たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

盗まれたフリーハグの白熊くんが戻ってきた

ウィックロー・ストリートにコーヌコピア (Cornucopia) というヴェジタリアンのレストランがあります。私も一度行ったことがありますが、値段も手ごろでとてもおいしいです。

 

このレストランでは、20年近く前からクリスマスの時期になると大きな白熊のぬいぐるみを入口近くに置き、お客さんがハグできるようにしていたそうです。

 

ところが、先週の木曜日ことですが、この白熊くんが盗まれてしまったんですね。フードをかぶった男がひったくって持ってっちゃたそうなのです。

 

www.dublinlive.ie

 

レストランはInstagramに、「昨日の9時半ごろ、当店の白熊くんがフードを被った男に誘拐されてしまった。彼は15年以上にわたってクリスマスにフリーハグを提供してくれていた」と投稿し、無事に返してくれたら報酬を差し上げる、何も質問はしない、と呼び掛けていました。

 

すると、今週になってある家族から電話がかかってきたそうです。その白熊を街なかのマーケットで40ユーロで買ったと。40ユーロを払ってくれれば白熊くんを返しに行くと。何も質問しないという約束ですから、それ以上の詳しいことはわかりません。

 

www.dublinlive.ie

 

実際に少女がぬいぐるみを返しに来て、店のオーナーは40ユーロとプロセッコ1瓶を渡したそうです。

 

白熊くんが戻ってきてほっと一息というところですが、オーナーさんは白熊くんをまた店の入口近くに置くかどうか迷っているようです。また盗まれるといけませんし、椅子にくくりつけても椅子ごと盗まれちゃうでしょうから。でも、入口近くのポーチに腰かけてるのがすごく似合っていたのだそうです。

 

オーナーさんの結論「ダブリンは小さな街。メディアの注目を少し集めて、SNSで情報が拡散すれば、なくなったものを数日で取り戻すことができる。一目であの白熊だとわかるものね」

 

ブラジル人のスタッフにアルベアルト (Al-BEAR-to)と名付けられた白熊くん。フリーハグの仕事に戻るかどうかはまだわかりませんが、ひとまず一件落着。めでたしめでたしです。

 

 

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「いこる」という動詞について

下ネタ注意報が発令されています。

 

私は香川県西部 (愛媛に近い方) の出身なのですが、小学生の頃に友達との会話で頻繁に使っていた動詞に「いこる」というのがあります。私たちが使う「いこる」の意味は「男性器が勃起する」です。小学生・中学生男子ですから、この単語の使用頻度はそれは高いわけです。私たちは「立つ」とか「大きくなる」とかいう言葉を使うことはほぼなく、勃起することはとにかく「いこる」と言っていました。

 

ところが、ある日、母方の叔父さんがウチに遊びに来ていて、何かを焼こうと豆炭に火を点けようとしていたんですが、火が点いたとたんに「お、いこったのお」と言ったんです。そのとき私は「この人はいきなり何を言い出すのだ」と思ったのですが、しばらくしてわかったのは、「いこる」というのはもともとは豆炭などに火が点くことを言うのであって、勃起の意味はどうやら後から派生した用法らしいのです。

 

私は高校は中讃地方 (香川県の真ん中らへん) の高校に通ったのですが、そこでは「いこる」という言葉は使わなかったように記憶しています。まあ、高校生になったら「おまえ、いこっとんちゃうんか」「いこってないわ」みたいな会話はしなくなったというのが理由かもしれませんが。

 

「いこる」は漢字で書くとたぶん「熾る」。広辞苑には「いこる」という単語は掲載されていません(第7版)。ただ、インターネットで検索してみると、豆炭などに火が点くという意味では京都や広島などで使われていることが確認できます。しかし、「勃起」の意味で使っている例はありませんでした。

 

なぜ私が「いこる」という動詞についてブログ記事に書こうと思ったかというと、香川県小豆島の漁師Youtuberのはまゆうさんが「いこる」という単語を使っていたから。はまゆうさんは豆炭に火が点くという意味で使っていましたが、小豆島でも「勃起」の意味で使うかどうか聞いてみたいところです。

 

Wikipedia仕入れた知識ですが、小豆島にも地域によっていろんなアクセントが存在するようです。旧池田町付近が高松式 (高松は東讃)、旧内海町北部は観音寺式 (観音寺は西讃、私の出身地の近く)、南部は本島式、土庄町は土庄式とのこと。

 

