たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

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「いこる」という動詞について

下ネタ注意報が発令されています。

 

私は香川県西部 (愛媛に近い方) の出身なのですが、小学生の頃に友達との会話で頻繁に使っていた動詞に「いこる」というのがあります。私たちが使う「いこる」の意味は「男性器が勃起する」です。小学生・中学生男子ですから、この単語の使用頻度はそれは高いわけです。私たちは「立つ」とか「大きくなる」とかいう言葉を使うことはほぼなく、勃起することはとにかく「いこる」と言っていました。

 

ところが、ある日、母方の叔父さんがウチに遊びに来ていて、何かを焼こうと豆炭に火を点けようとしていたんですが、火が点いたとたんに「お、いこったのお」と言ったんです。そのとき私は「この人はいきなり何を言い出すのだ」と思ったのですが、しばらくしてわかったのは、「いこる」というのはもともとは豆炭などに火が点くことを言うのであって、勃起の意味はどうやら後から派生した用法らしいのです。

 

私は高校は中讃地方 (香川県の真ん中らへん) の高校に通ったのですが、そこでは「いこる」という言葉は使わなかったように記憶しています。まあ、高校生になったら「おまえ、いこっとんちゃうんか」「いこってないわ」みたいな会話はしなくなったというのが理由かもしれませんが。

 

「いこる」は漢字で書くとたぶん「熾る」。広辞苑には「いこる」という単語は掲載されていません(第7版)。ただ、インターネットで検索してみると、豆炭などに火が点くという意味では京都や広島などで使われていることが確認できます。しかし、「勃起」の意味で使っている例はありませんでした。

 

なぜ私が「いこる」という動詞についてブログ記事に書こうと思ったかというと、香川県小豆島の漁師Youtuberのはまゆうさんが「いこる」という単語を使っていたから。はまゆうさんは豆炭に火が点くという意味で使っていましたが、小豆島でも「勃起」の意味で使うかどうか聞いてみたいところです。

 

Wikipedia仕入れた知識ですが、小豆島にも地域によっていろんなアクセントが存在するようです。旧池田町付近が高松式 (高松は東讃)、旧内海町北部は観音寺式 (観音寺は西讃、私の出身地の近く)、南部は本島式、土庄町は土庄式とのこと。

 

はまゆうさんが小豆島のどの地域の方かは知りませんが、はまゆうさんの妹さんがしゃべる動画で「ああ、これはウチ (西讃) の方のアクセントだ」と膝をうつようなシーンがありました。

 

この動画の2:00分のところ、はまゆうさんの妹さんが発する「おやついるん?」(おやつほしい?)のイントネーション。京阪式アクセント以外の地域の方が聞くと関西弁にしか聞こえないかもしれませんが、私にとっては子供の頃にウチや近所で聞いていたけれども、それ以外では聞いたことのない抑揚です。まさに、「ふるさとの訛りなつかし、Youtubeの動画の中にそを聴きにゆく」であります。

 

探偵ナイトスクープの「アホ・バカ分布図」ではないですけれども、香川県のどの市町村で「いこる」が「勃起」の意味で使われているか調べてくれる方はいないでしょうか。中高生の夏休みの自由研究に最適かもしれません。先生におこられるか。

 

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