今日の朝、KBC銀行から封筒が郵送されてきました。昔この銀行に口座を持っていたのですが、アイルランドでの事業を撤退するということで口座を閉じるように言われ、閉じました。もう2年ほど前の出来事です。ですから、「なんでいまさらKBCからお手紙が?」というのが最初の感想でした。
ちなみにKBCはもともとはベルギーの銀行ですが、アイリッシュ・インターコンチネンタル・バンク(IIB)という銀行を買収して1978年にアイルランド市場に参入したのでした。
さて、封筒を開けてみますと、なんと75ユーロの小切手が同封されていました。手紙を読んでみますと、利率の変動について預金者に伝達するのに不備があったということで、goodwill として75ユーロ配っているということでした。KBCのウェブサイトや新聞広告で告知はしたらしいのですが、預金者に直接連絡していなかったということらしいです。
Goodwill というのは「善意」などと訳されますが、つまり「お詫び」として配っているのではないということですね。裏の意味は「穏便によろしくね」ということだと思います。
さっそくアイリッシュ・タイムズを見てみると、記事が出ていました。
記事によりますと、ある預金者がFSPO(金融サービスおよび年金に関するオンブズマン)にこのことを訴えたらしいんですね。そしてFSPOがこの預金者の言い分を認めたということです。KBCは裁判所にアピールしたんですが、高裁はFSPOの裁定を追認したということです。
この預金者には、この人が実際に受け取った利子の額と、口座開設時の利率である0.3%がずっと続いたときに受け取ったであろう利子の額の差である75.47ユーロがKBCから支払われたとのこと。また、煩雑な申請手続きを行った補償として1000ユーロも支払われたそうです。
ちょっと明確にはわからないのですが、利率が下がったことを直接告知してくれれば預金を他に回すことができたのに、告知がなかったので口座をそのままにしたせいで損をした、という訴えなんだと思います。
ちなみに、KBCが行った告知方法は口座開設時に交わした契約には違反していないとのこと。ただし、常識的な消費者保護の措置からは外れているという理由で最終的な裁定結果につながったようです。