はまゆうさんが小豆島のどの地域の方かは知りませんが、はまゆうさんの妹さんがしゃべる動画で「ああ、これはウチ (西讃) の方のアクセントだ」と膝をうつようなシーンがありました。

 

この動画の2:00分のところ、はまゆうさんの妹さんが発する「おやついるん?」(おやつほしい?)のイントネーション。京阪式アクセント以外の地域の方が聞くと関西弁にしか聞こえないかもしれませんが、私にとっては子供の頃にウチや近所で聞いていたけれども、それ以外では聞いたことのない抑揚です。まさに、「ふるさとの訛りなつかし、Youtubeの動画の中にそを聴きにゆく」であります。

 

探偵ナイトスクープの「アホ・バカ分布図」ではないですけれども、香川県のどの市町村で「いこる」が「勃起」の意味で使われているか調べてくれる方はいないでしょうか。中高生の夏休みの自由研究に最適かもしれません。先生におこられるか。

 

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ソフト・ドリンクお断りのパブ

 

北アイルランドベルファストにあるビトルズ・バー (Bittles Bar) というパブは、おいしいギネスを出すことで有名だそうです。

 

先日、あるお客さんがこのパブにいって、コーラを頼んだそうです。そしたらオーナーのジョン・ビトルさんに「このパブはお酒を飲む人専用なんだ」と断られたそうです。

 

このお客さんがこの出来事をSMSに投稿したところ、そりゃひどいパブだということで大炎上。

 

それで、アイリッシュ・インデペンデント紙の記者がビトルさんに取材しに行ったんですね。

 

ビトルさんによると、ビトル・パブは多い時はギネスが1日に700杯出るそうです。「ウチはテーブルの数も少ないし、コーラのお客さんは理想的ではないのですよ」と炎上にもビクともしていません。

 

「今はとても忙しい時期。今日もまだ2時半だというのに400パイントも売れている」。

 

ビトルさんは以前にも「ハーフ・パイントでのギネスの注文お断り」という張り紙を出したことがあったそうです。お客さんは最初冗談だろうと思ったそうですが、ビトルさんによると、「観光客が入ってきてハーフ・パイントで粘られたら商売あがったりです。ウチは小さいパブなんだから」。

 

パンデミックのロックダウン後に営業再開したときは、「No Jab No Juice」という張り紙を出したそうです。つまり、ワクチン注射をしてない人はお断り、ということです。(Juice はここではドリンクのこと)。

 

まあ、ビトルさんは、日本のラーメン屋で客に食べ方の注文をつける頑固オヤジ系の人なのかもしれませんね。

 

しかし、パブがSNSで炎上したからといって、全国紙の記者がわざわざ取材して記事にするのですから、さすが世界に誇るアイリッシュ・パブと言わざるをえません。

 

www.independent.ie

 

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チャリティ・ショップで買った絵葉書

アイルランドにはチャリティ・ショップがいっぱいありますね。私はチャリティ・ショップを見かけると、そして時間があれば、なるべく入るようにしています。私はバッジとかしょうもないものをいろいろ集めているので。

 

先日もケーペル・ストリートの Irish Cancer Society のショップに入ったところ、ちょっと昔のアイルランドの絵葉書がいっぱい置いてありました。これは宝の山だということで、75枚ほど購入しました。1枚50セントでした。

 

 

だいたい1970年代から80年代、または90年代初めぐらいに作られた絵葉書ですね。POSコードが入っているものもあればないものもあります。Webサイトが記載されているものはなく、FAXの番号が記載されています。

 

アイルランドの二大絵葉書会社は、Real Ireland 社とJohn Hinde社ですが両方の絵葉書があります。

 

今回驚いたのは、Real Ireland社が「Real Dublin」というロゴでダブリンの絵葉書を発売していたこと。これは初めて見ました。

 

 

それから、Real Ireland社が横に長い絵葉書を発行していたのも初めて知りました。John Hinde社がこうしたパノラマ形式の絵葉書を発行していたのは知っていましたが。

 

上が今回手に入れたReal Ireland社のパノラマ絵葉書。下はJohn Hinde社のもの。

 

今回手に入れた中で一番のお気に入りはJohn Hinde社のUCDの絵葉書です。トリニティ大学はケルトの書があるなど観光地にもなっているので絵葉書がいっぱいありますが、UCDのは初めてみました。まず観光地でない場所の絵葉書というのがいいですし、当時はモダンであったであろう建物が少し古ぼけてしまった絵葉書に納まっているという対比もいいのですね。

 

 

チャリティ・ショップの危険なところは、お金を使う言い訳ができるところです。これは慈善団体に寄付することにもなるんだからと散財を正当化できるわけですね。気を付けましょう。

