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エリザベス女王のスピーチを訳してみた

新型コロナウイルスパンデミックについて、昨日(4月5日)、エリザベス英国女王のスピーチがテレビで放送されたので訳してみました。定例のクリスマスのスピーチ以外で、エリザベス女王がこうしてスピーチするのは5回目だそうです(後の4回は、湾岸戦争、ダイアナ妃逝去、お母様逝去、在位60周年)。

 

www.youtube.com

(翻訳ここから)

 

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ますます難しさを増すこの時期に、皆さんに向けてお話します。私たちの国の生活が混乱している時期です。その混乱は、一部の人々に悲しみをもたらし、多くの人に経済的困難をもたらし、私たち全員の日常に大きな変化をもたらしています。

 

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前線で働くNHS (英国の国民医療サービス) のすべての皆さんに感謝します。ケアワーカーの皆さん、そして私たちのために家の外で私心を忘れて必要不可欠な毎日の業務を続ける皆さんに感謝します。皆さんの仕事は有難く受け止められています。それについては安心してほしいと思う私の気持ちに、国民も間違いなく同意してくれるでしょう。皆さんの懸命な働きにより、より普通の日常に戻れる日が近づくのです。

 

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 家の中に留まっている皆さんにも感謝します。これにより、弱い人を守ることができ、愛する人を失った人々が既に感じている痛みを多くの家族が感じなくてすむようになります。

 

私たちは力を合わせてこの病気と闘っています。私たちが団結し、強い気持ちを持っていれば、この病気に勝てるということに自信をもってほしいと思います。

 

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将来、この困難にどう立ち向かったかについて誰もが誇りを持てるようになればいいと思います。そして、私たちに続く人々は、この世代のイギリス人はほかのどの世代にも負けないくらい強かったと言うでしょう。自制力、明るく物静かな強い気持ち、そして同胞意識は、今でもこの国の特徴です。私たちのありのままの姿に対する誇りは、過去のものではありません。それは、私たちの現在や未来を定義するものです。

 

UKが一体となって医療関係者や必要不可欠な仕事をする人に拍手を贈った瞬間は、私たちの国民的精神の発露として記憶されるでしょう。

 

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そして、子供たちが描いた虹はその象徴となるでしょう。

 

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コモンウェルスの各国や世界中で、人々が協力して他の人を助けるという心温まるストーリーが聞こえてきます。食料品を届けたり、隣人に声をかけたり、事業を救援活動に転換したりです。

 

自主隔離はつらいときもありますが、信仰を問わず、信仰を持たない人も含めて、多くの人々が、祈りや瞑想の中で心を静め、立ち止まり、自分を振り返る機会としてこれをとらえています。

 

これは、私が1940年に妹に助けられながら初めて放送で行ったスピーチを思い出させます。子供だった私たちは、このウィンザー城から、安全のために疎開した子供たちに向けて話をしたのでした。現在も、愛する人から離れて暮らすことの痛みを多くの人が感じていると思います。しかし、当時と同じように、私たちは心の奥深いところで、これが正しい行為なのだということを理解しています。

 

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私たちは過去にも困難を経験しましたが、現在の困難はそれらとは異なっています。今回は、共通の取り組みのために世界中のすべての国と力を合わせ、大きく進歩した科学と本能的な思いやりを癒しのために活用するのです。私たちは成功するでしょう。その成功は私たち全員のものです。

 

我慢の日々はまだ続くかもしれませんが、良き日が戻ってくることに安らぎを見出すべきです。私たちは友人とまた一緒に過ごせるようになるでしょう。家族とまた一緒に過ごせるようになるでしょう。私たちはまた会うことができるでしょう。

 

しかし、今のところは、私からの感謝の気持ちと心よりの祝福を皆さんに贈ります。

 

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(翻訳ここまで)

 

英文書き起こし:

www.telegraph.co.uk

 

このスピーチのキーワードは、感謝、一体感、そして希望、ということになるでしょうか。

 

スピーチの中に出てくるエリザベス女王 (当時は王女、14歳) のラジオ・スピーチはこちら。BBCの『子供の時間 (Children's Hour)』という番組だそうです。

 

www.youtube.com

 

エリザベス女王はスピーチの最後を「We Will Meet Again」という言葉で締めくくりますが、これは第2次世界大戦中にイギリスで国民的応援歌として愛唱されたヴェラ・リンの曲にちなむのではないかとのこと。

 

www.youtube.com

 

今回のスピーチに関する詳しい解説については、BBCの記事をどうぞ。

www.bbc.com

 

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