中絶合法化を問うアイルランドの国民投票は5/25に行われました。結果は64%対36%の大差で賛成派が勝利。もともと有利が伝えられてたけど、態度を決めかねていた人のほとんどが最後の1週間でYesに流れた。決め手になったのは、中絶禁止法でひどい目に遭った女の人達の個人的なストーリー。
Yesキャンペーンのシンボルのようになったのは、5年ほど前に妊娠中に体調を崩し流産がほぼ確実な胎児を中絶してもらえず敗血症でなくなったサヴィタさん(インド出身の歯医者)。ダブリン市内のストリートに壁画が描かれ、みんながチラシにメッセージを書いて周りに貼り付けた。
だいたいはサヴィタさんへの個人的なメッセージなのだが(「あなたのために投票したのよ」とか「まにあわなくてごめんね」とか)、教会への怒りを書いてる人もいる。
「この国はもうカソリックの国ではない。教会は病院と学校から出て行ってくれ」。アイルランドの多くの病院と学校は教会が運営。
今回、政党は右から左まですべてが Yes 推しで、だからまあ世俗 vs 教会みたいな構図でもあったわけです。
下の写真はちょっと辛辣なグラフィティ。教皇が Repeal (条項を廃止せよ) と書いたシャツ着てる。
ただカソリック全般の問題かというとそう単純でもなくて、同じカソリックでもイタリアは普通に中絶手術が受けられるし、アイルランドと同様に中絶に厳しい北アイルランドは、プロテスタント系の民主統一党が中絶禁止派、カソリック系のシンフェインが中絶 OK にしようぜ派。