 

 

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テスコがついにスミスフィールドにできた

先日、ウチの近所でこんな広告を見かけました。

 



 

「スミスフィールドよ。ついにこの地にやってきた。テスコより」と書かれた広告。「どこにあるかはわかってるよね」とも書かれているんですが、知らんがな。どこかなあ、と思って調べてみたら、Luasのスミスフィールド駅のそばの新しい建物の1階にできていたのです。Express (小型店舗) ですけどね。

 

 

この場所には Distillers Building という名前のジェムソン・ウイスキーの建物が建っていました。それを Linder という車のディーラーが本業の会社が買って、SOHO向けの事務所にしていたのでした。実は私の会社も3年ほど一室を借りていたことがあります。

 

Linder はその建物を取り壊して、新しく学生向けのアコモデーションを作りました。立派なビルです。コロナの影響もあって建設は遅れましたが、やっと完成にこぎつけたというわけですね。

 

最近LUASを使っていなかったので気づかなかったのですが、12月9日に開業したようです。さきほど実際に行ってみましたが、ちょっと大きめのコンビニくらいの規模でした。LUASのプラットフォームから直接入れるのは便利です。駅のホームにあるキオスクのお店はちょっと打撃を受けるかもしれませんね。

 

私は2011年にテスコがスミスフィールドに開店するらしいというブログ記事を書いたことがあります。

 

スミスフィールド・スクエアの西側の新しいビルの一角に、以前はThe Complexという劇場が入っていたことがあります。たぶん今はBoojamになっているところ。で、The Complex がドアにこんな張り紙を出していたのです。

 



「この劇場を閉じて Tesco にするという計画が認められてしまいました。スミスフィールドを文化的な中心地にしたいと思っている方は、抗議をお願いします。まだ遅すぎるということはありません。Every Little Helps」

 

Every Little Helps というテスコのキャッチコピーで締められているところが粋なのですが、とにかくテスコの出店計画は一度は認められていたのですね。しかし、抗議が実ったのか、それともテスコが計画を見直したのかわかりませんが、この話は沙汰止みになりました。

 

そのうちにFreshができ、Lidleもできたので、スミスフィールドのスーパーマーケット砂漠も解消されたのですが、ここにきてテスコも出店。駅を利用する方には非常に使い勝手のいいお店になるのではないでしょうか。

 

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賛否両論を巻き起こしたAldiのクリスマスCM

クリスマス時期になりますと、特にスーパーマーケットなどの小売りの会社は凝ったCMを制作して私たち消費者を楽しませてくれます。

 

今回いろいろと話題になっているのはドイツの安売りスーパーマーケット、Aldi (アルディ) のクリスマス広告です。

 

www.youtube.com

 

主人公はニンジン一家のいたずら好きな男の子、ケヴィンです。家族はケヴィンがW杯に夢中になっているうちに、彼を置いたままパリ旅行に出かけてしまいます。そこへ泥棒がやってきます。まあ泥棒と思ったのはケヴィンだけで、実はサンタだったのかもしれませんが。とにかくケヴィンは泥棒を退治するために知恵を働かせながら孤軍奮闘します。賢明な方はお気づきと思いますが、はい、これは映画『ホーム・アローン』のパロディーですね。

 

問題になっているのは、ケヴィンが2階からジップラインで脱出するシーン。外にあった雪だるまの下腹部にケヴィン君が突き刺さります。まあ、ニンジンは普通は雪だるまの鼻として使われるわけですけど、ちょっと微妙な位置に突き刺さってしまったというわけです。

 

ナレーションも、「He made a hasty exist to become snowman’s … nose?」と入ります。「急いで脱出して、雪だるまの、えーと、鼻になった?」と微妙な言い回し。苦情を言っている人は、子供向けのCMなのに子供に見せられない下ネタだ、というわけです。

 

www.independent.ie

 

アイリッシュ・インデペンデントの記事が出た11月18日の時点で、アイルランド広告基準局(ASAI)に寄せられた苦情は18件。記事にはASAIはこの件について検討中となっていますが、インターネットを検索してもその後の続報は見つかりませんでした。続報がないということは放送中止にはならなかったのではないかと思います。

 

さて、その一方でこのCMがとてもおもしろいと大絶賛している人も大勢います。特にケヴィンがテレビでW杯を見ているシーン。テレビ画面左上の得点表示が Cuth 1 – 0 Col となっています。これが、高級スーパー M&Sへの当て擦りになっているのではないかと話題になっているのです。

