22 日に行われたゲイ・マリッジの国民投票は、YES 派が予想以上に票を獲得して、憲法の改正が決定しました。7月にも同性婚を認める法律ができるそうです。
得票率は YES が 62%、NO が 38% でした。投票率も予想以上に高くて 60.52% でした。アイルランドは国籍を持っていてもアイルランド国内に住んで登録しないと投票できないので、投票のためだけにわざわざオーストラリアとかから帰ってきた人もいたそうです。
アイルランドは全国で 43 の選挙区があるんですが、NO が勝ったのは 1 選挙区だけ (ロスコモン - サウス・リートリム)。田舎の方は NO が強いんじゃないかと言われてましたが、田舎でも YES が勝ちました。
ダブリンなどの都市部の方がやっぱり YES が多いんですが、新聞を読んで、へーと思ったのは、個別訪問で選挙運動してた YES 派の人の話によると、ワーキング・クラス地域はもう圧倒的に YES。中流家庭地域は YES と NO が入り混じっていたそうです。
アイルランドはご存じのようにカソリックの国で、同性愛はカソリックの教義に反するということになっています。今回の国民投票でもカソリック教会は NO の姿勢を打ち出していました。しかし、もうカソリック教会が道徳とは何かを定義して説教するような時代は終わったということです。
国民投票で同性婚の合法化を決めたのはアイルランドが初めてです。既に合法化してる国は 20 くらいあるそうですが、それらはすべて議会で法律を制定して合法化したとのこと。もちろんアイルランドにはカソリックが深く根ざしていて、宗教的な信条として同性婚に反対する人も多かったと思うのですが、だからこそ国民投票で「人々が望んだ」という正統性を獲得する必要があったのかもしれません。
与党フィネゲール党の次期党首候補であるレオ・バラッカー保健相は先日ゲイであることをカミングアウトしたばかりなのですが、今回の投票を「社会的な革命 (Social Revolution)」と表現しました。ほんの 20 年前まで同性愛行為が非合法だった国で、「結婚は性別にかかわらず 2 人の人によって行われる」と憲法に明記されるわけですから、その表現はけっして大袈裟ではないと思います。
そして、その社会的革命に投票という形で参加する機会を得た有権者 1 人ひとりも、自分たちの手で時代を作ったという実感をヒシヒシと感じているのではないでしょうか。