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スコットランド独立の国民投票についてアイルランドは。。。

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スコットランドの独立の是非を問う国民投票が 9 月 18 日に行われます。イギリスでは大きなニュースになってます。アイルランドでもやはり隣国のことですから関心は高いですね。

 

しかし、アイルランド共和国の政府はスコットランド国民投票については静かです。政府内では、センシティブで複雑な問題なので不用意に意見を言わないように、というお達しが出ています。「スコットランドのことはスコットランド人が決める」という大原則以上のことはあまり言わないみたいですね。ただ、静かだからといって関心がないわけではありません。スコットランド国民投票の結果はアイルランド(南)に大きな影響があります。

 

アイルランドはこれまで、フレンドリーで、教育程度が高くて、英語がしゃべれて、法人税が安い EU の小さな国ということを売りにして海外直接投資を呼び込んできたわけです。やっぱり、アメリカの会社が欧州のヘッドクォーター作るときは英語ネイティブの国が有利なんです。スコットランドが独立したら、これとまったく同じ売り出し方ができます (EU入るかどうかわかりませんが)。強力なライバル出現です。それから観光も。タータンチェックとか、スコッチウィスキーとか、ネッシーとか、ショートブレッドとか、ゴルフとか、セルティックとか、ベイシティローラーズ(?)とか。観光資源いっぱいありますから。

 

あと、アイルランドと UK の通商条約みたいなのがあるらしいんですけど、今のは UK の方が圧倒的に大きな国ということで、アイルランドは UK の寛大さに甘えてるとこがあるらしいんですね。スコットランドとだと規模がそんなに違わないので、そうはいかないだろうとかいう話もあります。

 

さて、注目の北アイルランドですが、スコットランド国民投票の結果が北アイルランドに不安定性をもたらすと考えられていることは分かったんですが、調査不足のせいでしょうか、具体的に何が不安定なのか私はまだピンときていません。申し訳ございません。

 

北アイルランドも政治家たちも、どっちになってほしいとは絶対言わないですね。基本的に「スコットランドのことはスコットランド人が決める」以上のことは言わないです。

 

大きな影響が出るのは僅差の No の場合らしい。僅差の No だと、ウェストミンスター (ロンドンの中央議会) はスコットランドにより大きな自治権を移譲したり、補助金みたいなものを渡すことになる。そうすると、その補助金分、北アイルランドは減らされるかもしれない。逆に、スコットランドと同じ自治権をよこせと中央議会に要求できるかもしれない。そのあたりのこと、プラス、実際に自治権が拡大したときに北アイルランド議会が (ただでさえ揉めることが多いのに) その自治権をどうマネージメントするかでさらに揉めるんじゃないか、みたいな話らしい。

 

あと、プロテスタント側もカソリック側も和平プロセスにコミットしてるので、武力闘争に戻ることはありえません。また、北アイルランド独立または南との併合を問う国民投票なんてのもありません。北アイルランドは色分けがはっきりしててこの件に関する浮動票は少ないので、国民投票したら独立/併合サイドが負けるのわかってるから。

 

まあ、Yes が通っちゃうと、急進的な考え方の人が発言力増したりして、北アイルランドの世論もそっちの方に盛り上がったりして、それも「不安定性」に含まれるんじゃないかと私は思ってるんだけど。

 

ひとつ確実なことは、スコットランドが独立したら、不確実なことだらけということです。経済とかは間違いなくしばらく混乱しそうです。アイルランドとしては、スコットランドの将来はスコットランド人に決めてもらって、その結果に従って対策を立てていく、ということですね。

 

ここら辺の記事を参考にしました。↓

 

www.irishtimes.com


(↑この記事には150件以上のコメントが付いてるので、一般市民の関心はやはり高いみたいですね)

 

www.irishcentral.com

 

(写真はアイリッシュタイムズ紙から)