 

 

昨年のことですが、M&SとAldiの間で訴訟がありました。M&Sはコリン・ザ・キャタピラー (Colin the Caterpillar) という芋虫型のケーキを出しているのですが、Aldiもカスバート・ザ・キャタピラー(Cuthbert the Caterpillar)という同様の芋虫型ケーキを発売し、キャラが似すぎているということでM&Sが訴えたのです。

 

カスバート(左)とコリン

 

実はイギリスのスーパーはどこも芋虫型のケーキを出していて、ウェイトローズがセシル (Cecil)、テスコがカーリー (Curly)、アズダがクライド (Clyde) と名付けて売っています。キャタピラーの頭文字のCに合わせて全部 C で始まる名前なんですね。

 

M&Sが訴えたのはAldiだけ。これはデザインがあまりにも似ていたからだそうです。

 

その後、紛争は法廷外で決着し、和解の内容は公表されていませんが、Aldiはいったん商品を引き上げました。しかし、数か月たってからデザインを変更して再発売。そのときには「Made by Bakers. Approved by Lawyers」という挑発的なキャッチコピーで宣伝していました。

 

 

「Cuth 1 – 0 Col」の表記を見つけた目ざとい視聴者は「あ、これはあの法廷闘争のことを言っているな」とピンときたわけですが、当のAldiは「皆さん、何のことをおっしゃっているのかわかりません」としらばくれています。

 

 

庶民派のAldiがちょっとポッシュなM&Sから一本取ったということで、胸のすく思いをした人も多かったようです。

 

www.thesun.ie

 

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アイランズ・エッジのほろ苦いCM

昨年ぐらいに新しく発売されたアイランズ・エッジというスタウト・ビールがあります。製造元はハイネケン。大企業のブランドですから、宣伝もバンバン打ってます。これまでは、おそらく若い人をターゲットとした明るくて楽しい雰囲気のCMを出していましたが、1か月ほど前から一味違ったCMを出してきていて、これが話題になっています。

 

www.youtube.com

 

とあるアイリッシュ・パブで客の1人がバーマンに「アイランズ・エッジってどんな感じなの?」と尋ねます。バーマンは「苦みが少ないんだよね(Less bitter)」と答えます。そこでカウンターに座っていた客が「私と同じだね」と受けて自分語りを始めます。

 

そこからグループ・カウンセリングのようにパブの客が過去の苦い体験とそれに折り合いをつけて Less Bitter になった現在の自分について話していくという設定。アイルランド人らしいほろ苦さとユーモアが伝わってくるCMです。

 

口火を切るのはカウンターに座った禿げ頭の40歳ぐらいの男。「私の元妻が、今日再婚したんだ。相手はパイロット。髪の毛もフサフサなんだ。でもね。まあいいヤツなんだよ」。アイルランドではあんまり髪の毛が薄いことをいじったりしないんですけど珍しいですね。

 

 

次の女性はタトゥー・アーチストが間違った綴りで入れ墨を掘ってしまったという話をします。彼女の背中には「Love Yourshelf」と言う文字が彫られています。それでも彼女は自分を好きになろうと取り組み始めているそうです。アイルランド語の s は英語の sh の発音なんですよね。なので、英語の s も sh で言う人、けっこういるんですよ。ウェスト (West)がウェシュトとか。だから、彼女が Love Yourself と伝えたつもりが、タトゥー・アーチストが外国生まれの人で Love Yourshelf に聞こえてしまったということかもしれません。

 

 

エピソードとして一番面白かったのは、30代くらいの女性の話。「小学校5年生のとき学校のタレント・コンテストで優勝できなかったんだけど、優勝した子はもう死んじゃったのよ」。言ったとたんに周りが変な空気になったことに気づいた彼女、「あ、私が殺したんじゃないのよ」と付け加えます。これ、おもしろいんだけどブラックなのでテレビではこの部分はカットされたそうですが。

 

 

最後のひげ面の男性は、「皆さん私のことをジェリーと呼びますけど、実は私の名前はガリーなんです。まあよくある間違いなんですが」と言ったとたんに、遠くから「もう少し大きな声で言ってくれ、ジェリー」と声がかかります。この男性のことがほんとうにかわいそうになってしまいますが、でも笑ってしまいます。

 

 

登場人物の年齢からして、30代から40代をターゲットにしたCMなんでしょうね。これまでのCMに比べて落ち着いた雰囲気です。撮影が行われたのはクロンターフのハリー・バーンというパブだそうです。

 

 

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