たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

アイリッシュ・ウイスキーのミニチュア・ボトル – その4

アイリッシュウイスキーのミニボトル紹介シリーズ第四弾です。

 

まず、ハイド・ウイスキー。この会社は蒸留所ではなく、他の蒸留所が製造したウイスキーを吟味して購入し、自社でブレンドして熟成させるという、いわゆるボンダーです。この会社のオーナーであるハイド一族は、ウエスト・コークのバンドンという町の近くで、1640年から1962年までバーを経営していました。また、ボンダーとしてウエスト・コーク一帯にウイスキーを供給していたようです。

 

ハイドというウイスキーの名前ですが、これは一族の名前であるだけでなく、アイルランド初代大統領のダグラス・ハイドにちなむものでもあるようです。写真左から、ハイドNo3・プレジデンツカスク、ハイドNo4・アラース・カスク、ハイドNo1・プレジデンツカスク、ハイドNo5・アラース・カスクです。No1と No4がシングル・モルト、No3とNo5がシングル・グレーンです。

 

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アラース(Áras)というのはアイルランド語で「家」という意味なのですが、大統領官邸のことを Áras an Uachtaráin というので、そこから来ているのではないかと思います。アイルランドでは基本は英語が使われますが、第一公用語アイルランド語であり、一部の公職や組織名にはアイルランド語が常に使われます。Áras an Uachtaráin もその1つです。

 

それぞれのボトルには年号が書かれています(No1は除く)。No3 が1916年、No4が1922年、No5が1860年です。これは、ダグラス・ハイドの節目の年を表すのだそうです。1916年は独立の契機となったイースター蜂起の年。1922年がアイルランド自由国建国の年。1860年はダグラス・ハイドが生まれた年です。

 

ダグラス・ハイドのお父さんもコーク県の出身なのですが、ハイド・ウイスキーのハイド一族とは血のつながりはないようです。

 

次は、テンプルバー (Temple Bar)。テンプルバーというのはダブリンの中心地にある繁華街の名前です。パブや飲食店が集まるにぎやかな場所です。そして、その中にザ・テンプルバーというパブがあり、そこが出しているウイスキーです。

 

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左から、10年、定番、15年です。10年と15年はシングル・モルト。定番はブレンドです。

 

ザ・テンプルバーというパブは、1840年にワインや蒸留酒の卸売業として設立された会社が起源です。その後、パブなどのサービス業にも進出。ハイドと同様にこの会社は蒸留所は持っていませんが、原酒を購入してブレンド、熟成するという、同社の伝統を受け継いでウイスキーを作っています。

 

今回は以上です。