ジャーポイント・アビー (Jerpoint Abbey) は、トーマス・タウンから南に5分ほど車を走らせたところにある修道院の遺跡です。私が前回来たのは確か2000年のこと。そのときは自由に入ることができたような記憶があるのですが、今回訪れてみると小規模なビジター・センターが開設されており、入場料も5ユーロ必要となっていました。
ジャーポイント・アビーは12世紀後半に設立されたシトー会の修道院です。ルネッサンス様式からゴシック様式への過渡期の建築スタイルです。現在残っている塔や回廊は15世紀のものです。修道院はヘンリー8世の命により16世紀前半に解散させられました。
ジャーポイント・アビーは回廊が残っているのがすばらしいんですよね。特に手すりの支柱の部分にいろいろな彫刻が残されているんです。たとえばこちら。手前の支柱に描かれているのは聖人だと思います。その後ろが騎士。そのまた後ろにはのっぺらぼうの支柱がありますが、これはおそらく近年になって回廊を修復するときに後から追加されたものでしょう。
下の写真では、手前の支柱に女性、その後ろになにやら槍のようなものを持った人物が描かれています。
こちらの写真の手前の支柱に描かれているのはおそらくマンティコアと呼ばれる想像上の動物ではないかと思います。こうした支柱にはもともとは色も塗られていたそうです。
また石棺も2つ安置されているのですが、こちらの側面にも聖人の姿が彫刻されています。16世紀前半にキルケニー県のカラン (Callan) という町出身のローリー・オタニー (Rory O'Tunney) という彫刻家の作品。雨風に晒されていないせいか、よく保存されています。
遺跡の部屋を利用して展示室が作られていて、これも前回来たときにはなかったものです。発掘の際に見つかった建物の装飾の一部などが展示されています。
ジャーポイントのビジターセンターは、冬季は時間が少し短縮されていますがオープンしています。詳しくはこちらの公式サイトをどうぞ。