たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

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ザ・リベレーター: ダニエル・オコンネルの血を引くウイスキー

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ウェイウォード・アイリッシュ・スピリッツ (Wayward Irish Spirits)というケリー県のウイスキー・メーカーから、3種類のウイスキーがリリースされたという記事アイリッシュ・タイムズ紙に掲載されていたので翻訳してご紹介します。

 

 

この会社を経営するモーリス・オコンネル氏は、アイルランドの国民的英雄の1人、ダニエル・オコンネルの子孫です。ダニエル・オコンネルは、19世紀前半に活躍した政治家で、カトリック解放運動を主導した人。ダブリンで一番の大通りに名前が冠せられているほか (オコンネル・ストリート)、以前は 20 ポンド紙幣に肖像画が描かれていました。

 

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ダニエル・オコンネルのニックネームは、ザ・リベレーター(The Liberator: 解放者)。そこで、この会社が発売するウイスキーも「The Liberator」ブランドで統一されています。

 

この会社は、ケリー県のレーン湖畔にあるオコンネル家のエステートを本拠地としています。まだ自前の蒸留施設を持っていないのですが、ゆくゆくはシングル・エステート蒸留所になることを目指しているそう。シングル・エステート蒸留所とは、蒸留や熟成を自社で行うのはもちろん、大麦などの原材料から自社の敷地内で栽培するというもの。蒸留所は、レイクビュー・エステート蒸留所という名前で、2024年の操業開始を予定しています。

 

同社は今年の3月に初めてのウイスキーをリリースしたのですが、これは自社のエステートの隣の敷地で栽培した大麦を原料に、パートナーの蒸留所で蒸留したウイスキーを使用しています。また、仕上げの熟成もエステート内で石造りの貯蔵所で行っています。

 

オコンネル一族はアイルランド西部のケリー県の名家で、15世紀半ばからワインやブランディをスペインやポルトガルから輸入することで財をなしたそうです。ダブリンから遠く離れた田舎なので、税吏の目を逃れて酒税を支払わずにすんだ、などというダークな話も伝わっています (笑)。

 

オコンネル家の現当主をウイスキー・ビジネスに呼び戻したのも、ご先祖様なのかもしれません。

 

 

(翻訳ここから)

ザ・リベレーターを生んだ会社がリリースする新しい3つのウイスキー

文: ジョン・ウイルソン (John Wilson)

2020年9月16日

 

キラーニーのレーン湖 (Lake Leane) のほとりにあるウェイウォード・アイリッシュ・スピリッツ社は、最ものどかな環境にたたずむ蒸留所の1つとなるだろう。今年の3月に同社初のウイスキーとなるザ・リベレーターがリリースされたとき、私はオーナーのモーリス・オコンネル(ダニエル・オコンネルの子孫)と妻のフランチェスカにインタビューして記事を書いた。今回は、この会社から3種類の新しいウイスキーが発売される。

 

 

モルト・イン・トーニー・ポート・フィニッシュ・バッチ2は、2006 年のクーリー蒸留所のモルトウイスキーと2015年のノーザン蒸留所のモルトウイスキーを原酒としており、前回と同様にトーニー・ポート樽で仕上げられている。約1000本の番号付きのボトルが市場に出ており、アルコール度数は46%。価格は65ドルである。リベレーター・バッチ2は、心地よく滑らかなウイスキーで、ダーク・フルーツとチョコレートの風味が特徴である。「今回のリリースは前回とは少し異なる」とオコンネル氏は言う。「前回と比べて熟成期間が4~5か月長く、ブレンドの方法も異なる。今回は、前回ほどポートを強く意識したブレンドにはなっていない」

 

 あふれんばかりのフルーティー

 

今回リリースされる2つ目のウイスキーは、ダブル・ポート・フィニッシュである (アルコール度数45%)。さまざまなトーニー・ポートとルビー・ポートの樽で熟成された原酒をブレンドしており、あふれんばかりのフルーティーさが特徴。ジューシーで熟れたブラックカラントとレッド・チェリーの風味がする。また、このウイスキーについては、カスク・ストレングス(62. 1%)が140本の番号付きハーフ・ボトルで用意されている(ただし、売れ行き好調につきお早めに)。価格は55ユーロである。

 

最初のウイスキーをリリースしてから約数か月。ここまでの状況にオコンネル氏は満足しているのか? 「何軒かのホテルのバーにおいてもらっているので、そこで私たちのウイスキーを試してもらうことができる。これは大きな意味があることだ。提携している何軒かのケリーのホテルではミニチュア・ボトルが提供されるので、消費者は65ドルのボトルを購入する前に試飲することができる」

 

(翻訳ここまで)

 

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