がこちら。
「今週末から、食事を頼んでも食事を出さないというサービスを始めます。食事を出さなくてもいい場合は、ホームレスの人のためのチャリティーにその分の材料費を寄付します。」
ところが土曜日になって投稿された告知がこちら。
「警察の指導により、食事を出さないサービスは中止します」
職務として法律を執行しているだけの警察に最大限の敬意を払う、とも申し添えられています。また、オスカーズには法律を曲げようという意図はなく、食品廃棄物を減らすための常識に基づくアプローチを取ろうとしただけである、という説明も加えられています。
食事を出さないサービスが実施された金曜日の夜、このサービスを利用した客はそれほどいなかったようなのですが、オスカーズではそこで集まったお金にオスカーズからの1000ユーロを足して、Capuchin Day Centreというホームレスの人のための慈善団体に寄付するそうです。