2020年7月16日のアイリッシュ・タイムズ紙に、ロックダウンが明け始めて、活気を取り戻すアイリッシュ・ウイスキーの蒸留所やビジター・センターについての記事が掲載されていたので訳してみました。
記事といっても、こちらは広告記事です。Irish Whiskey 360°というアイリッシュ・ウイスキーの観光産業としての側面を推進する団体がスポンサーになっています。
(翻訳ここから)
元気を取り戻す: アイリッシュ・ウイスキーの蒸留所を楽しむ
2020年7月16日
数か月間の自己隔離の後、久しぶりに友だちと集まって語り合う場合でも、新しいデート・スポットを探している場合でも、アイリッシュ・ウイスキーの蒸留所とビジター・センターは、新しい発見や友情を堪能するための素晴らしい場所となる。
蒸留所やビジター・センターは、ウイスキー・ファンだけのものではない。文化や歴史も体験できるので、ウイスキーの作り方や地域の歩みを知り、ウイスキーや地元の料理を味わうこともできる。
数十年にわたる衰退を経験したアイリッシュ・ウイスキーだが、近年は国内および海外での売り上げが伸び、ルネッサンスとも呼べるような復興を果たしている。
2019年、アイリッシュ・ウイスキー産業は、世界中で1億4300万ボトル (約1200万ケース) を売り上げるという成功を収めた。これは、2010年と比べると2倍の数字である。さらに、史上初めて、100万人を超える人々がアイリッシュ・ウイスキーの蒸留所とビジター・センターを訪れた。
しかし、新型コロナウイルスによってレストラン、バー、ビジター・センターが営業を取りやめたため、アイリッシュ・ウイスキー業界も、多くの他の産業と同じように、大きなダメージを被った。
新しいビジター体験
だが、アイリッシュ・ウイスキー産業はこの逆境にも屈せず、勢いを取り戻そうとしている。ユニークな体験を提供する蒸留所やビジター・センターを訪問することによって、人々に「元気を取り戻す」ことを促そうとしているのだ。
(訳注: 「元気を取り戻す」の原文は「get back into the spirit」。Spirit は「精神」と「蒸留酒」をかけている)
この2週間で、アイリッシュ・ウイスキーの蒸留所とビジター・センターの3分の1以上が再オープンした。7月の末までに、さらに3分の1が再開する予定である。
新型コロナウイルスの影響で、多くの蒸留所やビジター・センターでは、ツアーの内容が組み直された。ソーシャル・ディスタンシングを守り、親しみやすいツーリスト体験を提供するためだ。したかって、ビジターは、ソーシャル・ディスタンシングを維持しながら、安心して蒸留所ツアーを楽しむことができる。
再オープンに際しては、少人数の見学ツアー、ウイスキーと食べ物の特別なテイスティング、フレンドリーなカクテル教室、地域の産業とのコラボなど、さまざまなアトラクションが用意されている。
再オープンした蒸留所の一部では、「ボトル・ユア・オウン (Bottle Your Own)」エクスペリエンスを提供している。これは、見学客が10年もののシングル・モルト樽から自分自身のボトルを作り、その後、金曜や土曜の夜に、付近のレストランで食事を取ることができるというものだ。
今日までに再オープンした蒸留所とビジター・センターは以下のとおりである。
- クロナキルティ蒸留所 (コーク県)
- ロウ&コ蒸留所 (ダブリン)
- タラモア・デュー (オファリー県)
- ディングル蒸留所 (ケリー県)
- ティーリング・ウイスキー蒸留所 (ダブリン 8 区、ニューマーケット)
- パワーズコート蒸留所 (ウィックロー県)
- ジェムソン蒸留所ボウ・ストリート (ダブリン7 区)
- ジェムソン蒸留所ミドルトン (コーク県) (上の写真)
これからの数週間で、新しい種類のツアーやアトラクションを用意して、さらに多くの蒸留所とビジター・センターが再オープンする。
たとえば、以下のような蒸留所である。
- ピアース・ライオンズ蒸留所 (ダブリン8 区、ジェームズ・ストリート) – 7/20に再オープン
- スケリグ・シックス 18 (ケリー県カハシヴィーン) – 7/20に再オープン
- ロウ&コ蒸留所 (ダブリン8 区、ジェームズ・ストリート) – 8/6に再オープン (上の写真)
- キルベガン蒸留所 (ウェストミース県) – 7/31に再オープン
- コナハト蒸留所 (メイヨー県バラナ) – 7/31に再オープン
- ブラックウォーター蒸留所 (ウォーターフォード県バリーダフ) – 8/8に再オープン
今年の後半にかけて、さらに多くの蒸留所がオープンする。続報に期待してほしい。
理想的なお出掛けの場所
海外旅行が制限され、バケーションではなくステイケーション (近場での休暇) を選ぶ人が多くなる中で、蒸留所やビジター・センターは、楽しい1日を過ごしたい人にうってつけの場所である。
パンデミックが発生するまで、海外からアイルランドを訪れた観光客は、蒸留所やビジター・センターに詰め掛けていた。アイリッシュ・ウイスキーがどのように作られるのかを知り、ユニークな国民的蒸留酒の製造に人々や土地がどのような影響を与えているのかを探ることができる、わくわくするような楽しい観光施設だということが世界的に知られているからだ。
昨年は、史上最高となる100万人が蒸留所とビジター・センターを訪れた。その87%以上が海外からの観光客である。しかし、新型コロナウイルスのため、国際観光は事実上消えてなくなってしまった。
したがって、蒸留所やビジター・センターは、ロックダウンで失ったビジネスを取り戻すため、国内の観光客に大いに期待している。アイルランドの産業が立ち直るのを支援しているということを実感しながら、蒸留所やビジター・センターでの1日を楽しむことができる。
蒸留所やビジター・センターは、国内のあちこちに存在するので、友人とのドライブ旅行や新しいデートの目的地として最適ではないだろうか。
(翻訳ここまで)