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外出禁止令延長を発表するバラッカー首相のスピーチを訳してみた

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4月10日の聖金曜日 (グッド・フライデー) に、バラッカー首相から外出禁止令を3週間延長するというスピーチがありました。

 

(その動画はこちらから↓) 

www.irishtimes.com

 

これまでの市民の協力に感謝し、自由に行動できないという市民のフラストレーションに理解を示しながら、弱い人や最前線で働く人たちのためにこれまでと同様の自制を続行してほしいと呼びかけています。

 

スピーチは中学生でも理解できる簡単な単語で構成されていますが、ノーベル文学賞を受賞したシェイマス・ヒーニーの言葉を引用することで、教養ある大人にもアピールする内容になっています。

 

グッド・フライデーということで、22年前のこの日に署名された北アイルランド紛争に関する和平合意にも触れられています。このようにしてアイルランド人の共通の記憶やアイデンティーに訴えかけることで、スピーチは市民の心により強く刺さったのではないでしょうか。

 

(翻訳ここから)

私たちの歴史をとおして、聖金曜日は特別な意味を持っています。聖金曜日は、苦痛、犠牲、悲しみを思い起こさせる日です。そして、新しい始まりも。すなわち、復活と再生、また、より良い日々が未来に待っているという希望です。

 

そして、北の紛争を終わらせ、私たちの島に平和をもたらす合意書への署名が、ベルファストで行われた日でもあります。

 

紛争が最も苛烈だった年に、詩人のシェイマス・ヒーニーはその状況についてこう言いました。「この冬を切り抜ければ、私たちはどこででも夏を過ごすことができる」 

 

 

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この言葉が、今回の緊急事態に取り組む多くのアイルランド人にインスピレーションを与えたことを私は知っています。私たちが同じ船に乗っていること、この状況を乗り越えられること、そしてより良い日々が未来に待っていることを思い出させてくれます。

 

これまでの自制と犠牲について、皆さんに感謝します。

 

多くの人がフレストレーションを抱えていることを私は知っています。気候が良いので、それがいっそう難しくなることもわかっています。外に出たい。友人や家族と一緒に過ごしたい。どこにでも行けるんだという感覚を味わいたい。自由でありたい。

 

難しいことは私も承知しています。しかし、私たちが払うすべての犠牲が誰かの命を救うのに役立っています。医療サービスが機能不全になるのを防いでいます。最前線で働く人々や、サポート・スタッフ、事務職員、家で待つパートナーなど彼らを支えるすべての人の毎日を少し楽にしているのです。

 

ほとんどの人が専門家のアドバイスに従ったので、ウイルスの拡散に水を差すことができました。最も弱い人々を守り、保護することができました。

 

皆さんの犠牲は違いを生み出しています。私たちはウイルスの拡散を鈍化させましたが、残念ながら止めるにはいたっていません。苦しみや悲しみを感じている誰かが私たちの身近に必ずいます。多くの人が亡くなりました。そして、悲しいことに、この状況が終わるまでに、さらに多くの人が亡くなり、病気になるでしょう。

 

今日のメッセージは、私たちは油断することはできず、集中力を失うこともできないということです。私たちは困難なことを行っていますが、それが違いを生み出しています。だから、このままやり続ける必要があります。

 

私たちは我慢し、規律と決意を維持し続ける必要があります。

 

2週間前に導入した制限は日曜日に期限が切れる予定でした。今日、5月5日(火)までさらに3週間延長すべきだという専門家の助言がありました。

 

政府は、この助言を受け入れました。

 

普段の生活に戻れるのはいつだろうかと多くの人が思っているのは私も知っています。私たちはその時に向けて努力しており、安全にそこに到達できるように注意深く計画を進めています。 

 

真実を言えば、それがいつになるのか、そして、そのときに私たちの生活がどう変化しているのかについては、誰も明確には知りません。

 

私たちにできるのは、1日1日を精一杯取り組むことです。他の人のことを考え、私欲や恐怖よりも希望や結束を選択することです。

 

あなたの犠牲が命を救います。誰かにとっての不便が、他の人の命の綱となるのです。それぞれに期待されていることを実行する。それを皆さんにお願いしたいと思います。

 

寛容で、思いやりを持つこと。自分のことを考える前に、他の人のことを考えること。

 

誰にもそれ以上のことは求められていません。 

 

ヒーニーは、彼の数々の優れた詩の一篇において、奇跡に近い回復の実現を可能にする人間の支援の鎖を祝福しました。

 

ヒーニーが書いたように、私たちは「背を向けて歩み去らなければならなかったからこそ、よりひとつになれる」のです。これからの日々、私たちは引き続きお互いに背を向け、そして私たちがやりたいと思うことに背を向けて歩み去らなければなりません。しかし、そうすることによって、私たちはよりひとつになれるのです。

 

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強さを保ち、安全に過ごし、家の中に留まりましょう。

 

ありがとうございます。

(翻訳ここまで)

 

英文書き起こし:

galwaybayfm.ie

 

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